5.4.2 アクティビティを連結する
キャンバスに配置された2つのアクティビティを連結すると,ビジネスプロセスの実行順序が定義されます。
(1) 連結の種類
アクティビティの連結には,次の種類があります。
-
コネクションでの連結
通常のアクティビティの連結に利用します。
-
フォルトコネクションでの連結
アクティビティでフォルトが発生したときのためのフォルト処理を定義する場合に利用します。フォルト処理の定義の詳細については,「5.4.4 フォルト処理を定義する」を参照してください。
-
リンクコネクションでの連結
並列処理アクティビティを利用した並列処理で,リンクを定義する場合に利用します。並列処理とリンクについては,「5.6.15 並列処理アクティビティ」を参照してください。
連結方法によって,キャンバス上の連結線の表示は異なります。連結方法と連結線の関係を次の表に示します。
連結方法 |
表示される連結線 |
線の色 |
線の種類 |
終端 |
---|---|---|---|---|
コネクションでの連結 |
黒 |
実線 |
三角の矢印 |
|
フォルトコネクションでの連結 |
赤 |
破線 |
三角の矢印 |
|
リンクコネクションでの連結 |
青 |
点線 |
線の矢印 |
(2) 連結の設定方法
アクティビティを連結する方法を次に示します。
-
パレットの[コネクション],[リンク],または[フォルト]をクリックします。
コネクション,フォルトコネクション,またはリンクコネクションが選択された状態になります。
この状態で,アクティビティにマウスポインタを合わせると,そのアクティビティを連結元に設定できる場合,アクティビティの背景色が変わります。
-
キャンバスに配置したアクティビティのうち,連結元となるアクティビティをクリックします。
連結元となるアクティビティが設定されます。
この状態で,ほかのアクティビティにマウスポインタを合わせると,そのアクティビティを連結先に設定できる場合,アクティビティの背景色が変わります。
-
キャンバスに配置したアクティビティのうち,連結先となるアクティビティをクリックします。
連結元となるアクティビティと連結先となるアクティビティが連結されます。
(3) 連結の変更方法
すでに設定されている連結を変更するには,連結線の始点または終点をドラッグし,ほかのアクティビティにドロップします。
(4) 連結線の折り曲げ
連結線は,折り曲げて表示できます。アクティビティの連結が複雑になり,キャンバス上の連結線を整理する場合などに利用できます。連結線を折り曲げる方法について次に示します。
-
キャンバス上で連結線を選択します。
連結線の始点と終点の中間に折り曲げられる個所(ベンドポイント)が表示されます。
-
ベンドポイントに選択ツールのポインタを合わせます。
十字の矢印()が表示されます。
-
矢印を任意の位置にドラッグ&ドロップします。
連結線がベンドポイントから折れ曲がります。
ベンドポイントで折り曲げた連結線では,次の個所もベンドポイントとして利用できます。
-
連結線の始点とベンドポイントの中間
-
ベンドポイントと連結線の終点の中間
-
ベンドポイントとベンドポイントの中間
-
(5) アクティビティの連結条件
アクティビティと利用する連結の種類によって,アクティビティを連結元または連結先として利用できるかどうかが異なります。各アクティビティの連結元または連結先としての利用可否について,次の表に示します。
アクティビティ |
コネクション |
フォルトコネクション |
リンクコネクション |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
連結元 |
連結先 |
連結元 |
連結先 |
連結元 |
連結先 |
|
開始 |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
受付 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
応答 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
サービス呼出 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Java呼出 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
データ変換 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
代入 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
無操作 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
フォルト送出 |
− |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
待機 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
検証 |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
スコープ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
繰り返し |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
分岐(開始) |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
分岐(終了) |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
並列処理(開始) |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
並列処理(終了) |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
終了 |
− |
○ |
− |
− |
− |
− |
また,アクティビティをコネクションで連結するとき,あるアクティビティへの遷移元となるアクティビティを遷移元アクティビティ,あるアクティビティからの遷移先となるアクティビティを遷移先アクティビティといいます。
コネクション(フォルトコネクションおよびリンクコネクションは除く)で連結できる遷移元アクティビティおよび遷移先アクティビティの数は,アクティビティごとに異なります。
アクティビティごとの連結できる遷移元・遷移先アクティビティの数を次の表に示します。
アクティビティ |
連結できる遷移元アクティビティの数 |
連結できる遷移先アクティビティの数 |
---|---|---|
開始 |
0 |
1 |
受付 |
1 |
1 |
応答 |
1 |
1 |
サービス呼出 |
1 |
1 |
Java呼出 |
1 |
1 |
データ変換 |
1 |
1 |
代入 |
1 |
1 |
無操作 |
1 |
1 |
フォルト送出 |
1 |
0 |
待機 |
1 |
1 |
検証 |
1 |
1 |
スコープ |
1 |
1 |
繰り返し |
1 |
1 |
分岐(開始) |
1 |
1以上 |
分岐(終了) |
1以上 |
1 |
並列処理(開始) |
1 |
1以上 |
並列処理(終了) |
1以上 |
1 |
終了 |
1 |
0 |
- 注意事項
-
ビジネスプロセスで最初に実行できる基本アクティビティは,インスタンスを生成する受付アクティビティだけです。
(6) コネクション使用時の注意事項
-
リンクコネクションでリンク先の遷移条件が「あり」に設定した場合,遷移条件を設定してください。
-
リンクコネクションは,循環しないように設定してください。
-
リンク名はビジネスプロセス内で一意になるよう設定してください。
-
リンクコネクションは,フォルト処理外からフォルト処理内へ張らないでください。
-
コネクションで連結したアクティビティ同士を近づけると,連結線の矢印の向きが設定と逆に見える場合があります。連結したアクティビティ同士は,ある程度の距離をとって配置してください。