2.4.2 HCSC簡易セットアップ機能の実行
HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップ,またはアンセットアップするための前提条件と,テスト環境のセットアップおよびアンセットアップの方法について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) テスト環境のセットアップ
HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップする場合の前提条件,およびセットアップ方法について説明します。
(a) 前提条件
テスト環境をセットアップするための前提条件を次に示します。
- テスト環境の前提ソフトウェア
-
HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップするには,次のソフトウェアがインストールされている必要があります。
-
Component Container※1
-
XML Processor※1
-
TPBroker※1
-
Performance Tracer※1
-
Reliable Messaging※1
-
Service Coordinator※1
-
WSDL4J 1.5.1※2
- 注※1
-
これらのソフトウェアは,Service Architectの構成ソフトウェアです。Service Architectをインストールしている環境であれば,改めて上記のソフトウェアをインストールする必要はありません。
上記のソフトウェアを改めてインストールする場合,インストーラからインストールします。インストーラの指示に従ってインストールしてください。なお,インストール作業はAdministrator権限が設定されたユーザが実施してください。
- 注※2
-
WSDL4J 1.5.1は,これ以外の前提ソフトウェアをインストールしたあとにインストールしてください。WSDL4J 1.5.1は,SOAP1.1モードを使用する場合に必要になります。
-
- HCSC簡易セットアップ機能を利用するときのシステムの状態
-
HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップする場合,システムが次の状態である必要があります。
-
サービスプラットフォームを新規にインストールした直後であること。
-
サービスプラットフォームに関する設定をしていないこと。
ただし,システム環境変数で,変数名「TZ」の値が有効になっている必要があります。環境変数「TZ」にはタイムゾーンを設定します。タイムゾーンには「JST-9」と指定してください。
なお,セットアップ後にテスト環境をカスタマイズした場合,カスタマイズした情報はアンセットアップ時に削除されます。カスタマイズした情報を削除したくない場合は,カスタマイズ時に追加・変更した定義ファイルのパラメタ情報を記録しておいてください。
-
- データベースとReliable Messagingの両方を使用する場合の前提条件
-
データベースとReliable Messagingの両方を使用する場合(HCSC簡易セットアップ画面で[DB/RMありモデル]を選択する場合),次の条件を満たす必要があります。
-
HiRDBに関する知識を持っていること。
-
高負荷テストや性能測定などを実施しないこと。
- 注
-
テスト環境をアンセットアップしたあとには,HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境を再度セットアップできます。テスト環境のアンセットアップについては「2.4.2(2) テスト環境のアンセットアップ」を参照してください。
-
(b) セットアップ方法
HCSC簡易セットアップ機能を利用したテスト環境のセットアップには,HCSC簡易セットアップ画面を利用します。テスト環境のセットアップ方法を次に示します。
-
Windowsの[スタート]メニューから,[Cosminexus]−[テスト環境セットアップ]を選択します。
HCSC簡易セットアップ画面が表示されます。
-
HCSC簡易セットアップ画面で必要な情報を入力します。
HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目については,「2.4.2(1)(c) HCSC簡易セットアップ画面の入力項目」を参照してください。
-
[セットアップ]ボタンをクリックします。
テスト環境のセットアップが開始されます。セットアップの状況は,HCSC簡易セットアップ画面のコンソールに表示されます。コンソールに「HCSC簡易セットアップ機能のセットアップを終了します」と表示されたら,テスト環境は正常にセットアップされています。
- 注意事項
-
コンソールにエラーが表示され,テスト環境のセットアップが異常終了した場合,再セットアップする必要があります。異常終了したときに,HCSC簡易セットアップ画面の[セットアップ]ボタンが活性か,非活性かによって,再セットアップの手順が異なります。
- [セットアップ]ボタンが活性の場合
-
[セットアップ]ボタンをクリックして,再セットアップできます。
- [セットアップ]ボタンが非活性の場合
-
[アンセットアップ]ボタンをクリックして,一度アンセットアップします。そのあとで,再度セットアップしてください。
(c) HCSC簡易セットアップ画面の入力項目
HCSC簡易セットアップ画面は,[メイン]タブと[サーバ名称]タブで分けられます。[サーバ名称]タブでは,サーバ名やクラスタ名などの情報をセットアップ時に変更できます。
HCSC簡易セットアップ画面の入力項目について,HCSC簡易セットアップ機能で構築される環境内の各プロセスとの関連を用いて説明します。
HCSC簡易セットアップ画面を次の図に示します。
HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目は,次の図のように,構築される環境の各プロセスに設定されます。設定される値の関連を次の図に示します。
[DBあり/RMなしモデル],[DB/RMなしモデル],または[DB/RMありモデル]のどれを選択したかによって,設定する項目が異なります。図2-5の(n)で示されている設定値(HCSC簡易セットアップ画面での入力項目)の詳細を次の表に示します。
入力項目 |
説明 |
初期値※2 |
|||
---|---|---|---|---|---|
タブ |
分類 |
項番 |
HCSC簡易セットアップ画面の項目名※1 |
||
メイン |
モデル |
− |
DBあり/RMなしモデル |
データベースを使用し,Reliable Messagingを使用しない場合に選択します。 |
選択 |
− |
DB/RMなしモデル |
データベースとReliable Messagingの両方を使用しない場合に選択します。 |
− |
||
− |
DB/RMありモデル |
データベースとReliable Messagingの両方を使用する場合に選択します。 |
− |
||
組み込みデータベース |
(1) |
データ格納先 |
RDエリアを作成するディレクトリおよびシステムファイルを作成するディレクトリを指定します。2GB以上使用できるディレクトリを指定します。 存在しないディレクトリを指定した場合,指定したディレクトリが新規作成されます。 [DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ指定します。 |
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\DB\area |
|
(2) |
DB接続ポート番号 |
Management ServerまたはHCSCサーバから組み込みデータベースにアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。5001〜65535の整数で指定します。 [DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ指定します。 |
22200 |
||
Management Server |
(3) |
HCSCサーバ運用ポート番号 |
HCSC-ManagerからManagement Serverにアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
28099 |
|
(4) |
論理サーバ運用ポート番号 |
Smart Composerまたは運用管理ポータル画面からManagement Serverにアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
28080 |
||
(5) |
終了要求受信ポート番号(内部管理用) |
Management Serverが内部の管理用に利用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
28005 |
||
(6) |
内部通信ポート番号(内部管理用) |
Management Serverが内部の管理用に利用するポート番号(mserver.propertiesファイルのwebserver.connector.ajp13.portキー)を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
28009 |
||
(7) |
インプロセスネーミングサービスポート番号(内部管理用) |
Management Serverが内部の管理用に利用するポート番号(mserver.propertiesファイルのejbserver.naming.portキー)を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
28900 |
||
運用管理エージェント |
(8) |
エージェント接続ポート番号(内部管理用) |
Management Serverから運用管理エージェントにアクセスする場合に使用する内部管理用のポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
20295 |
|
J2EEサーバ |
− |
V9互換モード |
V9互換モードを使用する構成の場合に選択します。 |
− |
|
− |
推奨モード |
V9互換モードを使用しない構成の場合に選択します。 このモードを選択すると,HCSCサーバの[SOAP1.1/1.2併用モード]が選択された状態になります。 |
選択 |
||
HCSCサーバ |
− |
SOAP1.1モード |
SOAP1.1モードを使用する場合に選択します。 このモードを選択すると,J2EEサーバの[V9互換モード]が選択された状態になります。J2EEサーバで[推奨モード]を選択しているときは使用できません。 |
− |
|
− |
SOAP1.1/1.2併用モード |
SOAP1.1/1.2併用モードを使用する場合に選択します。 J2EEサーバで[推奨モード]を選択しているときは,このモードが選択された状態になります。 |
選択 |
||
(9) |
Webサービス/MDB(WS-R)受付ポート番号 |
サービスリクエスタから標準受付(WebサービスまたはMDB(WS-R)),またはユーザ定義受付にアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
80 |
||
(10) |
SessionBean受付ポート番号 |
Management ServerからHCSCサーバに,またはサービスリクエスタから標準受付(SessionBean)にアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
900 |
||
(11) |
MDB(DBキュー)受付ポート番号 |
サービスリクエスタから標準受付(MDB(DBキュー))にアクセスする場合に使用するポート番号を指定します。1024〜65535の整数で指定します。 [DB/RMありモデル]を選択した場合だけ指定します。 |
20351 |
||
(12) |
稼働確認ポート番号 |
HCSCサーバが内部の管理用に利用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
23152 |
||
(13) |
簡易Webサーバポート番号(内部管理用) |
HCSCサーバが内部の管理用に利用するポート番号を指定します。1〜65535の整数で指定します。 |
8080 |
||
(14) |
稼働情報取得時のリクエスト受付ポート番号(内部管理用) |
JMXクライアントによる稼働情報取得時のリクエスト受付のポート番号を0〜65535の整数で指定します。 |
23550 |
||
サーバ名称 |
サーバ名称の選択 |
− |
V7互換名称 |
HCSC簡易セットアップで構築するテスト環境の各種サーバ名称について,バージョン7と同じ名称を使用する場合に選択します。 |
− |
− |
HCSC本番環境簡易セットアップ名称 |
HCSC簡易セットアップで構築するテスト環境の各種サーバ名称について,HCSC本番環境簡易セットアップでセットアップする名称と同じ名称を使用する場合に選択します。 HCSC本番環境簡易セットアップについては,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「3.5 本番環境の簡易セットアップ」を参照してください。 |
選択 |
||
− |
カスタム名称 |
HCSC簡易セットアップで構築するテスト環境の各種サーバ名称について,任意の名称を指定する場合に選択します。 |
− |
||
サーバ名称 |
(15) |
論理J2EEサーバ名称 |
接続先のJ2EEサーバ名称を指定します。1〜128文字以内の半角英数字,アンダーバーおよびハイフンを指定します。 |
J2EEServer |
|
(16) |
論理PRF名称 |
HCSCサーバと連動して動作するPRFのサーバ名称を指定します。1〜128文字以内の半角英数字,アンダーバーおよびハイフンを指定します。 |
PRF |
||
− |
クラスタ名称 |
セットアップするHCSCサーバが属するクラスタの名称を指定します。クラスタ間で一意になるクラスタ名を指定します。1〜8文字以内の半角英数字およびアンダーバーを指定します。 |
Cluster |
||
(17) |
HCSCサーバ名称 |
セットアップするHCSCサーバの名称を指定します。1〜8文字以内の半角英数字およびアンダーバーを指定します。 |
HCSC |
||
(18) |
Manager名称 |
HCSC-ManagerがManagerを認識するためのHCSC-Manager独自の識別名を指定します。1つのリポジトリで複数のHCSCサーバを管理している場合,Manager(ホスト)単位に一意になる識別名を指定します。1〜16文字以内の半角英数字およびアンダーバーで指定します。 |
Manager |
(2) テスト環境のアンセットアップ
HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境をアンセットアップする場合の前提条件,およびアンセットアップ方法について説明します。
- 注意事項
-
HCSC簡易セットアップ機能を利用してアンセットアップすると,テスト環境はセットアップ前の状態に戻ります。テスト環境で利用していたサービスアダプタやビジネスプロセスなどは自動的に削除されるので,必要なデータは,アンセットアップ前に必ずバックアップを取得してください。
(a) 前提条件
テスト環境をアンセットアップするための前提条件を次に示します。
-
アンセットアップの対象が,HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境であること。
-
Management Server,および運用管理エージェントが起動していること。
-
HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択してテスト環境をセットアップした場合,組み込みデータベースのサービス部品が起動していること。
(b) アンセットアップ方法
テスト環境のアンセットアップには,HCSC簡易セットアップ画面を利用します。テスト環境のアンセットアップ方法を次に示します。
-
Windowsの[スタート]メニューから,[Cosminexus]−[テスト環境セットアップ]を選択します。
HCSC簡易セットアップ画面が表示されます。
-
HCSC簡易セットアップ画面の[アンセットアップ]ボタンをクリックします。
テスト環境のアンセットアップが開始されます。アンセットアップの状況は,HCSC簡易セットアップ画面のコンソールに表示されます。コンソールに「HCSC簡易セットアップ機能のアンセットアップを終了します」と表示されたら,テスト環境は正常にアンセットアップされています。