8.6.5 デフォルトマッピング(単方向のリレーションシップ)
単方向のリレーションシップには,Single-ValuedリレーションシップとMulti-Valuedリレーションシップがあります。それぞれのリレーションシップについて説明します。
-
単方向のSingle-Valuedリレーションシップ
単方向のSingle-Valuedリレーションシップとは,単体のインスタンスを参照し,所有者だけが存在するリレーションシップのことです。
単方向Single-Valuedリレーションシップには,単方向のOneToOneリレーションシップと単方向のManyToOneリレーションシップがあります。
-
単方向のMulti-Valuedリレーションシップ
単方向のMulti-Valuedリレーションシップとは,コレクションの形でエンティティを参照し,所有者だけが存在するリレーションシップのことです。
単方向Multi-Valuedリレーションシップには,単方向のOneToManyリレーションシップと単方向のManyToManyリレーションシップがあります。
ここでは,単方向のリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
(1) 単方向のSingle-Valuedリレーションシップ
単方向のOneToOneリレーションシップと単方向のManyToOneリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
(a) 単方向のOneToOneリレーションシップ
次に示す条件の場合に適用される単方向のOneToOneリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
- 条件
-
-
エンティティAは,エンティティBの単体のインスタンスを参照して,@OneToOne(または,O/Rマッピングファイルで該当するXMLタグ)を設定します。
-
エンティティBからは,エンティティAを参照しません。
-
エンティティAがリレーションシップの所有者となります。
-
- 適用されるデフォルトマッピング
-
-
エンティティAは,テーブルAにマップされます。
-
エンティティBは,テーブルBにマップされます。
-
テーブルAは,テーブルBに対する外部キーを持つ必要があります。外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAのリレーションシップのプロパティ(または,フィールド)の名前_テーブルBのプライマリキー列の名前
注 斜体は可変値を表します。
外部キー列は,テーブルBのプライマリキーと同じ型を持ち,ユニークキー制約です。
図8‒9 単方向のOneToOneでのデフォルトマッピング -
(b) 単方向のManyToOneリレーションシップ
次に示す条件の場合に適用される単方向のManyToOneリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
- 条件
-
-
エンティティAは,エンティティBの単体のインスタンスを参照し,@ManyToOne(または,O/Rマッピングファイルで該当するXMLタグ)を設定します。
-
エンティティBからは,エンティティAを参照しません。
-
- 適用されるデフォルトマッピング
-
-
エンティティAは,テーブルAにマップされます。
-
エンティティBは,テーブルBにマップされます。
-
テーブルAは,テーブルBに対する外部キーを持つ必要があります。外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAのリレーションシップのプロパティ(またはフィールド)の名前_テーブルBのプライマリキー列の名前
注 斜体は可変値を表します。
外部キー列は,テーブルBのプライマリキーと同じ型を持つ必要があります。
図8‒10 単方向のManyToOneでのデフォルトマッピング -
(2) 単方向のMulti-Valuedリレーションシップ
単方向のOneToManyリレーションシップと単方向のManyToManyリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
(a) 単方向のOneToManyリレーションシップ
次に示す条件の場合に適用される単方向のOneToManyリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
- 条件
-
-
エンティティAは,エンティティBのコレクションを参照します。コレクションに@OneToMany(または,O/Rマッピングファイルで該当するXMLタグ)を設定します。
-
エンティティBからは,エンティティAを参照しません。
-
エンティティAがリレーションシップの所有者です。
-
- 適用されるデフォルトマッピング
-
-
エンティティAは,テーブルAにマップされます。
-
エンティティBは,テーブルBにマップされます。
-
テーブルA,Bのほかに,所有者側のテーブルの名前が最初にくるA_Bという名前の結合表が必要となります。この結合表は,二つの外部キー列を持ちます。
一つ目の外部キー列は,テーブルAを参照し,テーブルAのプライマリキーと同じ型を持ちます。この外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAの名前_テーブルAのプライマリキー列の名前
また,もう一つの外部キー列は,テーブルBを参照し,テーブルBの外部キーと同じ型を持ち,ユニークキー制約があります。この外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAのリレーションシッププロパティ(またはフィールド)の名前_テーブルBのプライマリキー列の名前
注 斜体は可変値を表します。
- 注意事項
-
この例のような結合表を使用した単方向のOneToManyリレーションシップは,CJPAプロバイダ以外のJPAプロバイダではサポートされていない可能性があります。単方向のOneToManyリレーションシップで作成したアプリケーションをCJPAプロバイダ以外のJPAプロバイダで動作させる場合は注意してください。
-
(b) 単方向のManyToManyリレーションシップ
次に示す条件の場合に適用される単方向のManyToManyリレーションシップのデフォルトマッピングについて説明します。
- 条件
-
-
エンティティAは,エンティティBのコレクションを参照します。コレクションに@ManyToMany(または,O/Rマッピングファイルで該当するXMLタグ)を設定します。
-
エンティティBは,エンティティAを参照しません。
-
所有者はエンティティAです。
-
- 適用されるデフォルトマッピング
-
-
エンティティAは,テーブルAにマップされます。
-
エンティティBは,テーブルBにマップされます。
-
テーブルA,Bのほかに,所有者側のテーブルの名前が最初にくるA_Bという名前の結合表が必要となります。この結合表は,二つ外部キー列を持ちます。
外部キー列の一つは,テーブルAを参照し,テーブルAの外部キーと同じ型を持ちます。この外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAの名前_テーブルAのプライマリキーの名前
また,もう一つの外部キー列は,テーブルBを参照し,テーブルBのプライマリキーと同じ型を持ちます。外部キー列の名前は,次のようになります。
外部キー列の名前
エンティティAのリレーションシップのプロパティ(またはフィールド)の名前_テーブルBのプライマリキーの名前
注 斜体は可変値を表します。
図8‒12 単方向ManyToManyでのデフォルトマッピング
-