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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編


10.3.3 Version 11への移行とV9互換モードについて

Version 11ではJava EE 7の新機能に対応するために大幅な機能の変更をしています。

Version 11の新機能を使用するシステム向けに09-87からの変更点を説明する移行ガイドも提供しています。09-87からVersion 11に移行する場合は,「12. V9からVersion 11への移行」を参照してください。

また,Version 11の新機能は使用しないでVersion 9以前からの互換性を重視するシステム向けや,uCosminexus Service Platformのユーザ向けに,アプリケーションサーバの動作を09-87の仕様に戻す「V9互換モード」を提供しています。

詳しくはマニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「第2編 V9互換モード」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) Version 11の主な新機能

Version 11の主な新機能を次の表に示します。

表10‒11 Version 11の主な新機能

分類

機能名

マニュアル参照先

Webコンテナ

JSF 2.2対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

3. JSFおよびJSTLの利用

JAX-RS 2.0対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

4. JAX-RS 2.0の利用

WebSocket 1.0対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

5. WebSocket

NIO HTTPサーバ機能

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

7. NIO HTTPサーバ

非同期サーブレット対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

8. サーブレットおよびJSPの実装

Servlet 3.1対応

コンテナ共通機能

JPA 2.1対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

6. JPA 2.1の利用

CDI 1.2対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

9. アプリケーションサーバでのCDIの利用

Bean Validation 1.1対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

10. アプリケーションサーバでのBean Validationの利用

Java Batch 1.0対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

11. Java Batch

JSON-P 1.0対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

12. JSON-P

Concurrency Utilities for Java EE 1.0対応

アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

13. Concurrency Utilities

(2) 旧バージョンとの互換のための機能

旧バージョンとの互換のための機能を次の表に示します。

表10‒12 旧バージョンとの互換のための機能

分類

機能名

V9互換モードでの使用可否

推奨モードでの使用可否

推奨モードでの代替機能

Webコンテナ

HTTPレスポンス圧縮機能

×

Webアプリケーション側でFilterとして実装してください。

Webサーバ連携機能(リダイレクタ機能)

×

HTTP Serverのリバースプロキシ機能と,J2EEサーバのNIO HTTPサーバ機能を組み合わせることで代替できます。

ただし,次の機能は代替できません。

  • ラウンドロビン方式によるリクエストの振り分け

  • POSTデータサイズでのリクエストの振り分け

  • Webコンテナへのゲートウェイ情報の通知

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(Webコンテナ)」 の「7. NIO HTTPサーバ」,およびマニュアル「HTTP Server」を参照してください。

インプロセスHTTPサーバ機能

×

NIO HTTPサーバ機能で代替できます。

ただし,次の機能は代替できません。

  • リダイレクトによるリクエストの振り分け

  • 有効なHTTPメソッドの制限によるアクセス制御

  • エラーページのカスタマイズ

  • Webコンテナへのゲートウェイ情報の通知

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(Webコンテナ)」の「7. NIO HTTPサーバ」を参照してください。

コンテナ共通機能

JPAコンテナ機能(11-00の場合)

×

次のAPIを使用してアプリケーション管理の永続化ユニットを取得してください。

  • javax.persistence.PersistenceクラスのcreateEntityManagerFactoryメソッド

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(コンテナ共通機能)」の「6. JPA 2.1の利用」を参照してください。

JPAコンテナ機能

(11-10以降の場合)

CJPAプロバイダ機能

×

JPA 2.1対応のJPAプロバイダで代替できます。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(コンテナ共通機能)」の「6. JPA 2.1の利用」を参照してください。

クラスタコネクションプール機能

Oracle RACの機能で代替できます。

Webサービス機能

JAX-RS機能(JAX-RS 1.1)

×

JAX-RS 2.0で代替できます。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(Webコンテナ)」の「4. JAX-RS 2.0の利用」を参照してください。

(凡例)

○:使用できます。

△:使用できますが,互換機能のため推奨しません。

×:使用できません。

(3) Version 11で非サポートとなった機能

Version 11で非サポートとなった機能を次の表に示します。

表10‒13 Version 11で非サポートとなった機能

分類

機能名

代替機能

拡張機能

EADsセッションフェイルオーバー機能

データベースセッションフェイルオーバ機能を使用してください。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「6. データベースセッションフェイルオーバ機能」を参照してください。

互換機能

ベーシックモード

J2EEサーバを使用してください。

サーブレットエンジンモード (Webコンテナサーバ)

J2EEサーバを使用してください。

簡易Webサーバ機能

NIO HTTPサーバ機能を使用してください。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発機能編(Webコンテナ)」の「7. NIO HTTPサーバ」を参照してください。

EJBクライアントアプリケーションのログのサブディレクトリ専有モード

デフォルトのサブディレクトリ共有モードを使用してください。

メモリセッションフェイルオーバ機能

データベースセッションフェイルオーバ機能を使用してください。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「6. データベースセッションフェイルオーバ機能」を参照してください。

複数の構築済み実行環境の切り替え

なし

J2EEアプリケーションのテスト機能

なし

JSP1.1仕様およびJSP1.2仕様に準拠したJSPソースのチェック(cjjsp2java)

なし

セキュリティ管理機能

セッションフェイルオーバ機能を使用したログイン状態の引き継ぎ

データベースセッションフェイルオーバ機能を使用してください。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「6. データベースセッションフェイルオーバ機能」を参照してください。

コマンド

Management Serverで使用するコマンド(旧バージョンとの互換用のコマンド)

  • cmx_define_applicationコマンド

  • cmx_deploy_applicationコマンド

  • cmx_register_applicationコマンド

  • cmx_start_applicationコマンド

  • cmx_stop_applicationコマンド

  • cmx_undefine_applicationコマンド

  • cmx_undeploy_applicationコマンド

  • cmx_unregister_applicationコマンド

  • cmx_define_resourceコマンド

  • cmx_deploy_resourceコマンド

  • cmx_register_resourceコマンド

  • cmx_start_resourceコマンド

  • cmx_stop_resourceコマンド

  • cmx_undefine_resourceコマンド

  • cmx_undeploy_resourceコマンド

  • cmx_unregister_resourceコマンド

  • cmx_add_serverrefコマンド

  • cmx_delete_serverrefコマンド

J2EEサーバのコマンドを使用してください。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2. J2EEサーバで使用するコマンド」を参照してください。