19.5.1 N:1リカバリシステムの設定手順
ここでは,システムの構成例とシステムの設定手順について説明します。また,実行系を追加または削除する場合の設定手順についても説明します。
(1) システムの構成例
N:1リカバリシステムの構成例を次の図に示します。なお,以降の項では,このシステムの構成例を使用したシステムの構築例を示します。
この例の概要を次に示します。
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4台の実行系サーバと1台のリカバリ専用サーバを配置しています。4台の実行系のJ2EEサーバの構成はJ2EEアプリケーションとリソースアダプタの設定が均質な構成とします。違いはエイリアスIPアドレスとマウントする共有ディスクデバイスです。
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実行系と待機系で,J2EEサーバは同じ名称にします。ここでは,実行系で「MyServer」というJ2EEサーバを配置しているため,待機系にも「MyServer」というJ2EEサーバを配置します。
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Management Serverの運用管理ポータルを利用してシステムを構築,運用管理します。
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実行系では運用管理エージェントを動作させます。待機系では運用管理エージェントを動作させません。
なお,N:1リカバリシステムを運用する場合は,次の条件を満たすアプリケーションサーバを構築してください。
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OTSを使用したグローバルトランザクションを使用します。トランザクションのステータスファイルは共有ディスク装置に格納します。
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ネーミングサービスはインプロセスで動作させます。
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待機系のJ2EEサーバには,実行系のJ2EEサーバで使用しているすべてのリソースアダプタと同じ設定のリソースアダプタをインポート,およびデプロイします。
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N:1リカバリ構成の場合,一つのクラスタ内に複数の仮想ホストを構築します。仮想ホストは実行系とリカバリ専用サーバの組で構成し,J2EEサーバをクラスタ構成で配置します。N:1リカバリ構成の場合,J2EEサーバはクラスタ内ではなく,仮想ホスト内で動作します。このため,仮想ホストのIPアドレスおよびホスト名を設定してください。
アプリケーションサーバをクラスタ構成に配置するためには,エイリアスIPアドレスを設けて,稼働中のノードがエイリアスIPアドレスを引き継ぐことで,クライアントがクラスタ内のノードを意識しないようにします。N:1リカバリ構成の場合,エイリアスIPアドレスは,仮想ホストのIPアドレスとなります。N:1リカバリ構成での仮想ホストの構成例を次に示します。
図19‒7 N:1リカバリ構成での仮想ホストの構成例
(2) システムの設定手順
HAモニタと連携する場合には,運用管理ポータルやHAモニタのファイルの設定などが必要になります。N:1リカバリシステムの設定手順を次の図に示します。
図中の1.〜9.について説明します。
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共有ディスクにN個のパーティションを作成して,ファイルシステムを構築します。
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システムに共有ディスクを割り当てます。
システムに共有ディスクを割り当てる際は,現用系と予備系で,同じマウント先ディレクトリにしてください。
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運用管理ポータルでクラスタサーバの環境を設定します。
運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」,「運用管理ドメインの構成定義」,および「論理サーバの環境設定」で,HAモニタを使用する場合の設定をします。詳細は,「19.5.2 クラスタサーバの環境設定」を参照してください。
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設定ファイルを編集します。
運用管理エージェントやManagement Server,HTTP Serverなどの各種定義ファイルを設定します。詳細は,「19.5.3 設定ファイルの編集」を参照してください。
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HAモニタの環境を設定します。
HAモニタのsysdefファイルで,HAモニタの環境を定義します。詳細は,「19.5.4 HAモニタの環境設定」を参照してください。
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シェルスクリプトファイルを作成します。
運用管理エージェントを監視,アプリケーションサーバ上の論理サーバを起動,停止するためのシェルスクリプトファイルを作成します。詳細は,「19.5.5 シェルスクリプトファイルの作成」を参照してください。
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サーバ対応の環境を設定します。
HAモニタのserversファイルで,系で稼働させる現用系サーバや予備系サーバの環境を定義します。詳細は,「19.5.6 サーバ対応の環境設定」を参照してください。
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LANの状態を設定します。
HAモニタのLANの状態設定ファイルで,LANアダプタのIPアドレスなどを指定してHAモニタでのLANの切り替えについて定義します。詳細は,「19.5.7 LANの状態設定」を参照してください。
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運用管理ポータルとHAモニタのコマンドで,アプリケーションサーバの設定をします。
運用管理ポータル,HAモニタのコマンドを使用して,アプリケーションサーバをクラスタ構成に配置し,J2EEアプリケーションやリソースアダプタを設定します。詳細は,「19.5.8 アプリケーションサーバの設定」を参照してください。
- 参考
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N:1リカバリシステムで,待機系でのリカバリ処理がデータベースサーバの障害(サーバダウンやデッドロックなど)によってタイムアウトした場合は,手動でリカバリを実行する必要があります。
タイムアウトの原因を解消したあと,待機系のホストで,停止した実行系のホストに対応するmonbeginコマンドを実行し,停止した実行系のホストに対応するmonactコマンドを実行します。
N:1リカバリシステムでトラブルが発生した場合については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.5.8 N:1リカバリシステムでトラブルが発生した場合」を参照してください。
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N:1リカバリシステムで設定が必要なファイルは,実行系と待機系で異なります。N:1リカバリシステムでのファイルの設定の要否を次の表に示します。
(3) 実行系を追加または削除する場合の設定手順
N:1リカバリシステムで,1台の実行系を追加または削除(縮退)する場合の設定手順を次に示します。
- 1台の実行系を追加する場合
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追加する実行系で,マウントディレクトリを作成します。
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待機系のserversファイルに追加する実行系に対応したエントリを追加します。
なお,追加する実行系に対応したエントリがすでに存在する場合はこの手順は不要です。
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待機系で,追加した実行系に対応するmonbeginコマンドを実行します。
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実行系で,monbeginコマンドを実行します。
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運用管理ポータルを利用して,追加する実行系にアプリケーションサーバの実行環境を構築します。
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運用管理ポータルを使用して,一括起動で実行系のアプリケーションサーバを起動します。
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- 1台の実行系を削除する場合
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実行系で,monendコマンドを実行します。
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