5.4.3 負荷分散機を利用したサービス閉塞
ここでは,負荷分散機を利用したサービス閉塞の実行方法について説明します。負荷分散機を利用したサービス閉塞は,Webフロントシステムの場合に,負荷分散機を利用しているときに実行できます。負荷分散機を利用したサービスの閉塞には,次の二つの方法があります。
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通常のサービス閉塞
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サービス部分閉塞
ぞれぞれの実行方法について説明します。
- ポイント
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負荷分散機を利用したサービス閉塞は,Smart Composer機能で負荷分散機を管理していない場合に使用します。Smart Composer機能で負荷分散機を管理している場合のサービス閉塞は,cmx_stop_targetコマンドを使用します。cmx_stop_targetコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 通常のサービス閉塞
負荷分散機を利用した通常のサービス閉塞は,次のどちらかの方法で実行します。
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負荷分散機のリクエストの振り分け先を変更する
通常使用するWebサーバのほかにサービス閉塞用のWebサーバを用意しておいて,サービス閉塞するタイミングでリクエストの振り分け先をサービス閉塞用のWebサーバに切り替える方法です。サービス閉塞用のWebサーバには,エラーページ表示の設定などをしておきます。
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負荷分散機を停止する
負荷分散機を停止して,リクエストの受け付けを停止する方法です。すでにWebサーバに送られたリクエストはそのまま実行されます。
なお,サービス閉塞を解除する場合は,リクエストの振り分け先を再度変更するか,または負荷分散機を起動します。
手順については,ご使用の負荷分散機の使用方法に従ってください。
(2) 負荷分散機を利用したサービス部分閉塞
リクエストを受け付けるWebサーバ,およびリクエストを実行するJ2EEサーバを負荷分散機を使用して冗長化している構成の場合,サービス全体を停止させないで,サービスを構成する一部のWebアプリケーションだけを停止できます。この閉塞方法を,サービス部分閉塞といいます。
なお,Webアプリケーションのサービス部分閉塞ができるのは,次のような構成のシステムです。
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負荷分散機を使用したシステム
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WebサーバとJ2EEサーバが冗長化されていて,WebサーバとJ2EEサーバが1:1または1:Nの構成であること(Nは1以上の整数)
Webアプリケーションのサービス部分閉塞は,負荷分散機によるリクエストの振り分け先を変更して,サービスを閉塞する系にリクエストを振り分けないことで実現できます。実行方法については,負荷分散機の使用方法を確認してください。
- ポイント
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負荷分散機によってサービス部分閉塞を実行する場合,停止するWebサーバに対して作成されたセッションを使用したリクエストについては,セッションが切断されます。この場合,稼働中のWebサーバに対してセッションを接続し直す必要があります。ただし,セッションフェイルオーバ機能を使用している場合は,セッションの一部の情報を引き継げます。セッションフェイルオーバ機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「5. J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎ」を参照してください。