4.3.5 使用上の注意
APIトレースを取得するときは,次の点に注意してください。
- APIトレースファイルの最大個数
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APIトレースファイルはプロセス当たり最大128個生成されます。この個数を超えた場合,イベントログまたはsyslogにメッセージKFCB30401-Wが出力されます。このメッセージが出力されたプロセスのAPIトレースは取得されません。
- APIトレースファイル解析コマンドの発行タイミング
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取得したAPIトレースは原則的にアプリケーションプログラムの停止後に解析するものとし,アプリケーションプログラム実行中の解析結果は保証されません。ただし,アプリケーションプログラム実行中に解析しても,アプリケーションプログラムに影響はありません。
- APIトレース取得対象オブジェクト
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削除されたオブジェクトに対するAPIコールには例外が発生しますが,この例外に関するAPIトレースは取得できません。また,Resource,SubtransactionAwareResource,Synchronization,およびRecoveryCoordinatorオブジェクトではAPIトレースは取得されません。
- APIトレースが取得されるプロセス
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APIトレースは,呼び出されたオブジェクトを作成したプロセスで取得されます。
例えば,次の図に示すような構成の明示的プロパゲーション時のインターポジションでは,サーバによるget_coordinatorオペレーションの呼び出しは,クライアントで作成されたControlオブジェクトに対して行われるため,APIトレースはクライアントプロセスで取得されます。同様に,get_txcontextオペレーションの呼び出しもクライアントプロセスで取得されます。
図4‒1 サーバでのAPIコールがクライアントで取得される例