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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド


2.5.3 アプリケーションプログラムとのリンクを設定する

アプリケーションプログラムの実行形式ファイルを作成するときに,トランザクション制御用オブジェクトファイルまたはトランザクション制御用共用ライブラリを作成し,リソースマネージャのライブラリとオブジェクトモジュールをリンクさせる必要があります。リソースマネージャのライブラリとオブジェクトモジュールについては,使用するリソースマネージャのマニュアルを参照してください。

〈この項の構成〉

(1) オブジェクトファイルを作成する

トランザクション制御用オブジェクトファイルは,tsmkobjコマンドを入力して作成します。またはtslnkrmコマンドで作成される標準トランザクション制御用オブジェクトファイルを使用することもできます。tsmkobj,tslnkrmコマンドの詳細については,「9.3 運用コマンドの詳細」を参照してください。

(2) オブジェクトファイルとのリンクを設定する

(a) すべてのリソースマネージャにアクセスする場合

TPBrokerに登録されているすべてのリソースマネージャにアクセスするアプリケーションプログラムの場合は,TPBrokerが提供する標準トランザクション制御用共用ライブラリまたは標準トランザクション制御用オブジェクトファイル($TPSPOOL/XA/tp_allrm.o)をリンクします。

標準トランザクション制御用共用ライブラリを使用する場合は,$TPSPOOL/XA/tp_xaobj.oもアプリケーションプログラムとリンクする必要があります。標準トランザクション制御用共用ライブラリは,tslnkrmコマンドを実行するたびにアップデートされますが,再びアプリケーションプログラムとリンクする必要はありません。

標準トランザクション制御用オブジェクトファイル(tp_allrm.o)は,tslnkrmコマンドを実行するたびにアップデートされるので,リソースマネージャの登録または削除をした場合には,再びアプリケーションプログラムとリンクする必要があります。

(b) 一部のリソースマネージャにアクセスする場合

TPBrokerに登録されているリソースマネージャのうち,一部のリソースマネージャだけにアクセスするアプリケーションプログラムの場合は,tsmkobjコマンドで新たな標準トランザクション制御用共用ライブラリと標準トランザクション制御用オブジェクトファイルを作成して,それらのどちらかとアプリケーションプログラムをリンクします。

(c) リソースマネージャを登録または削除した場合

TPBrokerに新たにリソースマネージャを登録した場合,およびリソースマネージャを削除した場合は,そのリソースマネージャを含んだ標準トランザクション制御用オブジェクトファイルとリンクしているアプリケーションプログラムを,再びリンクする必要があります。

標準トランザクション制御用共用ライブラリとリンクしているアプリケーションプログラムは,再びリンクする必要はありません。

(d) リソースマネージャにアクセスしない場合

トランザクション内でリソースマネージャにアクセスしないアプリケーションプログラムの場合,TPBrokerが提供している$TPSPOOL/XA/tp_crm.oとリンクする必要があります。このオブジェクトファイルとリンクしていない場合,トランザクションサービスの機能は使用できません。