Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

9.3.5 ファイルイベント連携に関する実行環境の設定

実行環境での,ファイルイベント連携機能に関する設定について説明します。

<この項の構成>
(1) ファイルイベント受付の定義ファイルの作成
(2) 同時実行スレッド数の制御の設定

(1) ファイルイベント受付の定義ファイルの作成

ファイルイベント受付で,実行環境に依存する定義を設定する場合,ファイルイベント受付コンフィグファイル,およびファイルイベント受付共通コンフィグファイルを使用します。詳細を次の表に示します。

表9-2 実行環境で設定するファイルイベント受付の定義ファイル

ファイルの種類 ファイル名 説明
ファイルイベント受付コンフィグファイル <ファイルイベント受付の受付ID>.properties ファイルイベント受付のコンフィグファイルです。ファイルイベントトレースの設定などを定義できます。
ファイルイベント受付共通コンフィグファイル fileeventrecp_config.properties すべてのファイルイベント受付で共通して定義できるファイルイベント受付コンフィグファイルです。

複数のファイルイベント受付で共通の定義値を設定する場合は,各ファイルイベント受付のファイルイベント受付コンフィグファイルではなく,ファイルイベント受付共通コンフィグファイルに設定します。これによって,すべてのファイルイベント受付に対してプロパティ値を有効にできます。

ファイルイベント受付コンフィグファイル,およびファイルイベント受付共通コンフィグファイルに同一のプロパティを設定している場合は,ファイルイベント受付コンフィグファイルのプロパティの設定が有効になります。有効になるプロパティは,プロパティ単位で判定されます。

ファイルイベント受付コンフィグファイルおよびファイルイベント受付共通コンフィグファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「ファイルイベント受付コンフィグファイル」,および「ファイルイベント受付共通コンフィグファイル」を参照してください。

(2) 同時実行スレッド数の制御の設定

HCSCサーバランタイム定義のfileevent-reception.monitored-file.enabledプロパティにtrueが設定され,ファイル監視機能が有効になっている場合,ファイル監視機能のためにスレッドが生成されます。ファイル監視機能のためのスレッドは,1つだけ生成されます。同時実行数の設定はできません。

また,ファイルイベント受付単位でファイルイベントを処理するスレッドが生成されます。生成されたスレッドは,スレッドプールで管理されます。常駐するスレッドは,ファイルイベント受付起動時に生成されます。常駐するスレッドの数(以降,常駐スレッド数と呼びます)はファイルイベント受付定義ファイルのurecp-fileevent.thread-pool.minimumプロパティで設定できます。

常駐スレッド数を超える数のファイルイベントが通知された場合は,ファイルイベントを処理するときにスレッドが一時的に追加生成されます。

ファイルイベント受付の処理のために生成されるスレッドの最大数(常駐スレッド数+追加生成されたスレッド数)は,ファイルイベント受付定義ファイルのurecp-fileevent.thread-pool.maximumプロパティで設定できます。なお,常駐スレッド数と最大スレッド数を同じ値に設定した場合,スレッドは追加生成されません。

ファイルイベント受付定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「ファイルイベント受付定義ファイル」を参照してください。

ファイルイベント連携機能で使用するスレッドの例を次の図に示します。

図9-10 ファイルイベント連携機能で使用するスレッドの例

[図データ]

図中の1.〜3.について説明します。

  1. ファイル監視機能のスレッドは,HCSCサーバの起動時に生成され,HCSCサーバ停止まで常駐します。
  2. ファイルイベント受付の処理は,スレッドプール内のスレッドで実行されます。
    スレッドプールは,ファイルイベント受付単位に存在します。
  3. ファイルイベント受付の処理終了後に,ファイルイベント受付が使用したスレッドがスレッドプールに戻されます。