Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説
障害からの回復を容易にするために,FTP連携では次の方針でトランザクションを設計します。
正常終了や異常終了などのFTPクライアントへの応答内容と,ビジネスプロセスの処理ステータスと同期をとるために,EJBのトランザクションを利用したトランザクション管理をします。
トランザクションの範囲をファイル転送パターンごとに説明します。
同期型のビジネスプロセスの場合のトランザクション範囲を図に示します。
なお,同期型のビジネスプロセスを利用したファイル転送パターンについては,「8.3.1(1) 同期型ビジネスプロセスを利用したファイル転送の流れ」および「8.3.2 FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送」を参照してください。
図8-55 同期型のビジネスプロセスの場合(FTPクライアントからFTPサーバへのファイル転送のとき)
図8-56 同期型のビジネスプロセスの場合(FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送のとき)
非同期型のビジネスプロセスの場合のトランザクション範囲を図に示します。
なお,非同期型のビジネスプロセスを利用したファイル転送パターンについては,「8.3.1(2) 非同期型ビジネスプロセスを利用したファイル転送の流れ」を参照してください。
図8-57 非同期型のビジネスプロセスの場合
FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送の場合の,トランザクション範囲を図に示します。
なお,FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送パターンについては,「8.3.3 FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送」を参照してください。
図8-58 FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送の場合(HCSCサーバ内の共通フォルダにファイルを転送するとき)
図8-59 FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送の場合(HCSCサーバ内の共通フォルダからファイルを取得するとき)
図8-60 FTPクライアントから別のFTPクライアントへのファイル転送の場合(HCSCサーバ内の共通フォルダのファイルを直接参照するとき)
FTP連携では,障害が発生した場合,処理結果とファイルの状態を一致させるために各コンポーネントが出力ファイルを削除します。
FTP連携の各処理と,対応するコンポーネントの処理を次の表に示します。
表8-39 FTP連携でのファイルの取り扱い
処理 | コンポーネント | 想定される障害要因 | 障害時のファイルの扱い | |
---|---|---|---|---|
入力ファイル | 出力ファイル | |||
FTPクライアントからのファイル送信 | FTP受付 |
|
− | 削除 |
FTPクライアントからのファイル受信 | FTP受付 |
|
処理前の状態を保証 | − |
FTPサーバへのファイル送信 | FTPアダプタ |
|
処理前の状態を保証 | − |
FTPサーバからのファイル受信 | FTPアダプタ |
|
− | 削除 |
ファイル変換 | ファイル操作アダプタ |
|
処理前の状態を保証 | 削除 |
ファイル複写 | ファイル操作アダプタ |
|
処理前の状態を保証 | 削除 |
なお,次の要因でファイルの削除が正常に終了しない場合は,システムを再起動してください。※1※2
1つのファイル転送処理全体を1フェーズのトランザクションと考えるには,更新されるリソースは1つと見なす必要があります。FTP連携では,複数のリソース更新の同期を合わせるための2フェーズ・コミットはできません。そのため,ビジネスプロセス設計時に,次のことを考慮する必要があります。
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