Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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2.2.4 Webサービス(SOAP通信)の場合のCookie情報

ビジネスプロセスからSAP ERP 6.0上のサービスを呼び出す場合,更新系の処理によって返却されたCookie情報を引き継ぐ必要があります。SAP ERP 6.0以外のサービスを呼び出す場合,Cookie情報の引き継ぎは不要です。

SAP ERP 6.0上のサービスを呼び出す場合で,Cookie情報を引き継ぐには,HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティの指定によって,Cookie情報の引き継ぎを有効にする方法と,ビジネスプロセスのヘッダ割当変数にHTTPヘッダ名を設定する方法があります。ビジネスプロセスのヘッダ割当変数にHTTPヘッダ名を設定する方法の詳細については,「2.2.5 Webサービス(SOAP通信)の場合のHTTPヘッダ引き継ぎ」を参照してください。

Cookie情報の引き継ぎの流れを次の図に示します。

図2-15 SAP ERP 6.0のサービス呼び出しでのCookie情報の引き継ぎ

[図データ]

Cookie情報としてサービス部品が発行するSet-Cookieヘッダの情報が引き継がれます。

次に示すCookie情報の引き継ぎ条件をすべて満たす場合は,Set-Cookieヘッダの属性がCookieヘッダに設定されます。

条件を満たさない場合は,Cookieヘッダに何も設定されません。

Cookie情報の引き継ぎ範囲,引き継ぎ条件,およびログ出力について説明します。また,Cookie情報の引き継ぎに関する注意事項を示します。

<この項の構成>
(1) Cookie情報の引き継ぎ範囲
(2) Cookie情報の引き継ぎ条件
(3) ログ出力
(4) 注意事項

(1) Cookie情報の引き継ぎ範囲

Cookie情報を引き継ぐビジネスプロセスの範囲を次に示します。

  1. 初回のサービス呼び出しから,受付アクティビティおよび応答アクティビティを実行するまで
  2. 初回のサービス呼び出しから,ビジネスプロセスインスタンスが終了するまで

1.の範囲では,次に示す場合でもCookie情報が引き継がれます。

ただし,次の場合は引き継ぎ範囲に関係なく,Cookie情報は引き継がれません。

(2) Cookie情報の引き継ぎ条件

サービス部品を呼び出すときの情報と呼び出し先の情報に関して,次に示す条件をすべて満たす場合にCookie情報が引き継がれます。

注意事項
  • Cookie情報の引き継ぎは,SAP ERP 6.0のSet-Cookieヘッダ仕様の「path属性」によって判断されます。ただし,SOAP通信基盤(SOAP1.1モード)を使用する場合は,「path属性」は考慮されないで,「ホスト名:ポート番号」だけが考慮されます。ポート番号が指定されていない場合はホスト名が考慮されます。
  • Set-Cookieヘッダにpath属性が含まれていない場合は,デフォルト値として「path=/」が設定されます。
  • 次の例のように,Set-Cookieヘッダに属性名が「path」の属性が複数設定されている場合は,path属性に「path=/」が設定されたものとして動作します。
    (例)
     Set-Cookie: NAME=value; path=/sap/aaa; path=/sap/bbb
  • 複数の異なるpath属性値を持つCookie情報をHTTPヘッダに設定する場合,Set-Cookieの読み込み順序に依存しないで,path属性値が詳細な順にHTTPヘッダに設定されます。
    例えば,次のSet-Cookieヘッダを受け取った場合,HTTPヘッダには「cookie:NAME3=value3; NAME2=value2; NAME1=value1」が設定されます。
    (例)
     Set-Cookie: NAME1=value1; path=/
     Set-Cookie: NAME2=value2; path=/sap
     Set-Cookie: NAME3=value3; path=/sap/aaa

(3) ログ出力

HCSCサーバランタイム定義ファイルのmethodtrace-levelプロパティに「2」以上の値を設定した場合に,メソッドトレースにログが出力されます。

(4) 注意事項

(a) サポートしていない仕様および属性について
(b) バージョン属性について