Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説
ビジネスプロセスとは,複数のサービスの処理の順番や条件などを定義して,一連の業務の流れとして定義したものです。
画面で定義したビジネスプロセスはBPELとして記述されます。
ビジネスプロセスの作成に利用する画面の例を次の図に示します。
図1-4 ビジネスプロセスを作成する画面の例
ビジネスプロセスを作成する画面では,アクティビティと,アクティビティ同士の関係を規定する連結線,および変数・相関セットを利用してビジネスプロセスを定義します。
アクティビティとは,ビジネスプロセスの構成要素となる部品であり,処理の構造も表現したものです。複数のアクティビティを連結して,ビジネスプロセスのフローを規定します。ビジネスプロセスは,アクティビティを画面上で配置・連結して定義します。
また,ビジネスプロセスと各アクティビティには,変数と相関セットを定義できます。
変数は,ビジネスプロセスの処理の中で,条件式の項の値などに変数値を利用する場合に宣言します。
相関セットは,サービスリクエスタから送信された要求電文を一意に識別するために利用する文字列です。
なお,すでに作成されているビジネスプロセスを流用して,新たなビジネスプロセスを作成する場合には,既存のビジネスプロセスを複製して使用することもできます。
さらに,サービスプラットフォームでは,ビジネスプロセスを作成するときに,ビジネスプロセスの実行状態の管理を設定できます。また,より高度なビジネスプロセスとして,複数のビジネスプロセスを階層化したビジネスプロセスを作成できます。
ビジネスプロセスを新規追加する時には,実行環境でのビジネスプロセスの実行状態を管理するかどうか設定する機能があります。
ビジネスプロセスの実行状態の管理を設定すると,ビジネスプロセスの実行途中に障害が発生した場合に,ビジネスプロセスのどの段階で障害が発生し,どこまでが実行されたのか把握できます。停止したビジネスプロセスの状況を把握することで,ビジネスプロセス内の特定の処理から再度実行できます。
ビジネスプロセスの実行状態の管理については,「1.3.4 実行履歴の管理機能」を参照してください。
なお,ビジネスプロセスの実行状態を管理するかどうかが選択できるので,処理の速度などの性能を重視するビジネスプロセスでは,ビジネスプロセスの実行状態を管理しない設定もできます。
あるビジネスプロセスからほかのビジネスプロセスを呼び出すように定義して,ビジネスプロセスを階層化できます。
ビジネスプロセスの階層化の概要を次の図に示します。
図1-5 ビジネスプロセスの階層化
「図1-5 ビジネスプロセスの階層化」のように,ビジネスプロセスから各サービスを呼び出す一連の流れの中に,ビジネスプロセスを呼び出す処理を定義できます。
ビジネスプロセスで呼び出す処理としてビジネスプロセスを部品化できるため,より複雑な業務処理もビジネスプロセス化できます。
ビジネスプロセスの設計時に,設計ツール(BPMNを用いた上流設計ツール)を使用して作成したBPEL定義を,サービスプラットフォームの開発環境(Service Architect)へインポートできます。インポートしたBPEL定義は,ビジネスプロセス定義として変換され,画面上にアクティビティとして表示されます。メッセージやプロセスの詳細化などの編集ができます。
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