Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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7.5.2 セットアップまたはアンセットアップ時の障害の調査

<この項の構成>
(1) ログの見方および障害の切り分け方法
(2) 代表的な障害とその対処方法

(1) ログの見方および障害の切り分け方法

セットアップまたはアンセットアップの実行中に障害が発生した場合の,障害の調査手順について次の図に示します。

図7-35 障害の調査手順(セットアップまたはアンセットアップ時)

[図データ]

この図が示す調査の流れを次に説明します。

  1. セットアップまたはアンセットアップでエラーが発生した場合,コマンドの応答でコンソールに出力されるメッセージを最初に確認します。
    また,KEOSで始まるメッセージ(HCSC-Managerに関するメッセージ)の詳細情報として,別のメッセージIDが出力されているか確認します。出力例を次に示します。

    [図データ]

  2. 要因が特定できない場合は,取得しているメッセージログを参照します。
    セットアップまたはアンセットアップ実行時に参照する障害情報は,次のメッセージログです。詳細については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。
    • HCSC-Managerのログ
    • 統合メッセージログ
    障害が発生した原因は,コマンド実行以前の環境設定や,システムの状態に起因することもあるため,コマンド応答のメッセージを出力している個所の前後を確認し,ほかにエラーメッセージが出ていないか確認して対策します。

なお,メッセージログの内容を確認するときに,コンソールに出力されたメッセージが重複して出力されていることもあるため,適宜実行時間を確認します。

(2) 代表的な障害とその対処方法

セットアップまたはアンセットアップ時の代表的な障害と,その対処方法について次の表に示します。

表7-61 代表的な障害とその対処方法(セットアップまたはアンセットアップ時の障害調査)

手順(流れ) 代表的な障害 考えられる要因 対策
実行環境に必要なソフトウェアの設定時 データベースのサーバ側のセットアップ時 権限の設定ができない データベース定義ユティリティ(pddef),SQL Executerのパスが設定されていません。 データベース定義ユティリティ(pddef),SQL Executerのパスを設定します。
Managerのセットアップ時 Management Serverが起動しない mserver.propertiesの書式が誤っています。 mserver.propertiesを見直します。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
mserver.cfgの書式が誤っています。 mserver.cfgを見直します。
Management Serverと運用管理エージェントが自動起動しない Management Serverと運用管理エージェントを自動起動するように設定されていません。 Management Serverと運用管理エージェントを自動起動するように設定します。
運用管理エージェントが起動しない adminagent.cfgの書式が誤っています。 adminagent.cfgを見直します。
MBeanの起動確認で,KEOS27010-Iメッセージが出力されない <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\manager\mbean-plugins配下に,定義ファイルおよびjarが存在しません。 <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\mbean-plugins配下のファイルを,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\manager\mbean-pluginsにコピーします。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
PRFのセットアップ時
J2EEサーバのセットアップ時 J2EEサーバが起動しない J2EEサーバのシステム環境変数が正しく設定されていません。 J2EEサーバのシステム環境変数を見直します。
HTTP Serverのセットアップ時
データベースのクライアント側のセットアップ時
JDBCドライバのセットアップ時
DB Connectorのセットアップ時 DB Connectorのcjstartrarやcjtestres実行時にエラーが発生する データベース関連の問題です。
  • HiRDB未起動
  • HiRDBのコネクション不足
  • HiRDBのホスト名やIPアドレス,ポート番号の誤り
  • HiRDBのユーザ名やパスワードの誤り

  • HiRDBが起動しているかどうか確認します。
  • HiRDBのコネクション不足の場合は,次のどちらかを実施します。
    (1) %PDDIR%\CONF\pdsysのpd_max_usersを50程度に変更します。
    (2) DB Connectorの定義やReliable MessagingのコンフィグレーションプロパティのMinPoolSizeを小さくします。
  • DB Connectorの定義を参照し,ホスト名やIPアドレス,ポート番号に誤りがないか確認します。
  • HiRDBのユーザ名やパスワードの誤りがないか確認します。
UNIX/Linux環境で,DB Connectorに対してcjstartrarやcjtestres実行時にエラーが発生する
KDJE37360-E
KDJE48516-E(例外名と例外の詳細メッセージで,javax.resource.ResourceException: KDJE50018-Eを出力)
Linuxの場合はLD_LIBRARY_PATH,AIXの場合はLIBPATHに次のパスが設定されていません。
(1) DABrokerのパス
/opt/DABroker/lib
(2) HiRDBクライアント製品のパス
/opt/HiRDB/client/lib
(3) HiRDBサーバ製品のパス
$PDDIR/client/lib
Linuxの場合はLD_LIBRARY_PATH,AIXの場合はLIBPATHに左記のパスを設定します。
なお,(1)はDABroker経由で接続する場合に必要です。
(2)と(3)はHiRDBに接続するときに,ソフトウェアのインストール状況に応じて,どちらか一方を設定します。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
Reliable Messagingのセットアップ時 DB Connectorのcjstartrarやcjtestres実行時にエラーが発生する データベース関連の問題です。
  • HiRDB未起動
  • HiRDBのコネクション不足
  • HiRDBのホスト名やIPアドレス,ポート番号の誤り
  • HiRDBのユーザ名やパスワードの誤り。

  • HiRDBが起動しているかどうか確認します。
  • HiRDBのコネクション不足の場合は,次のどちらかを実施します。
    (1) %PDDIR%\CONF\pdsysのpd_max_usersを50程度に変更します。
    (2) DB Connectorの定義やReliable MessagingのコンフィグレーションプロパティのMinPoolSizeを小さくします。
  • DB Connectorの定義を参照し,ホスト名やIPアドレス,ポート番号,ユーザ名やパスワードに誤りがないか確認します。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
Reliable Messagingの起動,またはJ2EEサーバの起動時に,KDJE48213-Wが出力される Reliable Messagingのコンフィグレーションプロパティに指定しているキュー定義ファイルの記述が誤っています。 サービスプラットフォームの07-50以降のバージョンを利用している場合,Reliable MessagingのコンフィグレーションプロパティのQueueConfigFileNameは指定不要です。
Service Coordinator-Managerのセットアップ時
HCSCサーバのセットアップ時 HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS27105-E
Management Serverが起動していません。 Management Serverが起動しているか確認します。
また,Management Serverが自動起動になっているか確認します。
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50007-E(詳細コードでKDEC10011-Eを出力)
KEOS27040-E
運用管理エージェントが起動していません。 運用管理エージェントが起動しているか確認します。
また,運用管理エージェントが自動起動になっているか確認します。
起動している場合,Management Serverの設定ファイルの内容を確認し,Management Serverを再起動します。
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50007-E(詳細コードでKDEC05001-EおよびKFPA11723-Eを出力)
HiRDBがダウンしています。 HiRDBサーバを起動します。起動できない場合は,マニュアル「HiRDB メッセージ」を参照して対処します。
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50007-E(詳細コードでKDEC05012-Eを出力)
HiRDB Type4 JDBC DriverまたはOracle JDBC Thin Driverの設定が漏れています。 次の3つのファイルに,ドライバのjarファイルのクラスパスを設定します。
(1) Management Server用オプション定義ファイル(mserver.cfg)で,web.add.class.pathを設定します。
(2) J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)で,add.class.pathを設定します。
(3) HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル(cmdconf.batまたはcmdconf)で,HCSC_ADDCLASSPATHを設定します。
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50007-E(詳細コードでKDEC10013-Eを出力)
リソースアダプタのReliable Messagingが起動していません。 Reliable Messagingを起動します。
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50007-E(詳細コードでKDEC10010-Eを出力)
J2EEサーバが起動していません。 環境を見直します。※1
HCSCサーバのセットアップ時に次のエラーが発生する
KEOS50004-E(詳細コードでKEOS27105-Eを出力)
運用管理エージェントが正常に動作していません。
または,作成したJ2EEサーバがManagerの管理下にありません。
環境を見直します。※1
その結果,該当する原因がない場合,作成したJ2EEサーバがManagerの管理下にいないことが考えられます。その場合はManagerで管理できるように設定します。※2
また,読み込んだJ2EEサーバの設定が正しく設定されているか一とおり確認して,設定が変わっている個所は元に戻します。その後,画面内の[適用]ボタンをクリックします。すべての見直しが完了したあとに,画面右上の[設定情報の配布]をクリックして,設定を有効にします。
なお,ManagerでJ2EEサーバを管理する場合は,論理パフォーマンストレーサの設定が必要になります。また,「基本設定」タブの次に示す設定は,読み込み後は必ず「しない」(使用しない)になります。そのため,必要に応じて変更してください。
  • 運用監視エージェントの設定
  • Managementイベント発行機能の設定
  • 起動オプションの設定
HCSCサーバの定義情報の設定時
HCSCサーバの起動時 HCSCサーバ起動に失敗する
ログの中に「KDJE37356-E The communication timeout occurred.」が含まれている
DB Connectorの属性のmaxBinarySizeとLONGVARBINARY_AccessSizeが,共に0になっています。 次のどちらか(または両方)のとおり変更します。
  • DBConnectorの属性のmaxBinarySizeに0以外(例:64000)を設定します。
  • LONGVARBINARY_AccessSizeに0以外(例:64)を設定します。
KEOS50007-Eが発生してコマンドが失敗する
HCSC稼働マシンのメッセージログに次のどちらかのメッセージが出力される
  • KDJE50012-E
  • KFDJ02005-E
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDB Connectorが,<transaction-support>にNoTransaction以外を定義したDB Connectorです。 2つのDB Connectorを準備していない場合は,DB Connectorを2つセットアップします。
DB Connectorの属性ファイルを取得し,<transaction-support>にNoTransactionを指定し,設定します。
HCSCサーバセットアップ定義ファイルに正しくDB Connectorが設定されていることを確認して,再度HCSCサーバをセットアップします。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
サービスアダプタ/ビジネスプロセス/ユーザ定義受付の配備時 KEOS50007-Eが発生してコマンドが失敗する
HCSC稼働マシンのメッセージログに次のどちらかのメッセージが出力される
  • KDJE50012-E
  • KFDJ02005-E
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDB Connectorが,<transaction-support>にNoTransaction以外を定義したDB Connectorです。 2つのDB Connectorを準備していない場合は,DB Connectorを2つセットアップします。
DB Connectorの属性ファイルを取得し,<transaction-support>にNoTransactionを指定し,設定します。
HCSCサーバセットアップ定義ファイルに正しくDB Connectorが設定されていることを確認して,再度HCSCサーバをセットアップします。
詳細は「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
ユーザ定義受付の定義情報の設定時

(凡例)
−:該当しません。

注※1
次の観点で見直します。
  • 該当J2EEサーバの稼働ホストで,運用管理エージェントが起動しているか。
  • 起動している運用管理エージェントのポート番号と,構成定義でホストに定義した運用管理エージェントのポート番号は一致しているか。
  • 構成定義で定義したホストと通信できるか。
  • 運用管理エージェントのプロパティで,アクセスしているManagement Serverの稼働ホストは接続が許可されているか。
  • Management Serverと運用管理エージェントの製品のバージョンが一致しているか。
  • Management Serverと運用管理エージェントの製品のエディションが異なる場合,接続できるエディション関係か。
  • Managerのリモート管理機能が指定の「ホスト名(またはIPアドレス):ポート番号」で起動されているか。

注※2
次の手順で,作成したJ2EEサーバがManagerで管理できるように設定します。
  1. 運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で「論理J2EEサーバ」配下にあるJ2EEサーバ名を選択し,設定画面を表示させます。
  2. 表示したメニューのタブ「読み込み」をクリックします。「サーバの設定読み込み」画面が表示されます。
  3. 「接続先ホストから設定を読み込みます」を選択し,「読み込み」ボタンをクリックします。
  4. 画面右上の「運用管理ポータル」をクリックします。いったんトップページに戻ります。
  5. 「論理サーバの起動/停止」をクリックします。起動させるJ2EEサーバが起動できるか確認します。