Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編

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付録J メールアダプタで必要なセキュリティの設定

メールアダプタでは,TLS(SMTP over TLS)によるサーバとの接続をサポートしています。TLSによる接続を利用することで,認証に必要なユーザ名やパスワードを暗号化し,第三者に盗聴される危険性を低下できます。

<この節の構成>
(1) TLSに関する設定
(2) キーストアに関する設定

(1) TLSに関する設定

TLSに関する情報として設定する項目を次に示します。

表J-1 TLSに関する設定

項目 設定内容
TLSの使用有無 次のどちらかを選択できます。
  • TLSを使用する
    TLSを使用します。TLSを使用してSMTPサーバに接続します。
  • TLSを使用しない(デフォルト)
    TLSを使用しません。SMTPでSMTPサーバに接続します。
TLSで使用するセキュリティ通信用プロトコル 使用できるプロトコル(TLS1.1およびTLS1.2)のうち,最適なものが自動で設定されます。
TLSで使用できるTLS暗号スイート TLS接続で使用できるTLS暗号スイートは,メールアダプタで制限しません。
STARTTLSの使用有無 SMTPサーバとの接続にTLSを使用する場合,次のどちらかを選択できます。
  • STARTTLSを使用する(デフォルト)
    通常のSMTPで通信を開始し,「STARTTLS」と呼ばれる手順で双方がTLSに対応しているか確認したあとにTLSで再接続します。
  • STARTTLSを使用しない
    SMTP通信がすべてTLSによって暗号化されます。
接続先のSMTPサーバでSTARTTLSが処理できない場合,メールアダプタでエラーを発生させるかどうか SMTPサーバとの接続にTLSとSTARTTLSを使用する場合,次のどちらかを選択できます。
  • エラーを発生させる
    接続先のSMTPサーバがSTARTTLSをサポートしていない場合,またはSTARTTLSの処理中にエラーが発生した場合,メールアダプタでエラーを発生させます。
  • エラーを発生させない(デフォルト)
    接続先のSMTPサーバがSTARTTLSをサポートしていない場合,またはSTARTTLSの処理中にエラーが発生した場合,SMTPを使用してSMTPサーバに接続します。
TLSで使用するメール送信ポート番号 メール送信用のポート番号は,要求電文smtp-port要素,またはメールアダプタ実行環境プロパティファイルのmailadp.smtp.portプロパティで設定できます。
TLSとSTARTTLSを使用する場合,一般的にポート番号に25番または587番を使用します。TLSを使用し,STARTTLSを使用しない場合,一般的にポート番号に465番を使用します。

TLSに関する情報は,要求電文またはメールアダプタ実行環境プロパティファイルで設定できます。要求電文で設定できる項目の詳細は,「3.3.12(2) 電文フォーマットの作成」を参照してください。メールアダプタ実行環境プロパティファイルで設定できる項目の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「メールアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(2) キーストアに関する設定

TLSを使用する場合で,かつメールアダプタでサーバ認証をするとき,信頼できる証明書を格納したキーストア(トラストストア)が必要になります。

トラストストアには,次の証明書のどれかが格納されている必要があります。

キーストアへの証明書のインポート方法については,JDKのドキュメントの「keytool」に関する個所を参照してください。

キーストアのパスおよびパスワードに関する設定方法を次に示します。

キーストアのパス
サーバ認証をする場合,SMTPアダプタは次の順にキーストアを探し,最初に発見したトラストストアを使用してサーバ認証を実施します。
  1. usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のjavax.net.ssl.trustStoreプロパティが指定されている場合,このシステムプロパティに指定されたパスに存在するキーストアを使用します。
  2. 次のパスにファイルが存在する場合,このファイルをキーストアとして使用します。
    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jdk\lib\security\jssecacerts
  3. 次のパスにファイルが存在する場合,このファイルをキーストアとして使用します。
    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jdk\lib\security\cacerts
上記のどれにも該当しない場合は,信頼できないサーバと判断されます。

キーストアのパスワード
usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のjavax.net.ssl.trustStorePasswordプロパティでキーストアのパスワードが指定されている場合,キーストアを使用する前に,キーストアのデータが完全かどうかの検査が実施されます。
javax.net.ssl.trustStorePasswordプロパティが指定されていない場合は,キーストアのデータの検査が実施されません。

usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。