Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編

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付録D.1 ビジネスプロセスの概要を設計する

業務の基本フローをハイレベル・ビジネスプロセスとして作成し,作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化します。

<この項の構成>
(1) ハイレベル・ビジネスプロセスを作成する
(2) ミドルレベル・ビジネスプロセスを作成する

(1) ハイレベル・ビジネスプロセスを作成する

上流設計ツールでハイレベル・ビジネスプロセスを作成します。商品手配サンプルプログラムのビジネスプロセスの場合,システム化する業務は在庫引当と配送手配の2つのタスクなので,これを基本フローとして記述します。

商品手配サンプルプログラムのハイレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D-1 ハイレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

(2) ミドルレベル・ビジネスプロセスを作成する

作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化し,業務全体の流れが把握できるミドルレベル・ビジネスプロセスを作成します。ここでは,在庫引当タスクのあとに排他ゲートウェイを追加し,手配を受けた商品の在庫がない場合の業務エラーフローを追加します。作成したビジネスプロセスに対して顧客と検討を繰り返し,検討不足の業務フローや改善点があればブラッシュアップします。

商品手配サンプルプログラムのミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D-2 ミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

商品手配サンプルプログラムでは,次の表に示す要素でビジネスプロセスを実現することにします。

表D-1 商品手配ビジネスプロセスを構成する要素

項番 名前 要素の種類 備考
1 受付 開始ノード  
2 在庫引当 タスク  
3 排他ゲートウェイ 在庫引当の結果を判定
4 配送手配 タスク  
5 応答_手配成功 終了ノード 配送手配が成功したときの終了ノード
6 応答_在庫なしエラー 終了ノード 在庫がなかったときの終了ノード

(凡例)
−:名前はありません。
空欄:備考として説明する内容はありません。

また,この段階でサービスの粒度も検討します。ここでは,次の表に示すように在庫引当タスクと配送手配タスクをそれぞれ1つのサービスで実現することにします。

表D-2 サービスの粒度の検討

項番 タスク サービス(実装時のサービス名)
1 在庫引当 在庫引当サービス(InventoryManager)
2 配送手配 配送手配サービス(Delivery)