トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド

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4.2.1 トランザクション処理時間監視

TPBrokerは,アプリケーションプログラムが,あるトランザクションを開始してから,そのトランザクションに対する処理を完了するまでの時間を監視します。

あらかじめそのトランザクションに対して設定された監視時間を経過した場合,そのトランザクションを実行中のアプリケーションプログラムのプロセスを強制停止させます。プロセスが強制停止されると,プロセス監視機能によってそのトランザクションをロールバックします。プロセスを強制停止するため,監視時間を経過したトランザクション以外にも,その時点で同じプロセス上で処理中であったすべてのトランザクションがロールバックされます。ここで処理の完了とは,トランザクションを開始したアプリケーションプログラムが,トランザクションの完了指示(コミット指示またはロールバック指示)を発行することをいいます。この監視時間は,暗黙的プロパゲーションによってトランザクションコンテキストとともにサーバアプリケーションにプロパゲーションされます。この場合のサーバアプリケーションでのトランザクション処理の開始は,トランザクショナルリクエストを受信した時点のことをいい,そのリクエストに対する応答を返す時点のことをトランザクション処理の完了といいます。この場合,サーバアプリケーションでも同様の時間監視が行われます。

また,トランザクションコンテキストの管理方式に関係なく監視されるため,そのスレッドからサスペンド(Current::suspend())されているトランザクションも対象となります。トランザクション処理時間監視の監視時間の設定は,トランザクション開始時にCurrent,TransactionFactory,TXインタフェースで設定できます。設定の方法については,マニュアル「TPBroker プログラマーズガイド」を参照してください。また,どの方法によっても監視時間の設定をしない場合は,トランザクション処理時間の監視はしません。

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