トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド
TPBrokerを使用するために,次に示す環境変数を設定してください。システム環境変数の値を変更した場合は,Windowsを再起動してください。
なお,説明中の「$」で始まる文字列はUNIXでの表記であり,Windowsの場合は「%」で始まり「%」で終わる文字列になります。同様に「/」はUNIXの表記であり,Windowsの場合は「\」になります。例えば,UNIXで$TPDIR/libの場合,Windowsでは%TPDIR%\libになります。
ORBが使用する環境変数(VBROKER_ADM,HVI_TRACEPATH,CLASSPATHなど)の設定値や,作成したアプリケーションのクラス格納ディレクトリに,2バイトコード文字を含むパスを使用しないでください。使用した場合の動作は保証できません。
環境変数TPDIR/TPJDIR/TPSPOOL/TPFS/ADMSPOOL/ADMFS/VBROKER_ADMに指定するパスに空白文字が含まれる場合でも,これらの環境変数の値を「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで設定してください。
- <この節の構成>
- (1) 必ず設定する環境変数
- (2) オプションの環境変数
(1) 必ず設定する環境変数
- CLASSPATH(Java)
JARファイルを環境変数の値に追加します。
- Java OTS用JARファイル(Cosminexus TPBrokerの場合必要ありません)
- $TPDIR/lib/tpcosots.jar
- ORB用JARファイル
- $TPDIR/lib/vbjorb.jar
- (Windows)
- prompt> set CLASSPATH=%TPDIR%\lib\tpcosots.jar;%TPDIR%\lib\vbjorb.jar
この製品で提供するvbjorb.jarファイルと同一名称のJARファイルをTPBroker for Java 03-xxなどで提供していますので,使用する環境のvbjorb.jarが有効になるように環境変数の設定を確認してください。
- (UNIX)
- csh(Cシェル)の場合
- prompt> setenv CLASSPATH $TPDIR/lib/tpcosots.jar:$TPDIR/lib/vbjorb.jar
- sh(Bourneシェル)の場合
- prompt> CLASSPATH=$TPDIR/lib/tpcosots.jar:$TPDIR/lib/vbjorb.jar
- prompt> export CLASSPATH
また,OracleデータベースにはVisiBrokerが同梱されています。そのため,この製品のCLASSPATHが有効となるように,この製品のCLASSPATHのあとにOracleデータベースのCLASSPATHを設定してください。
- OSAGENT_PORT
OSAgentが使用するポート番号を指定します。デフォルト値は14000です。OSAgentは起動時に,定義されたポート番号でリクエストを検出しようとします。TPBrokerは,この環境変数からポート番号を取得して,そのポート番号によってOSAgentと通信します。
一つのホストで複数のOSAgentプロセスを実行する場合,各OSAgentプロセスには,それぞれ別のポート番号を指定してください。
ポート番号を10000にする例を次に示します。
- (Windows)
- prompt> set OSAGENT_PORT=10000
- (UNIX)
- csh(Cシェル)の場合
- prompt> setenv OSAGENT_PORT 10000
- sh(Bourneシェル)の場合
- prompt> OSAGENT_PORT=10000
- prompt> export OSAGENT_PORT
- 注意事項
- ポート番号の有効範囲は,5001〜65535の範囲の整数値です。それ以外の値を指定した場合,動作の保証はできません。
- PATH
TPBrokerが提供する運用コマンドの格納ディレクトリ($TPDIR/bin)およびJava SEのbinディレクトリを指定します。
- (Windows)
- prompt> set PATH=Java SEのbinディレクトリ;%TPDIR%\bin;%PATH%
環境変数PATHにJavaVMのディレクトリを「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで設定してください。
- (UNIX)
- csh(Cシェル)の場合
- prompt> setenv PATH Java SEのbinディレクトリ:$TPDIR/bin:$PATH
- sh(Bourneシェル)の場合
- prompt> PATH=Java SEのbinディレクトリ:$TPDIR/bin:$PATH
- prompt> export PATH
この製品で提供するidl2java.exe,vbj.exeなどのコマンドと同一名称のコマンドをTPBroker for Java 03-xxなどで提供していますので,使用する環境のコマンドが使用できるように環境変数の設定を確認してください。
また,OracleデータベースにはVisiBrokerが同梱されています。そのため,この製品のパスが有効となるように,この製品のパスのあとにOracleデータベースのパスを設定してください。
- TPDIR
TPBrokerがインストールされたディレクトリを指定します。
ディレクトリに空白が含まれる場合でも,「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで設定してください。
- TPJDIR(Java)
TPBrokerがインストールされたディレクトリを指定します。
ディレクトリに空白が含まれる場合でも,「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで設定してください。
- TZ
タイムゾーンを指定します。日本時間の場合は,JST-9を指定してください。
- VBROKER_ADM
TPBrokerのインタフェースリポジトリ,OAD,およびOSAgentの定義情報が格納されているディレクトリを指定します。
ディレクトリに空白が含まれる場合でも,「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで設定してください。設定した場合に動作の保証はできません。
また,この環境変数は,デフォルトではORBのトレースファイルなどの出力先の起点になります。ORBのトレースファイルなどの出力先は,デフォルトでは次になります。
- (Windows)
- %VBROKER_ADM%\..\log(C++)
- %VBROKER_ADM%\..\logj(Java)
トレースファイルの出力先はHVI_TRACEPATH環境変数で変更することもできます。詳細については,「TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド」を参照してください。
- (UNIX)
- $VBROKER_ADM/../log(C++)
- $VBROKER_ADM/../logj(Java)
なお,この環境変数の指定は必須です。$TPDIR/adm(Unix),%TPDIR%\adm(Windows)がデフォルトとなっており,これを設定することをお勧めします。このディレクトリ以外を設定する場合は,次を実施してください。
- $TPDIR/adm(Unix),%TPDIR%\adm(Windows)をディレクトリごとコピーした上で,この環境変数を設定してください。
- あらかじめ次のディレクトリを作成してください。
- (Windows)
- %VBROKER_ADM%\..\log
- %VBROKER_ADM%\..\log\mdltrc
- %VBROKER_ADM%\..\log\comtrc
- %VBROKER_ADM%\..\log\stktrc
- %VBROKER_ADM%\..\logj
- %VBROKER_ADM%\..\logj\mdltrc
- %VBROKER_ADM%\..\logj\comtrc
- %VBROKER_ADM%\..\logj\namelog
これらのディレクトリが作成されていない場合,およびこの環境変数に指定するパスの長さが200バイトを超えている場合,トレースファイルが出力されないことがあり,トラブルシュートなどに支障をきたす場合があります。
- (UNIX)
- $VBROKER_ADM/../log
- $VBROKER_ADM/../log/mdltrc
- $VBROKER_ADM/../log/comtrc
- $VBROKER_ADM/../log/hgttrc
- $VBROKER_ADM/../logj
- $VBROKER_ADM/../logj/mdltrc
- $VBROKER_ADM/../logj/comtrc
- $VBROKER_ADM/../logj/namelog
- (Windows)
- prompt> set VBROKER_ADM=%TPDIR%\adm
- (UNIX)
- csh(Cシェル)の場合
- prompt> setenv VBROKER_ADM $TPDIR/adm
- sh(Bourneシェル)の場合
- prompt> VBROKER_ADM=$TPDIR/adm
- prompt> export VBROKER_ADM
次に示す三つの環境変数は,使用するOSによって異なります。共用ライブラリのパスに,TPBrokerが提供するライブラリのディレクトリ($TPDIR/lib)を追加してください。これらの環境変数はOSごとに必ずアップデートしてください。C++実行環境の場合,tslnkrmコマンドに-iオプションを付けて,リソースマネージャをTPBrokerに登録しているときは,$TPSPOOL/XAも追加してください。
- SHLIB_PATH(HP-UX 11.0,11i,11i V2(PA-RISC)の場合)
Cosminexus TPBrokerの場合,/opt/hitachi/common/libも追加してください。
OracleデータベースにはVisiBrokerが同梱されています。そのため,この製品の共用ライブラリのパスが有効となるように,この製品の共用ライブラリのパスのあとにOracleデータベースの共用ライブラリのパスを設定してください。
- LD_LIBRARY_PATH(Solaris,Linux,HP-UX(IPF)の場合)
Cosminexus TPBrokerの場合,/opt/hitachi/common/libも追加してください。
OracleデータベースにはVisiBrokerが同梱されています。そのため,この製品の共用ライブラリのパスが有効となるように,この製品の共用ライブラリのパスのあとにOracleデータベースの共用ライブラリのパスを設定してください。
- LIBPATH(AIXの場合)
Cosminexus TPBrokerの場合,/opt/hitachi/common/libも追加してください。
OracleデータベースにはVisiBrokerが同梱されています。そのため,この製品の共用ライブラリのパスが有効となるように,この製品の共用ライブラリのパスのあとにOracleデータベースの共用ライブラリのパスを設定してください。
AIX版の場合,次に示す環境変数を設定してください。
- PSALLOC=early
なお,早期ページングスペース割り当てでは,ページングスペース見積り上の考慮事項があります。詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
- NODISCLAIM=true
NODISCLAIM=trueを設定しないと性能(レスポンスタイム/スループット/CPU利用率)が劣化することがあります。ただし,この環境変数を設定すると,メモリ使用効率が悪化します。詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
- AIXTHREAD_SCOPE=S
AIXTHREAD_SCOPEの詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
(2) オプションの環境変数
Cosminexus TPBrokerの場合,オプションの環境変数は不要です。
- ADMFS
TPBrokerの運用支援機能の情報(システムステータスファイル)を格納するディレクトリ,またはキャラクタ型スペシャルファイルを指定します。
admsetupコマンドに-cオプションを付けて実行したときに,この環境変数に設定されているディレクトリが生成されます。
キャラクタ型スペシャルファイルを指定する場合は,あらかじめtsmkfsコマンドでTPBrokerファイルシステムを作成しておく必要があります。TPBrokerファイルシステムについては「7.6 TPBrokerファイルシステム(UNIX)」を参照してください。
この環境変数が設定されていない場合は,環境変数ADMSPOOLに指定したディレクトリが使用されます。
同一ノード内に複数のTPBrokerの運用支援機能の実行環境を登録する場合は,それぞれの環境で異なるディレクトリを環境変数ADMFSに指定してください。また,環境変数TPFSおよび環境変数TPSPOOLと異なる値にしてください。
- ADMSPOOL
TPBrokerの運用支援機能の情報を格納するディレクトリを指定します。
admsetupコマンドに-cオプションを付けて実行したときに,この環境変数に指定されているディレクトリが生成されます。
この環境変数が設定されていない場合は,$TPDIR/spoolが使用されます。
同一ノード内に複数のTPBrokerの運用支援機能の実行環境を登録する場合は,それぞれの環境で異なるディレクトリを環境変数ADMSPOOLに指定してください。また,環境変数TPFSおよび環境変数TPSPOOLと異なる値にしてください。
- TPB_TRN_TRACE_PATH
トランザクショントレース情報を格納するディレクトリを指定します。
tssetupコマンドを実行したときに,この環境変数に指定されているディレクトリが生成されます。
この環境変数が設定されていない場合は,環境変数TPSPOOLに指定したディレクトリが使用されます。
- TPFS
トランザクションのステータスファイルを格納するディレクトリ,またはキャラクタ型スペシャルファイルを指定します。
キャラクタ型スペシャルファイルを指定する場合は,あらかじめtsmkfsコマンドでTPBrokerファイルシステムを作成しておく必要があります。TPBrokerファイルシステムについては,「7.6 TPBrokerファイルシステム(UNIX)」を参照してください。
この環境変数が設定されていない場合は,環境変数TPSPOOLに指定したディレクトリが使用されます。
同一ノード内に複数のOTS実行環境を起動する場合は,それぞれの環境で異なるディレクトリを環境変数TPFSに指定してください。また,環境変数ADMFSおよび環境変数ADMSPOOLと異なる値にしてください。
- TPRMINFO(C++)
アプリケーションプログラムおよび決着プロセスが使用するリソースマネージャを識別するための定義キーの名称を指定します。設定内容の詳細は「8.3.3 リソースマネージャ定義(C++)」を参照してください。
- TPSPOOL
TPBroker稼働情報などを格納するディレクトリを指定します。tssetupコマンドを実行したときに,この環境変数に設定されているディレクトリが生成されます。
この環境変数が設定されていない場合は,$TPDIR/otsspoolが使用されます。同一ノード内に複数の運用支援機能の実行環境,または複数のOTS実行環境を起動する場合は,それぞれの環境で異なるディレクトリを環境変数TPSPOOLに指定してください。また,環境変数ADMFSおよび環境変数ADMSPOOLと異なる値にしてください。
- TPSYS_APTTRCPERTHRD(C++)
〜((1〜255))<<32>>(単位:トレース)
一つのスレッドで格納できるAPIトレース数を指定します。この値を超える回数のAPIが同一スレッドから発行された場合は,古いAPIトレースから上書きされます。無効な値を指定した場合は,デフォルト値が適用されます。ただし,tx_infoおよびget_transaction_nameオペレーションを発行した場合は,取得情報が通常よりも多くなるため,格納できるAPIトレース数が指定値よりも少なくなります。
- TPSYS_APTUSE(C++)
APIトレースを取得するかどうかを指定します。APIトレースを取得するには,任意の値(例えば1)を指定します。
この環境変数が設定されていない場合は,APIトレースは取得されません。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2012, 2015, Hitachi, Ltd.