トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイド

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2.1 環境設定の手順

TPBrokerの環境設定の手順を次に示します。高速オプションライブラリ(OTS Fast Path Option)を使用する場合も同じ手順です。

  1. TPBrokerをインストールする(必須)
    インストールの手順の詳細については,「ソフトウェア添付資料」または「TPBroker使用時の注意事項 取扱説明書」を参照してください。
    また,UNIX版の場合syslog出力するための設定も実施してください。
    TPBrokerはsyslogにメッセージを書き込みます。user機能のinfoレベル以上のログを保存するように設定してください。

    例 /etc/syslog.confに以下の行を追加します。
    user.info /var/log/syslog
    ループバックアドレスは127.0.0.1を使用してください。
    また,NTPプログラム※1を使用してシステム時刻補正を行う場合は,次の点に注意して運用してください。
    • 製品のプロセスの稼働中は,slewモード(時刻のずれを徐々に補正)を使用して,なおかつ時刻が後戻りしないようにしてください※2
    • 一度に数十秒以上の大幅な時刻補正が必要な場合は,製品のプロセスを停止してから時刻補正を行うようにしてください。
    • 時刻補正によってシステム時刻が戻ったり進んだりすると,次の事象が発生することがあります。これらを考慮してタイムアウト設計やシステム運用をしてください。
      ・トランザクションや通信,システム監視などのタイムアウトが想定より遅くなる,または早くなる。
      ・ログや履歴の時系列が崩れる。

    注※1
    NTP(Network Time Protocol)プログラム:Windows TimeサービスやUNIX系プラットフォームのntpd,ntpdateコマンドなど。システム時刻補正の詳細については,ご使用のオペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。

    注※2
    AIXのxntpdコマンドは,slewモードでも微小な時刻戻りが発生することがあります。この影響を避けるためには/etc/environmentファイルに環境変数GETTOD_ADJ_MONOTONIC=1を設定してください。
    UNIX版の場合,OSインストール後のデフォルトの設定では,/etc/hostsファイルに127.0.0.1のIPアドレスに対して自ホスト名が設定されることがあります。TPBrokerを使って通信を行う場合には,ネットワークインタフェースに割り当てられたIPアドレスに対して自ホスト名が設定されている必要があります。そのため,/etc/hostsファイルには,自ホスト名に対してネットワークインタフェースに割り当てられた適切なIPアドレスを設定してください。
    また,AIXのSMT機能を使用する場合,TPBroker稼働中にSMTのON/OFFを切り替えないでください。
  2. 環境変数を設定する(必須)
    TPBrokerを使用するために必要な環境変数を設定します。ORBの環境変数やlocaladdrなどの設定については,マニュアル「Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド」を参照してください。
  3. TPBrokerのOTS環境をセットアップする(必須)
    tssetupコマンド(Windows版05-19以降ではtstpbsetupコマンド。以下本マニュアルではtssetupに表記を統一します)でTPBrokerのOTS環境をセットアップします。
  4. システム環境定義を変更する(任意)
    セットアップによって設定されたシステム環境定義の値を,必要に応じて変更します。
  5. リソースマネージャと連携する場合の準備をする(C++)(任意)
    XAインタフェースをサポートしたリソースマネージャをTPBrokerと連携して使用する場合の準備をします。この手順はC++実行環境の場合だけ必要です。
  6. プロセス監視定義ファイルを編集する(任意)
    プロセス監視を実行するための定義ファイルに,必要な項目を設定します。
  7. TPBrokerの運用支援機能実行環境をセットアップする(任意)
    admsetupコマンドでTPBrokerの運用支援機能実行環境をセットアップします。

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