Cosminexus V9 アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編

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javagcGCの強制発生

形式

javagc [-i|-f] [-v] [-s] [-force] [-ehgc] -p <プロセスID>
 

機能

メモリリーク,システム障害およびアプリケーションのデバッグのために,プロセスIDが<プロセスID>のjavaプロセスに対して,任意のタイミングでFullGCを発生させます。また,プロセスIDが<プロセスID>のjavaプロセスに対して,任意のタイミングでFullGCと,Explicitメモリブロックの解放を実行します。

javaプロセスとの通信にはSIGQUITシグナルを使用します。コマンドを実行すると,コマンドの処理内容をユーザに確認します。n(発生させない,実行しない,または送信しない)と回答した場合には,コマンドの処理は実行されません(戻り値が1となります)。この確認動作は,-fオプションを指定することで省略できます。

<プロセスID>のjavaプロセスが通常の要因で発生するCopyGCやFullGCを実行中の場合は,その終了を待ってからコマンドを実行します。

引数

-i
次に示すコマンドの処理内容をユーザに確認します。
  • <プロセスID>のプロセスに対して,GCを発生させるかどうか(Windowsの場合)
  • <プロセスID>のプロセスに対して,Explicitメモリブロックの解放を実行するかどうか
  • GCを発生させるためにSIGQUITシグナルを送信させるかどうか(UNIXの場合)
このオプションより前に指定した,-fオプションを無効にします。

-f
次に示すコマンドの処理内容をユーザに確認しません。
  • <プロセスID>のプロセスに対して,GCを発生させるかどうか(Windowsの場合)
  • Explicitメモリブロックの解放を実行するかどうか
  • GCを発生させるためにSIGQUITシグナルを送信させるかどうか(UNIXの場合)
このオプションより前に指定した,-iオプションを無効にします。

-v
-XX:+HitachiVerboseGCオプションの指定がなくても,JavaVMログファイル作成の規則に従ってJavaVMログファイルを作成して,拡張verbosegc情報を出力します。
その際,以下のオプション値も反映した内容の拡張verbosegc情報を出力します。
  • -XX:+HitachiVerboseGCPrintDate
  • -XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
  • -XX:+HitachiVerboseGCCpuTime
  • -XX:+HitachiCommaVerboseGC

-s
標準出力に拡張verbosegc情報を出力します。
その際,以下のオプション値も反映した内容の拡張verbosegc情報を出力します。
  • -XX:+HitachiVerboseGCPrintDate
  • -XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
  • -XX:+HitachiVerboseGCCpuTime
  • -XX:+HitachiCommaVerboseGC

-force
javaプロセスが作成する/tmp/hsperfdata_<ユーザ名>/<プロセスID>ファイルの有無の確認をしないで,-pオプションで指定したプロセスIDのjavaプロセスに対してGCやExplicitメモリブロックの解放を実行します。
なお,このオプションはUNIX用のオプションです。

-ehgc
プロセスIDが<プロセスID>のjavaプロセスに対して,FullGCと,Explicitメモリブロックの解放を実行します。Explicitメモリブロックの解放については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「8.9 javagcコマンドによるExplicitメモリブロックの解放」を参照してください。

-p <プロセスID>
FullGCや,Explicitメモリブロックの解放を実行したいプロセスIDを指定します。

JavaVM拡張オプションについては,次の個所を参照してください。

戻り値

0:
正常終了しました。

1:
異常終了しました。

2:
一定時間内にGC処理終了の応答がありませんでした。

入力例

  1. -iオプションを指定してjavagcコマンドを実行します。
    javagc -i -v -p 8326
  2. Windowsの場合,GCを発生させるかどうかの確認メッセージが表示されます。UNIXの場合,プロセスIDの確認メッセージが表示されます。
    • Windowsの場合
      Force VM to execute GC ? (y/n)
    • UNIXの場合
      send SIGQUIT to 8326:?(y/n)
  3. Windowsの場合,GCを発生させる場合はyを,発生させない場合はnを入力します。UNIXの場合,SIGQUITシグナルを送信させる場合はyを,送信させない場合はnを入力します。
    • Windowsの場合
      Force VM to execute GC ? (y/n)y
    • UNIXの場合
      send SIGQUIT to 8326:?(y/n)y

出力例

[VGC]<Wed Mar 17 00:42:30 2004>(Skip Full:0,Copy:0)[Full GC 149K->149K(1984K), 0.0786038 secs][DefNew::Eden: 264K->0K(512K)][DefNew::Survivor: 0K->63K(64K)][Tenured: 85K->149K(1408K)][Metaspace: 3634K(4492K, 4492K)->3634K(4492K, 4492K)][class space: 356K(388K, 388K)->356K(388K, 388K)][cause:JavaGC Command]

出力メッセージ

表10-7 javagcコマンドで出力されるメッセージ(Windowsの場合)

項番 メッセージ 説明
1 usage: javagc [-f|-i] [-v] [-s] [-ehgc] -p process-id javagcコマンドへの引数の指定が間違っています。
2 javagc: illegal option--<オプション> javagcコマンドに指定した<オプション>が不正です。
3 javagc: can't communicate with process <プロセスID> javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に問題があり,通信処理でエラーが発生しているため通信できません。または,javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスがありません。
4 <プロセスID>: Not owner javagcコマンドで指定した<プロセスID>に0が指定されています。
5 <プロセスID>: Now processing previous request, this request canceled javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスは,前回のjavagcコマンドによるGCを実行中です。javagcコマンドによるGC実行要求はキャンセルされます。
6 javagc: can’t create work file at temporary directory, this request canceled 一時ファイル用ディレクトリに参照・書き込み権限がない場合,GC要求ファイルが作成できません。このGC実行要求はキャンセルされます。
7 javagc: can't get temporary directory, this request canceled 一時ファイル用ディレクトリが取り出せない場合,GC要求ファイルが作成できません。このGC実行要求はキャンセルされます。
8 javagc: unexpected error occurred:<エラー原因> javagcコマンド実行中に予期しないエラーが発生しました。
<エラー原因>には,例えば下記のような表示がされます。
  • 作業用メモリ確保に失敗した場合
    malloc systemcall fail (errno=Y)
  • オブジェクトのクローズに失敗した場合
    close systemcall fail (errno=Y)
9 <プロセスID>: Timeout occurred. Java process not responding. javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスから,一定時間内にGC処理終了の応答がありませんでした。
10 javagc : please delete <削除できなかったファイル名> in <削除できなかったファイルのフルパス> javagcコマンドを終了したときに,内部ファイルを削除できませんでした。削除できなかったファイルのフルパスにある,削除できなかったファイルを削除してください。
11 <プロセスID>: Failed to retry GC. Java process is GC locked. javagcコマンドに引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスが,GC実行が抑止された状態で,GC処理が実行できませんでした。

 

表10-8 javagcコマンドで出力されるメッセージ(UNIXの場合)

項番 メッセージ 説明
1 javagc [-f|-i][-v][-s] [-force] [-ehgc] -p process-id javagcコマンドへの引数の指定が間違っています。
2 javagc: illegal option--<オプション> javagcコマンドに指定した<オプション>が不正です。
3 <プロセスID>: No such process javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスがありません。または,javagcコマンドで指定した<プロセスID>に該当するプロセスがjavaプロセス以外でした。
4 <プロセスID>: Not owner 実行ユーザは,javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスのオーナーではありません。
5 <プロセスID>: Now processing previous request, this request canceled javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスは,前回のjavagcコマンドによるGCを実行中です。javagcコマンドによるGC実行要求はキャンセルされます。
6 javagc: can't create work file at /tmp, this request canceled /tmpに参照および書き込み権限がないため,GC要求ファイルが作成できません。javagcコマンドによるGC実行要求はキャンセルされます。
7 javagc: unexpected error occurred:<エラー原因> javagcコマンド実行中に予期しないエラーが発生しました。
<エラー原因>には,例えば下記のような表示がされます。
  • 作業用メモリ確保に失敗した場合
    malloc systemcall fail (errno=Y)
  • オブジェクトのクローズに失敗した場合
    close systemcall fail (errno=Y)
8 <プロセスID>: Timeout occurred. Java process not responding. javagcコマンドの引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスから,一定時間内にGC処理終了の応答がありませんでした。
9 javagc : please delete <削除できなかったファイル名> in <削除できなかったファイルのフルパス> javagcコマンドを終了したときに,内部ファイルを削除できませんでした。削除できなかったファイルのフルパスにある,削除できなかったファイルを削除してください。
10 <プロセスID>: Failed to retry GC. Java process is GC locked. javagcコマンドに引数に指定した<プロセスID>に該当するプロセスが,GC実行が抑止された状態で,GC処理が実行できませんでした。

注意事項