Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編

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7.3.3 テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションに対してできる動作

ここでは,テストモードでのJ2EEアプリケーションの運用について説明します。

J2EEアプリケーションを新しく登録する場合や,すでに動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替えるとき,本番運用を開始する前に,本番環境で問題なく動作することを確認したいことがあります。このような場合にテストモードを使用します。

テストモードでの運用は,J2EEアプリケーション単位で実行できます。テストモードから本番運用時のモード(通常モード)に変更する場合,J2EEアプリケーションの設定やカスタマイズをし直す必要はありません。また,一つの本番環境で表示名が同じJ2EEアプリケーションを,通常モードとテストモードで同時に開始できます。これによって,既存のJ2EEアプリケーションでクライアントにサービスを提供しながら,入れ替える予定のJ2EEアプリケーションの動作を同じ環境で確認できます。

テストモードで運用できるのは,J2EEアプリケーションだけです。J2EEアプリケーション内でDB Connectorなどのリソースアダプタを使用する場合は,本番時に使用するものを使用してください。また,Webサーバ上の静的コンテンツについても,本番用に構築したWebサーバ上に配置して使用してください。

J2EEアプリケーションのテストモードでの動作確認には,サーバ管理コマンドを使用します。

テストモードで動作中のJ2EEアプリケーションに対してできる操作を次に示します。

Management Serverでは,J2EEアプリケーションをテストモードでインポートして動作確認することはできません。ただし,次の場合には,Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)で,テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションの稼働情報が参照できます。

運用管理コマンド(mngsvrutil)では,テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションを操作できません。テストモードでJ2EEアプリケーションを操作したい場合は,サーバ管理コマンドを実行してください。ただし,テストモードの場合も,運用管理コマンドで稼働情報を出力できます。

なお,J2EEアプリケーションのモードが,サーバ管理コマンドでテストモードに変更された場合,運用管理コマンドにサブコマンド「get」を指定して取得したJ2EEアプリケーションの稼働情報のfullyQualifiedNameに,「_TEST」という文字列が付いて出力されます。

また,次の表に示すコマンドは,テストモードで実行しているJ2EEアプリケーションに対して実行できます。cjlistthreadコマンド以外のコマンドでは,-testオプションを指定することで,コマンドの実行対象がJ2EEアプリケーションになります。cjlistthreadコマンドは,テストモードのJ2EEアプリケーションだけを対象にするためのオプションはありません。

テストモードのJ2EEアプリケーションに対して実行できるサーバ管理コマンドと実行時の形式を次の表に示します。各コマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2. J2EEサーバで使用するコマンド」を参照してください。

表7-13 テストモードのJ2EEアプリケーションに対して実行できるサーバ管理コマンドと実行時の形式

コマンド テストモードでの動作 形式
cjclearpool テストモードのJ2EEアプリケーションにに含まれる指定されたデータソース(JDBC)またはリソースアダプタのコネクションをクリアします。 リソースアダプタ(J2EEアプリケーションに含めて使用)の場合
cjclearpool [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] -type connector [-mode {normal|plan}] [-test] -name <アプリケーション名> -resname <リソースアダプタ表示名> [-resname <リソースアダプタ表示名> ...]
cjdeleteapp テストモードのJ2EEアプリケーションを削除できます。 cjdeleteapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> [-name <J2EEアプリケーション名> ...]
cjdeletelibjar ライブラリJARをテストモードのJ2EEアプリケーションから削除します。 cjdeletelibjar [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -f <ライブラリJAR名> [-f <ライブラリJAR名> ...]
cjgencmpsql テストモードのJ2EEアプリケーションのCMP2.x Entity Bean用のSQL文を生成します。 cjgencmpsql [サーバ名称] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> [-resname <EJB-JARの表示名/Entity Beanの表示名>]
cjgetappprop テストモードのJ2EEアプリケーションのアプリケーション属性,WAR属性およびEJB-JAR属性を取得できます。 アプリケーションの場合
cjgetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> [-encoding <エンコーディング名>] -c <属性ファイルパス>
 
EJB-JARファイル,WARファイル,またはRARファイルの場合
cjgetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>][-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type {ejb|war|rar} -resname <リソース表示名>[/<下位リソース表示名>] [-encoding <エンコーディング名>] -c <属性ファイルパス>
 
すべての情報を取得する場合
cjgetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type all [-encoding <エンコーディング名>] -c <属性ファイルパス>
cjgetstubsjar テストモードのJ2EEアプリケーションからRMI-IIOPスタブおよびインタフェースを取得できます。 cjgetstubsjar [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -d <スタブおよびインタフェース格納先ディレクトリパス>
cjimportapp J2EEアプリケーションをテストモードでインポートできます。インポートは,実行時情報を含む形式(ZIPファイル)または実行時情報を含まない形式(EARファイル)のどちらも実行できます。 アーカイブ形式のアプリケーションをインポートする場合
cjimportapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] [-nodelete] -f <EARファイルのパス> [-f <EARファイルのパス>...]
 
展開ディレクトリ形式のアプリケーションとしてインポートする場合(アプリケーションディレクトリ)
cjimportapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -a <アプリケーションディレクトリパス>
 
展開ディレクトリ形式のアプリケーションとしてインポートする場合(標準のアプリケーションファイル(拡張子.ear)またはアプリケーションサーバのアプリケーション実行環境情報ファイル(拡張子.zip))
cjimportapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] [-nodelete] -f <EARファイルのパス> -d <展開ディレクトリパス>
cjimportlibjar テストモードのJ2EEアプリケーションにライブラリJARをインポートします。 cjimportlibjar [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -f <ライブラリJARファイルパス> [-f <ライブラリJARファイルパス> ...]
cjlistapp J2EEサーバに含まれるすべてのJ2EEアプリケーションのうち,テストモードのJ2EEアプリケーションの一覧を表示できます。また,テストモードのJ2EEアプリケーションに含まれるWARファイルおよびEJB-JARファイルの一覧を表示できます。 アプリケーションに含まれるEJB-JARファイルまたはWARファイルの場合
cjlistapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type {ejb|war} [-resname <表示名>]
 
アプリケーションに含まれるRARファイルの場合
cjlistapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type rar [-spec | -resname <表示名> -outbound| -resname <表示名> -inbound| -resname <表示名> -listenertype <メッセージリスナのタイプ名>]
cjlistlibjar テストモードのJ2EEアプリケーションに含まれるライブラリJARの一覧を標準出力に出力します。 cjlistlibjar [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名>
cjlistpool テストモードのJ2EEアプリケーションに含まれるリソースアダプタのコネクションプールの状態を標準出力に出力します。 アプリケーションに含めて使用されるリソースアダプタを指定する場合
cjlistpool [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -resname <リソースアダプタの表示名> [-resname <リソースアダプタの表示名> ...]
cjlistthread テストモードのJ2EEアプリケーションのスレッド一覧を表示できます。 cjlistthread [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>]
cjreloadapp テストモードのJ2EEアプリケーションをリロードできます。 cjreloadapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> [-t <強制リロード開始までのタイムアウト時間>]
cjrenameapp テストモードのJ2EEアプリケーションの名称を変更します。 cjrenameapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -newname <変更後アプリケーション名>
cjreplaceapp テストモードのJ2EEアプリケーションをリデプロイできます。 cjreplaceapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -f <ファイルパス> [-t <タイムアウト時間>] [-replaceDD]
cjsetappprop テストモードのJ2EEアプリケーションのアプリケーション属性,WAR属性およびEJB-JAR属性を設定できます。 アプリケーションの場合
cjsetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -c <属性ファイルパス>
 
EJB-JARファイル,WARファイル,またはRARファイルの場合
cjsetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type {ejb|war|rar} -resname <リソース表示名>[/<下位リソース表示名>] -c <属性ファイルパス>
 
すべての情報を設定する場合
cjsetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -type all -c <属性ファイルパス>
cjstartapp J2EEアプリケーションをテストモードで開始できます。 cjstartapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> [-jspc]
cjstopapp テストモードで開始したJ2EEアプリケーションを停止できます。 通常停止を行う場合
cjstopapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> [-t <タイムアウト時間>]
 
通常停止がタイムアウトしたあと,強制停止を手動で行う場合
cjstopapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -cancel
 
通常停止がタイムアウトしたあと,強制停止を自動で行う場合
cjstopapp [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <J2EEアプリケーション名> -t <タイムアウト時間> -force
cjstopthread テストモードのJ2EEアプリケーションに対してメソッドキャンセルを実行できます。 cjstopthread [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] -tid <スレッドID> [-tid <スレッドID> ...]
cjtestres テストモードのJ2EEアプリケーションに含まれるJ2EEリソースアダプタ,メールおよびデータソースの接続テストをします。 アプリケーションに含めて使用するリソースアダプタの場合
cjtestres [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] [-test] -name <アプリケーション名> -type rar -resname <表示名> [-resname <表示名> ...]

注※ テストモードと通常モードで,それぞれに一意のアプリケーション名称を登録できます。同一モードで同一アプリケーション名称が存在する場合は,エラーとなります。このとき,アプリケーション名の大文字・小文字は区別されません。