Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編
6.14.1 J2EEサーバの設定内容
セッション情報の引き継ぎを行うJ2EEサーバの設定内容について説明します。
セッション情報の引き継ぎを行うJ2EEサーバの設定では,簡易構築定義ファイルを編集して次に示す設定をします。
- グローバルセッション情報を格納するSFOサーバの設定
セッション情報の引き継ぎを行うJ2EEサーバのグローバルセッション情報を格納するSFOサーバの名称,およびSFOサーバ用のCORBAネーミングサービスのIPアドレスを設定します。
- SFOサーバとの通信タイムアウトの設定
J2EEサーバとSFOサーバとの通信タイムアウトを設定します。
通信タイムアウト時間の設定では,FullGCなどによる応答の遅延を考慮し,SFOサーバで発生した障害以外の原因でタイムアウトが発生しないように値を設定してください。
SFOサーバとの通信タイムアウトは,J2EEサーバがSFOサーバに障害が発生したと判断するために使用される時間です。設定したタイムアウト時間を超えると,J2EEサーバでは,SFOサーバは障害のため停止していると判断し,リトライを実行しません。
次の場合に,J2EEサーバがSFOサーバとの通信タイムアウトを検知して,SFOサーバに障害が発生したと判断します。
- SFOサーバに障害が発生してSFOサーバとの通信が完了しなかった場合
- FullGCなどでJ2EEサーバが高負荷状態となり,通信タイムアウトに設定した時間内にSFOサーバとの通信が完了しなかった場合
通信タイムアウトが発生してSFOサーバとの接続が一時的に切断された場合,再接続が発生します。
- 注意
- 通信タイムアウトが発生してSFOサーバとの接続が切断された場合の注意事項
- SFOサーバに障害が発生して停止した場合,ビジネスメソッドの呼び出しができなくなります。
SFOサーバアプリケーションで用意しているコネクションの状態監視用のビジネスメソッドは,SFOサーバのヘルスチェックを実施するためにSFOサーバ監視スレッドによって呼び出されます。また,リクエスト実行時には,SFOサーバ上のグローバルセッション情報を操作するためのビジネスメソッドが呼び出されます。SFOサーバ監視スレッドは,J2EEサーバで作成されます。
- SFOサーバとの接続が切断された場合は,SFOサーバがダウンした場合と同じ状態となります。切断中にJ2EEサーバがリクエストを受信した場合,そのリクエストのHTTPセッションに登録された書き換え可能グローバルセッション情報は削除されます。
- HTTPセッションのセッションIDへのサーバIDの付加
HTTPセッションのセッションIDにサーバIDを付加する機能を有効にして,HTTPセッションのセッションIDに付加するサーバIDを設定します。
- サーバIDのCookieの付加
HTTP Cookieによってグローバルセッションを制御する場合に,HTTPセッションを生成したリクエストのレスポンスにサーバIDのCookieを付加する機能を有効にして,付加するサーバIDのCookieの名称を設定します。
- リクエストラインの最大サイズの設定
URL書き換えによってグローバルセッションを制御する場合に,リクエストラインの最大サイズを設定します。URL書き換えによってグローバルセッションを制御する場合,URLのパスパラメタには,HTTPセッションのセッションIDとグローバルセッションIDが含まれます。HTTPリクエストのリクエストラインのサイズには,上限があります。このため,あらかじめリクエストラインの最大サイズを算出して,それを基にリクエストラインの最大サイズを設定する必要があります。
なお,リクエストラインの最大サイズをJ2EEサーバに設定するのは,インプロセスHTTPサーバを使用している場合です。HTTP ServerまたはMicrosoft IISを使用している場合は,それぞれのWebサーバに設定します。
設定値の考え方および各Webサーバへの設定方法については,「6.7.5 リクエストラインの最大サイズの設定」を参照してください。
- 注意
- J2EEサーバ間でのセッション情報の引き継ぎを行うために編集した,簡易構築定義ファイルのパラメタに不正な値が指定されていたり,必要なパラメタの指定が不足していたりした場合,J2EEサーバの起動時ではなく,セッション情報の引き継ぎ時にエラーが発生し,セッション情報の引き継ぎを行うWebアプリケーションを開始できません。
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