Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 セキュリティ管理機能編

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8.4 負荷分散機の接続環境の設定

負荷分散機の接続方式としてAPIによる直接接続を使用する場合は,運用管理機能が稼働するホストで負荷分散機の接続環境を設定します。

<この節の構成>
(1) アクセスリスト(ACL)の設定内容(ACOSの場合)
(2) cookieパーシステンステンプレートの作成
(3) トラストストアの設定
(4) hostsファイルの設定(BIG-IPの場合)

(1) アクセスリスト(ACL)の設定内容(ACOSの場合)

ACOSのバージョンが「2.4.3-P7」より前の場合は,運用管理サーバ(Management Server)または仮想サーバマネージャが稼働するサーバマシンで,アクセスリストを作成する必要があります。設定内容を次に示します。作成方法の詳細については,ACOSのドキュメントを参照してください。

注※
負荷分散機に対して接続制限をする場合は,アクションおよび送信元アドレスに任意の値を設定してください。
 
注意
IDに「1」以外を設定してACLを作成した場合,API(RESTアーキテクチャ)を使用した直接接続が使用できません。

(2) cookieパーシステンステンプレートの作成

cookieを利用してセッションを維持する場合,運用管理機能が稼働するホストでcookieパーシステンステンプレートを作成する必要があります。設定内容を次に示します。なお,作成方法の詳細は,負荷分散機のドキュメントを参照してください。

(3) トラストストアの設定

APIによる直接接続を使用すると,負荷分散機とHTTPまたはHTTPSで通信します。HTTPS 通信をする場合には,信頼できる証明書を登録したトラストストアが必要になります。HTTPS通信をする場合は,次のファイルのプロパティでhttpsを指定または省略します。

Management Serverで負荷分散機を制御する場合
  • lb.propertiesのlb.API.protocol.<負荷分散機の管理IPアドレス>

仮想サーバマネージャで負荷分散機を制御する場合
  • <LB接続情報の識別名>.propertiesのlb.API.protocol
  • tierlb.propertiesのlb.API.protocol

HTTPS通信をする場合には,あらかじめ,次の作業を実施してトラストストアを設定しておいてください。

  1. 負荷分散機からSSLサーバ証明書を取得します。
    取得方法の詳細は,負荷分散機のドキュメントを参照してください。
  2. 運用管理機能が稼働するホストでJDKのkeytoolコマンドを実行して,手順1で取得したSSLサーバ証明書をトラストストアに登録します。
    JDKのkeytoolコマンドの実行例を次に示します。
    <Application Serverのインストールディレクトリ>/jdk/bin/keytool -import -file loadbalancer.cer -alias loadbalancer -keystore C:\work\loadbalancer.keystore -storepass keystore_pass
    JDKのkeytoolコマンドについては,JDKのドキュメントを参照してください。
    注意
    JDKのデフォルトのトラストストア(cacerts)以外に証明書を登録した場合は,lb.propertiesのjavax.net.ssl.trustStoreパラメタにSSLサーバ証明書の絶対パスを指定してください。デフォルトのトラストストア(cacerts)に登録した場合は指定する必要はありません。
    BIG-IPの場合,デフォルトのトラストストア(cacerts)以外は設定できません。
    JDKのデフォルトのトラストストア(cacerts)は,<Application Serverのインストールディレクトリ>/jdk/jre/lib/security下にあります。パスワードの初期値は,「changeit」です。

(4) hostsファイルの設定(BIG-IPの場合)

Management Serverまたは仮想サーバマネージャからBIG-IPを制御する場合,hostsファイルにBIG-IPのホスト名とIPアドレスを登録してください。ただし,BIG-IPへの接続方法にsshプロトコルを使用した直接接続を選択した場合は,hostsファイルへ登録する必要はありません。