Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

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13.5.3 EARファイル/ZIPファイルの展開ディレクトリ形式でのデプロイ

EARファイルや,J2EEサーバからエクスポートしたZIPファイルを,展開ディレクトリ形式でJ2EEサーバにインポートできます。この機能を使用することで,作成済みのEARファイル/ZIPファイルを,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションとして動作させることが容易になります。

<この項の構成>
(1) EARファイル/ZIPファイルの展開
(2) ディレクトリ名の生成規則

(1) EARファイル/ZIPファイルの展開

EARファイル/ZIPファイルの内容を任意のディレクトリに展開して,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションとしてJ2EEサーバにインポートします。EARファイル/ZIPファイルの展開を次の図に示します。

図13-4 EARファイル/ZIPファイルの展開

[図データ]

インポートするときに,コマンドの引数として,EARファイル/ZIPファイルと,アプリケーションディレクトリとなる展開先のディレクトリを指定します。J2EEサーバは,展開先のディレクトリのパス情報をコマンドから受け取り,そのパス情報を基にアプリケーションディレクトリを生成して,アプリケーションディレクトリ下にEARファイル/ZIPファイルの内容を展開します。

(2) ディレクトリ名の生成規則

EARファイル/ZIPファイルを展開ディレクトリ形式としてインポートする場合,ディレクトリ名の衝突が発生することがあります。ディレクトリ名の生成規則は,ディレクトリ名の衝突パターンによって異なります。EARファイル/ZIPファイルを展開する場合の,EJB-JARディレクトリとWARディレクトリのディレクトリ名の生成規則を表に示します。

表13-6 EARファイル/ZIPファイルを展開する場合の,EJB-JARディレクトリとWARディレクトリのディレクトリ名の生成規則

ディレクトリ名の衝突パターン ディレクトリ名の生成規則
application.xmlがあり,EARファイル内のディレクトリと衝突しない。 EJB-JARファイルとWARファイルから拡張子(「.jar」または「.war」)を除いたものが,EJB-JARディレクトリとWARディレクトリの名称になる。
EJB-JARファイルとWARファイルに拡張子がない場合は,ファイル名がそのままディレクトリ名になる。

  • EJB-JARファイルとWARファイルで衝突する。
  • EAR内のディレクトリと衝突する。
EJB-JARファイルとWARファイルの拡張子(「.jar」または「.war」)をそれぞれ「_jar」または「_war」に置き換えたものが,EJB-JARディレクトリとWARディレクトリの名称になる。
「_jar」または「_war」に置き換えても衝突する。 「_jar」または「_war」の後ろに通し番号(1〜2147483647)が付加される。

ディレクトリ名の衝突が発生する場合のEARファイルの構成と,生成されるアプリケーションディレクトリの構成を次の図に示します。

図13-5 ディレクトリ名の衝突の例

[図データ]

注意
cjimportappコマンドの-dオプションを使用してEARファイル/ZIPファイルを展開して作成されたアプリケーションディレクトリが,次に示す条件のどれかに合致する場合,そのアプリケーションディレクトリをcjimportappコマンドの-aオプションでインポートして展開ディレクトリ形式のアプリケーションディレクトリとして使用できません。
  • EJB-JARのモジュール名が「.jar」で終わっていない。
  • WARのモジュール名が「.war」で終わっていない。
  • モジュールの拡張子を除いた名称が,ほかのモジュールの拡張子を除いた名称と重複する。
  • モジュールの拡張子を除いた名称が,EARファイル内のディレクトリと重複する。