Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)

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3.17.2 クラスタコネクションプールの概要

クラスタ化されたコネクションプールのことをクラスタコネクションプールといいます。ここでは,クラスタコネクションプールの構成,およびクラスタコネクションプールで使用できる機能について説明します。

<この項の構成>
(1) クラスタコネクションプールの構成
(2) 前提条件
(3) データベース接続で使用できるJ2EEコンポーネントおよび機能
(4) 使用できるリソース接続とトランザクション管理の機能

(1) クラスタコネクションプールの構成

クラスタコネクションプールは,各データベースノードと接続するメンバリソースアダプタと,それら複数のメンバリソースアダプタを束ねるルートリソースアダプタで構成されています。ルートリソースアダプタとメンバリソースアダプタについて説明します。

コネクションプールをクラスタ化しているときのコネクション取得時の処理の流れを次の図に示します。

図3-63 コネクション取得時の処理の流れ

[図データ]

  1. J2EEアプリケーションは,ルートリソースアダプタに対しコネクション取得要求をする。
  2. ルートリソースアダプタは,メンバコネクションプールを一つ選択し,コネクション取得要求を出す。
  3. メンバコネクションプールからコネクションが選択され,J2EEアプリケーションに返す。

(2) 前提条件

クラスタコネクションプール機能を利用できるデータベースは,Oracle RAC機能を使用している場合だけです。使用できるJDBCドライバは,Oracle JDBC Thin Driverです。

(3) データベース接続で使用できるJ2EEコンポーネントおよび機能

クラスタコネクションプール機能を使用している場合に,データベース接続で使用できるJ2EEコンポーネントおよび機能を次の表に示します。

表3-71 データベース接続で使用できるJ2EEコンポーネントおよび機能(クラスタコネクションプール機能)

項目 Oracle(クラスタコネクションプール機能を使用した場合)
J2EEコンポーネント Servlet/JSP
Stateless Session Bean
Stateful Session Bean
Singleton Session Bean
Entity Bean(BMP)
Entity Bean(CMP1.1) ×
Entity Bean(CMP2.0) ×
Message-driven Bean ×
使用できる機能 コネクションプーリング
コネクションプールのウォーミングアップ
コネクションプールの情報表示(cjlistpoolコマンド)
コネクションプールのクリア
リソースへの接続テスト
コネクションの障害検知
ステートメントプーリング
ステートメントキャンセル  
ステートメントsetQueryTimeoutメソッド  
コネクションIDのPRFトレース出力
障害調査用SQLの出力

(凡例)○:使用できる ×:使用できない

注※ Oracleに接続する場合の注意事項があります。注意事項については,「3.6.6 Oracleと接続する場合の前提条件と注意事項」を参照してください。


注意
リソースアダプタを使用する場合,J2EEアプリケーションからリソースアダプタへのリファレンスを解決しておく必要があります。リソースアダプタを使用しているJ2EEアプリケーションをカスタマイズするときに,J2EEアプリケーションからリソースアダプタへのリファレンスを解決しておいてください。

(4) 使用できるリソース接続とトランザクション管理の機能

ルートリソースアダプタ,およびメンバリソースアダプタで使用できる機能については,「3.3.4 リソースアダプタの機能」を参照してください。