Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)
JSPを実装するときの注意事項を示します。
JSPで<%= %>タグを使用する場合は,その中に「;(セミコロン)」が入らないようにしてください。セミコロンが入っている場合,JSPコンパイルでエラーとなります。
直接JSPファイルのパスをURL指定してアクセスする場合とマッピング定義されたURLでアクセスする場合には,それぞれ別々のインスタンスが生成されます。したがって,jspInitメソッドがそれぞれのインスタンスで実行されることに注意してください。なお,<load-on-startup>タグで起動時にロードされるように指定した場合,起動時にロードされるインスタンスは,マッピング定義されたURLでアクセスするものと同じになります。
JSPページで,pluginアクションまたはJSPドキュメントでの<jsp:plugin>タグのcode属性は必ず指定してください。省略した場合はコンパイルエラーとなります。
JSPドキュメントでは,<jsp:root>タグの属性として,使用するバージョン情報を記述できます。しかし,JSPで使用できる機能範囲は,該当するJSPを含むWebアプリケーションのweb.xmlのバージョン情報に従います。
例えば,<jsp:root version="1.2">と記述しているJSPドキュメントであっても,JSP 2.0仕様で追加されたJSP ELを使用できます。
taglibディレクティブのuri属性で指定するURIは,JSP仕様によって次に示すどれかの方法でマッピングします。同じURIを異なるTLDファイルにマッピングすることはできません。URIが重複した場合は,次に示す番号順を優先順位とし,優先順位の高いマッピングが有効になります。
次に,2.〜4.までのURIとTLDファイルのマッピングする場合のディレクトリ構成とファイルの記述例を示します。
2.の場合のディレクトリ構成とファイルの記述例について説明します。
2.の場合,TLDファイルはWebアプリケーション内に格納されています。2.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。
図6-3 ディレクトリ構成(2.の場合)
このディレクトリ構成の場合のtaglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングを次の図に示します。
図6-4 URIとTLDファイルのマッピング(2.の場合)
図中のデータの対応について説明します。
3.または4の場合のディレクトリ構成とファイルの記述例について説明します。
3.の場合,TLDファイルはWebアプリケーション内に格納されています。3.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。
図6-5 ディレクトリ構成(3.の場合)
4.の場合,TLDファイルはライブラリJARの/META-INFディレクトリ以下に格納されています。4.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。
図6-6 ディレクトリ構成(4.の場合)
3.または4.の場合のディレクトリ構成でのtaglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングを次の図に示します。
図6-7 TLDファイルの<uri>要素で指定したURIと,そのTLDファイル自身のマッピング(3.または4.の場合)
図中のデータの対応について説明します。
URIの重複が検出された場合,次のメッセージがWebアプリケーション単位で出力され,該当するマッピングは無視されます。
表6-22 URI重複時に出力されるメッセージと出力条件
メッセージID | 出力条件 |
---|---|
KDJE39314-W | TLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,web.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。 |
KDJE39315-W | TLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,ほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。 |
KDJE39316-W | web.xmlに指定した<taglib>要素の内容と重複する<taglib-uri>要素を持つほかの<taglib>要素が指定されている場合に出力されます。 |
KDJE39325-W | web.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,Java EE仕様のタグライブラリ(JSTL,JSF)のURIと重複したときに出力されます。 |
KDJE39326-W | ライブラリJAR(cjjspcコマンドの場合は-classpathオプションで指定したJARファイル)に格納されたTLDファイルの<uri>要素の内容が,web.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。 |
JSPで,JSPやサーブレットなどの動的なページをインクルードする場合は,javax.servlet.RequestDispatcherのincludeメソッドを使用しないで,includeアクションを使用してください。
TLDファイル(タグライブラリ・ディスクリプタ)で,DOCTYPE宣言に内部サブセットを記述しないでください。
タグの要素拡張またはタグライブラリの要素拡張でxsi:schemaLocation属性に指定するURIは絶対URIだけ指定できます。タグの要素拡張またはタグライブラリの要素拡張以外の目的で,Java EE仕様で定められたDTD/XMLスキーマ以外を参照しないでください。
DOCTYPE宣言を指定する場合,外部サブセットURIには絶対URIだけ指定できます。また,XML1.0仕様で定義された外部エンティティ参照をする場合,外部エンティティ宣言に指定するURIには絶対URIだけ指定できます。相対URIを指定した外部サブセットおよび外部エンティティは参照できません。
JSPファイルで例外をスローした場合,pageディレクティブのerrorPage属性でエラーページを指定しているとき,例外がjavax.servlet.ServletRequestオブジェクトのjavax.servlet.jsp.jspException属性に設定されるとJSP仕様に記述されていますが,pageディレクティブのerrorPage属性でエラーページを指定しない場合も設定されます。
07-00以降のバージョンでは,JSPトランスレーション時にTLDファイルのバージョン(TLDファイルが対応するJSPのバージョン)をチェックします。そのため,TLDファイルのバージョンが,Webアプリケーションのバージョンに対応しているJSPおよびTLDファイルのバージョンより上位のJSPの場合,JSPトランスレーションでエラーになります。また,JSP 1.2,およびJSP 2.0仕様以降では,TLDファイルにスキーマ言語を定義する必要があります。
TLDファイルのバージョンは,TLDファイルに記述されたスキーマ言語から判定します。ただし,スキーマ言語が定義されていない場合は,Webアプリケーションのバージョンから判定します。
TLDファイルにスキーマ言語を定義していない場合のTLDファイルのバージョンを次の表に示します。
表6-23 スキーマ言語未定義時のTLDファイルのバージョン
Webアプリケーションのバージョン | TLDファイルのバージョン |
---|---|
2.2 | 1.1 |
2.3 | 1.2 |
2.4 | 2.0 |
2.5 | 2.1 |
ここでは,JSPファイル,およびタグファイルで使用できる文字エンコーディングについて説明します。
JSPページで使用できる文字エンコーディングと,文字エンコーディングの指定方法について次に示します。
Servlet 2.4仕様以降に準拠したWebアプリケーション内のJSPドキュメントで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。
注※ XML Processorがサポートしている文字エンコーディングについては,マニュアル「XML Processor ユーザーズガイド」の「1.3.2 処理できる文字コード」を参照してください。
Servlet 2.3仕様に準拠したWebアプリケーション内のJSPドキュメントで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。
標準シンタックスのタグファイルで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。
XMLシンタックスのタグファイルで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法を示します。
注※ XML Processorがサポートしている文字エンコーディングについては,マニュアル「XML Processor ユーザーズガイド」の「1.3.2 処理できる文字コード」を参照してください。
JSPファイル,またはタグファイルに文字エンコーディングを明示的に指定しない場合,デフォルトの文字エンコーディングでJSPを処理します。
なお,この場合も,デフォルトの文字エンコーディングと,タグファイルで使用する文字エンコーディングは,必ず一致するようにしてください。デフォルトの文字エンコーディングについて,ServletおよびJSPの仕様ごとに次の表に示します。
表6-24 デフォルトの文字エンコーディング
仕様 | JSPページ | JSPドキュメント | 標準シンタックスのタグファイル | XMLシンタックスのタグファイル |
---|---|---|---|---|
Servlet 2.2/ JSP1.1 | ISO-8859-1 | ISO-8859-1 | − | − |
Servlet 2.3/ JSP 1.2 | ISO-8859-1 | ISO-8859-1 | − | − |
Servlet 2.4以降/ JSP 2.0,JSP 2.1 | ISO-8859-1 | UTF-8 | ISO-8859-1 | UTF-8 |
(凡例)−:該当しない
デフォルトの文字エンコーディングは,デフォルトの文字エンコーディング設定機能を使用しても設定できます。詳細については,「2.6 デフォルトの文字エンコーディング設定機能」を参照してください。
JSPページでのsetPropertyアクション,またはJSPドキュメントでの<jsp:setProperty>タグのname属性に,不正な値を指定しないでください。<jsp:setProperty>タグのname属性に不正な値を指定した場合の動作は保証されません。
JSPページのディレクティブやアクションのタグ,およびJSPドキュメントの「jsp:」で始まるタグの属性に空文字列を指定しないでください。
JSPのテンプレートテキストの前後にif文などの制御文を含むスクリプトレットを記載する場合は,明示的に"{}"(中括弧)で囲む必要があります。
JSPコンパイルの結果,1行のJSPのテンプレートテキストがJavaファイルでも1行のステートメントとなるとは限りません。複数行のステートメントとして出力される可能性があります。そのため,テンプレートテキストの前後のスクリプトレットでif文などの制御文を明示的に"{}"(中括弧)で囲んでいない場合は,意図しない動作となるおそれがあります。
JSPでスクリプトレットを使用してjavaコードを記述する場合に,スクリプトレットにreturn文またはthrow文を記述するときは,if文などのブロック内に記述するようにしてください。
JSP内に"${aaa"のようにELとして不正な文字列を含む場合,ELを無効に設定しても,EL不正のトランスレーションエラーが発生します。
JSP仕様のバージョンごとに,トランスレーションエラーが発生するEL開始文字を次の表に示します。
表6-25 トランスレーションエラーが発生するEL開始文字
JSP仕様のバージョン | EL開始文字 |
---|---|
JSP2.1 | '$','#' |
JSP2.0 | '$' |
JSP1.2 | なし |
TLDファイルに記述するschemaLocationは,TLDのバージョンに応じて,次の表に示すどちらかの値を指定する必要があります。
TLDのバージョン | schemaLocationに指定する値 |
---|---|
2.0 | "http://java.sun.com/xml/ns/j2ee http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/web-jsptaglibrary_2_0.xsd" |
2.1 | "http://java.sun.com/xml/ns/javaee http://java.sun.com/xml/ns/javaee/web-jsptaglibrary_2_1.xsd" |
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