Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)
Webアプリケーションの最大同時実行スレッド数を動的に変更するための準備と手順を次に示します。
稼働中のWebアプリケーションの稼働状況を確認します。Webアプリケーションの稼働状況は,運用管理コマンド(mngsvrutil)で確認できます。確認した結果,例えば,次のような場合には,最大同時実行スレッド数を変更することを検討してください。
Webアプリケーションの稼働状況を確認するには,mngsvrutilコマンドに,サブコマンド「get」を指定して実行します。
実行形式および実行例を次に示します。なお,mngsvrutilコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザID> -p <管理パスワード> -t <ホスト名> -k host get webApps |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw1 -t host01 -k host get webApps
コマンドの実行結果は,標準出力またはファイルに出力されます。
Webアプリケーションの稼働情報のうち,Webアプリケーションの最大同時実行スレッド数を変更する場合に参考になる情報は,次に示すヘッダ情報の項目で確認できます。なお,N秒とは,運用監視で設定しているサンプリング時間です。
表2-61 Webアプリケーションの最大同時実行スレッド数を変更する場合に参考になる情報
ヘッダ情報 | 内容 |
---|---|
contextRoot | Webアプリケーションのコンテキストルート。 |
exclusiveThreadCountUpperBound | Webアプリケーションの占有スレッド数。 |
activeThreadCountUpperBound | Webアプリケーションの最大同時実行スレッド数。 |
waitingRequestCountUpperBound | Webアプリケーションの実行待ちキューサイズ。 |
currentThreadCountUpperBound | Webアプリケーションの同時実行可能スレッド数の上限値。 |
activeThreadCount | 稼働スレッド数の現在値。 |
activeThreadCountPeak | 稼働スレッド数のN秒ピーク。 |
activeThreadCountAverage | 稼働スレッド数のN秒平均値。 |
activeThreadCountHightWaterMark | 稼働スレッド数の最大値。 |
activeThreadCountLowWaterMark | 稼働スレッド数の最小値。 |
waitingRequestCount | Webアプリケーション単位の実行待ちリクエスト数の現在値。 |
waitingRequestCountPeak | Webアプリケーション単位の実行待ちリクエスト数のN秒ピーク。 |
waitingRequestCountAverage | Webアプリケーション単位の実行待ちリクエスト数のN秒平均値。 |
waitingRequestCountHighWaterMark | Webアプリケーション単位の実行待ちリクエスト数の最大値。 |
waitingRequestCountLowWaterMark | Webアプリケーション単位の実行待ちリクエスト数の最小値。 |
overflowRequestCount | Webアプリケーション単位の実行待ちキューからあふれたリクエスト数。 |
稼働状況を確認したWebアプリケーションの次の項目を,必要に応じて変更します。
これらの項目は,運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して変更できます。ここで設定した値は,Webアプリケーションを停止するまで有効です。
Webアプリケーションの最大同時実行スレッド数を動的に変更するには,mngsvrutilコマンドに,サブコマンド「change」を指定して実行します。
実行形式を次に示します。なお,mngsvrutilコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザID> -p <管理パスワード> -t <ホスト名> -k host change webAppThreadCtrl <Webアプリケーションのコンテキストルート> <最大同時実行スレッド数>,<占有スレッド数>,<Webアプリケーション単位の実行待ちキューサイズ> |
次に,実行例を示します。この例では,次の表に示すように設定を変更します。なお,Webアプリケーションの名称は,「WebAP1」とします。
表2-62 Webアプリケーション(WebAP1)の最大同時実行スレッド数の動的変更の設定例
設定対象 | 設定項目 | 変更前の設定値 | 変更後の設定値 |
---|---|---|---|
Webコンテナ | 最大同時実行スレッド数 | 10 | 10(変更できません) |
Webアプリケーション(WebAP1) | 最大同時実行スレッド数 | 7 | 8 |
占有スレッド数 | 4 | 5 | |
実行待ちキューサイズ | 8 | 10 |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw1 -t host01 -k host change webAppThreadCtrl "WebAP1" 8,5,10
設定内容は,コマンド実行後,すぐに反映されます。
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