Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)

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2.10.4 DDでの定義

ここでは,HTTPレスポンス圧縮機能を使用する場合に必要なDDの定義について説明します。

HTTPレスポンス圧縮機能を有効にするためには,WebアプリケーションのDDに,フィルタ定義およびフィルタマッピング定義を追加する必要があります。HTTPレスポンス圧縮機能は,フィルタマッピング定義によってマッピングされたURLパターンを持つリソースに対してリクエストがあった場合にだけ有効となります。

HTTPレスポンス圧縮機能の定義は,web.xmlに指定します。

DDでのHTTPレスポンス圧縮機能の定義について次の表に示します。

表2-40 DDでのHTTPレスポンス圧縮機能の定義

設定項目 指定するタグ 設定内容
フィルタ定義 <filter>タグ内の<filter-name>タグ 追加するフィルタ名称を指定します。設定値は,固定値です。

設定値(固定値)
com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter
<filter>タグ内の<filter-class>タグ 追加するフィルタのクラス名を指定します。設定値は,固定値です。

設定値(固定値)
com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter
URLパターンとHTTPレスポンス圧縮規則のマッピング <filter-class><init-param>タグ内の<param-name>タグ,<param-value>タグ URLパターンとHTTPレスポンス圧縮機能のマッピングを指定します。
詳細については,「2.10.4(1) URLパターンとHTTPレスポンス圧縮規則のマッピング(url-mapping)」を参照してください。
HTTPレスポンス圧縮規則 HTTPレスポンスの圧縮規則として,圧縮規則名,Media-Typeと圧縮しきい値を指定します。
詳細については,「2.10.4(2) HTTPレスポンス圧縮規則」を参照してください。
フィルタマッピング定義 <filter-mapping>タグ内の<filter-name>タグ フィルタ名称を指定します。設定値は,固定値です。

設定値(固定値)
com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter
<filter-mapping>タグ内の<url-pattern>タグ URLパターンやサーブレットクラスと,HTTPレスポンス圧縮フィルタのマッピングを指定します。HTTPレスポンス圧縮機能は,フィルタマッピング定義によって,マッピングされたURLパターンを持つリソースに対してリクエストがあった場合だけ有効となります。
設定値は,任意です。

次に示すDDの定義例を基に,DDの定義内容を説明します。

     :
<filter>
   <filter-name>com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter</filter-name>
   <filter-class>com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter</filter-class>
   <init-param>
     <param-name>url-mapping</param-name>
     <param-value>
       /*=rule1;
     </param-value>
   </init-param>
   <init-param>
     <param-name>rule1</param-name>
     <param-value>
       *:1000;
     </param-value>
   </init-param>
</filter>
     :
<!-- The filter mappings for Response Compression Filter -->
<filter-mapping>
   <filter-name>com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter</filter-name>
   <url-pattern>/*</url-pattern>
</filter-mapping>

<filter>タグで囲まれた部分がフィルタ定義,<filter-mapping>タグで囲まれた部分がフィルタマッピング定義となります。フィルタ定義の<filter-name>タグおよび<filter-class>タグに指定する値は,次のパッケージ名で固定です。

com.hitachi.software.was.web.ResponseCompressionFilter

次に,DDの<init-param>タグ内に定義する内容を示します。

<この項の構成>
(1) URLパターンとHTTPレスポンス圧縮規則のマッピング(url-mapping)
(2) HTTPレスポンス圧縮規則
(3) 注意事項

(1) URLパターンとHTTPレスポンス圧縮規則のマッピング(url-mapping)

HTTPレスポンス圧縮機能が有効となるURLパターンと,指定したURLパターンに適用するHTTPレスポンス圧縮規則名のマッピングを指定します。

パラメタ指定時の規則およびURLパターンのマッピング規則を示します。

(a) パラメタ指定時の規則
(b) URLパターンのマッピング規則

url-mappingパラメタに定義するURLパターンには,パス一致,拡張子一致,および完全一致のマッピング規則が適用されます。それぞれのマッピング規則を次に示します。

(2) HTTPレスポンス圧縮規則

圧縮するHTTPレスポンスのMedia-Typeと圧縮しきい値を指定します。

Media-Type
HTTPレスポンス圧縮機能では,条件として指定したMedia-TypeがHTTPレスポンスに含まれる場合に,HTTPレスポンスを圧縮します。

圧縮しきい値
圧縮しきい値は,100から2,147,483,647までの整数値で指定します。デフォルトの設定では,すべてのMedia-Typeに対して圧縮しきい値「100」が適用されます。
圧縮しきい値とは,HTTPレスポンスボディのサイズによって,HTTPレスポンスを圧縮するかどうかを判定するためのしきい値です。HTTPレスポンス圧縮機能では,HTTPレスポンスボディのサイズが圧縮しきい値に定義したサイズを超える場合に,HTTPレスポンスを圧縮します。
圧縮しきい値を定義することで,HTTPレスポンスのサイズが小さい場合に,HTTPレスポンスの圧縮に掛かる時間が,通信に掛かる時間よりも大きくならないようにします。
圧縮しきい値は,圧縮するリソースの種別と通信回線の速度によって適切なサイズが決まるので,圧縮しきい値に定義するサイズは実測で求め,適切なサイズを定義することをお勧めします。

パラメタ指定時の規則を示します。

(3) 注意事項

HTTPレスポンス圧縮フィルタの設定時の注意事項を次に示します。