Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)
アプリケーションサーバでは,次に示す機能を使用するためのサーブレットフィルタ(built-inフィルタ)を提供しています。
built-inフィルタの種類を次の表に示します。また,Webアプリケーションにbuilt-inフィルタを組み込むことによって使用できる機能の参照先をあわせて示します。
表2-35 built-inフィルタの種類
built-inフィルタの種類 | 機能の説明 | 参照先マニュアル | 参照個所 |
---|---|---|---|
セッションフェイルオーバ用フィルタ | J2EEアプリケーションで実行中のセッション情報を管理します。J2EEサーバで障害が発生したときに,管理しているセッション情報をほかのJ2EEサーバに引き継ぎます。 | マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」 | 6.2, 6.4 |
HTTPレスポンス圧縮フィルタ | サーブレット,JSP,および静的コンテンツへのHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスをgzip形式に圧縮します。 | このマニュアル | 2.10 |
なお,Servlet 3.0以降では,web.xmlではなくAPIでのフィルタ定義ができますが,built-inフィルタはAPIでのフィルタ定義はできません。
以降で,built-inフィルタのHTTPリクエスト・HTTPレスポンスへの作用,built-inフィルタの動作条件に関する制約について説明します。
built-inフィルタは,クライアント側から送信されるHTTPリクエストのリクエストヘッダ,およびリクエストボディに対して作用して,情報の削除,追加,変更などを実施する場合があります。また,サーバから送信されるHTTPレスポンスのレスポンスヘッダ,およびレスポンスボディに対して同様に作用する場合もあります。built-inフィルタのHTTPリクエストおよびHTTPレスポンスへの作用を次の表に示します。
表2-36 built-inフィルタのHTTPリクエストおよびHTTPレスポンスへの作用
built-inフィルタの種類 | HTTPリクエストへの作用 | HTTPレスポンスへの作用 |
---|---|---|
セッションフェイルオーバ用フィルタ | − | − |
HTTPレスポンス圧縮フィルタ | − | レスポンスボディが圧縮される場合,Content-Encodingヘッダに「gzip」を指定します。また,レスポンスボディをgzip形式で圧縮します。 |
(凡例) −:該当なし
ユーザのフィルタと,built-inフィルタを同時に使用する場合,フィルタ連鎖の中でbuilt-inフィルタが呼び出される順序に制約があります。
built-inフィルタごとに次に示す制約について説明します。
セッションフェイルオーバ用フィルタに対する制約を次の表に示します。
表2-37 セッションフェイルオーバ用フィルタに対する制約
制約の種類 | 説明 |
---|---|
位置に関する制約 | フィルタ連鎖の中で,最初に呼び出される必要があります。すべてのユーザのフィルタおよびbuilt-inフィルタよりも前に配置する必要があります。 |
動作条件に関する制約 | − |
前後に配置するほかのサーブレットフィルタに対する制約 | − |
(凡例) −:該当なし
HTTPレスポンス圧縮フィルタに対する制約を次の表に示します。
表2-38 HTTPレスポンス圧縮フィルタに対する制約
制約の種類 | 説明 |
---|---|
位置に関する制約 | − |
動作条件に関する制約 | − |
前後に配置するほかのサーブレットフィルタに対する制約 | javax.servlet.http.HttpServletResponseクラスのsetHeaderメソッド,addHeaderメソッド,setIntHeaderメソッド,またはaddIntHeaderメソッドを使用して,Content-Lengthヘッダ,またはContent-Encodingヘッダの設定を変更するサーブレットフィルタと同時に使用する場合,そのサーブレットフィルタはHTTPレスポンス圧縮フィルタよりあとに配置する必要があります。 |
(凡例) −:該当なし
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