Cosminexus V9 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド
ここでは,次のアプリケーションサーバの機能を使用するシステムを,Smart Composer機能を使用して,簡易構築定義ファイルで設定するときの注意事項について説明します。
CTMを使用するシステムでは,CTMにリクエストを送信するクライアントの定義が必要です。クライアントとして,Smart Composer機能や運用管理ポータルを使用して構築したWebフロントシステム以外にも,EJBクライアントやユーザが独自に定義するWebフロントシステムが利用できます。
統合ネーミングスケジューラサーバ(グローバルCORBAネーミングサービスを配置したホスト)を使用した,統合ネーミングスケジューラサーバモデルで構築する場合,簡易構築定義ファイルでは,統合ネーミングスケジューラサーバと,アプリケーションサーバを定義する必要があります。統合ネーミングスケジューラサーバとアプリケーションサーバは,それぞれ別のWebシステムで定義します。また,CTMにリクエストを送信するシステムとして,Smart Composer機能で構築するWebフロントシステムを使用する場合は,スケジューリング機能で使用するWebシステムとは別にWebシステムを定義してください。
Webシステムごとに,簡易構築定義ファイルで必要な定義について説明します。
このWebシステムでは,アプリケーションサーバを定義します。
統合ネーミングスケジューラサーバモデルで構築する場合に,このWebシステムが必要になります。このWebシステムでは,統合ネーミングスケジューラサーバ(グローバルCORBAネーミングサービスを配置したマシン)を定義します。
簡易構築定義ファイルでは,次の定義が必要になります。なお,j2ee-tierでは負荷分散機が使用できないため,負荷分散機の定義は削除します。負荷分散機を使用する場合は,運用管理ポータルを使用して構築してください。
簡易構築定義ファイルでは,次の定義が必要になります。なお,メモリセッションフェイルオーバ機能は互換機能です。
各機能を使用する場合に,1ホストに複数のサービスユニットを配置できます。ただし,同じCTMドメインのサービスユニットは,1ホスト内に複数配置できません。1ホスト内に複数のサービスユニットを配置するときの注意事項を次に示します。
1ホストに複数のサービスユニットをすると,同じホスト内に同じ種類の論理サーバが複数存在することになります。このため,簡易構築定義ファイルを作成する際には,各論理サーバのコンフィグレーションで,次に示す項目の指定値を重複しないようにしてください。
表4-41 論理サーバごとに重複しないように設定する項目
論理サーバの種類 | 項目 | param-nameの指定値 |
---|---|---|
Webサーバ | httpポート番号 | Listen |
J2EEサーバ | 管理用サーバのポート番号 | ejbserver.http.port |
ajp13のポート番号 | webserver.connector.ajp13.port | |
httpsのポート番号 | webserver.connector.redirect_https.port | |
インプロセスのネーミングサービス用のポート番号 | ejbserver.naming.port | |
インプロセスのHTTPサーバのポート番号 | webserver.connector.inprocess_http.port | |
JTAリカバリの固定ポート番号 | ejbserver.distributedtx.recovery.port | |
RMIレジストリのポート番号 | ejbserver.rmi.naming.port | |
パフォーマンストレーサ | PRF識別子 | PRFID |
SFOサーバ | 管理用サーバのポート番号 | ejbserver.http.port |
ajp13のポート番号 | webserver.connector.ajp13.port | |
インプロセスのネーミングサービス用のポート番号 | ejbserver.naming.port | |
RMIレジストリのポート番号 | ejbserver.rmi.naming.port | |
スマートエージェント | スマートエージェントが監視するポート番号 | smartagent.port |
CTMドメインマネジャ | CTMドメインマネジャが属するCTMドメイン名 | ctmdomname |
CTM実行環境ディレクトリ | ctmspool | |
CTMドメインマネジャがCTMドメイン構成情報を交換するために使用するポート番号 | cdm.port | |
CTM | CTMの識別子 | ctmid※ |
CTMが使用するポート番号 | ctm.port | |
CTMと対となるネーミングサービスのポート番号 | ctm.ns.port |
注※ ctmidの設定は省略できます。省略時は,ホスト間で一意になるようにManagement Serverで自動的に設定されます。
ホストに配置するサービスユニットが属するWebシステムによって,これらの設定項目をどの定義のコンフィグレーションで指定するかが異なります。
サーバマシン内に複数のサービスユニットを配置する場合に,Webサーバのポート番号を変更するときは,次に示す制限事項があります。なお,複数のサービスユニットが,同一のWebシステム内にある場合も,異なるWebシステムにある場合も,この制限事項の対象となります。
1台のサーバマシン内で,複数のサービスユニットを同時に起動しない運用をする場合は,各サービスユニットのWebサーバに同じポート番号を設定できます。
この場合は,次のどちらかの手順で変更してください。
ここでは,サービスユニット1(unit1)のWebサーバでポート番号に80,サービスユニット2(unit2)のWebサーバでポート番号に81を設定している場合を例に説明します。ポート番号の設定変更の方法と変更可否を次の表に示します。
表4-42 ポート番号の変更方法と変更可否
ポート番号の変更方法 | 論理サーバのパラメタ変更用の構成変更定義ファイルの設定方法 | 変更後のWebサーバのポート番号 | 変更可否 | |
---|---|---|---|---|
unit1 | unit2 | |||
各サービスユニットのWebサーバのポート番号を同じ番号へ変更 | サービスユニット1のWebサーバにポート番号81を設定します。 | 81 | 81 | ○ |
サービスユニット2のWebサーバにポート番号80を設定します。 | 80 | 80 | ○ | |
各サービスユニットのWebサーバのポート番号の入れ替え | サービスユニット1のWebサーバにポート番号81を,サービスユニット2のWebサーバにポート番号80を設定します。 | 81 | 80 | × |
一方のサービスユニットのWebサーバを他方で設定済みのポート番号に変更して,他方のサービスユニットのWebサーバを未使用のポート番号(82とする)へ変更 | サービスユニット1のWebサーバにポート番号81を,サービスユニット2のWebサーバにポート番号82を設定します。 | 81 | 82 | × |
サービスユニット1のWebサーバにポート番号82を,サービスユニット2のWebサーバにポート番号80を設定します。 | 82 | 80 | × | |
一方のサービスユニットのWebサーバを未使用のポート番号(82とする)へ変更 | サービスユニット1のWebサーバにポート番号82を設定します。 | 82 | 81 | ○ |
サービスユニット2のWebサーバにポート番号82を設定します。 | 80 | 82 | ○ |
(凡例)○:変更できます。 ×:変更できません。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2012, 2015, Hitachi, Ltd.