Cosminexus V9 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド

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4.7.6 負荷分散機を制御するときの注意事項

システムを一括構築するときの注意事項(負荷分散機制御をする場合)

Smart Composer機能では,負荷分散機の基本的な情報(仮想サーバや実サーバの定義,仮想サーバポートと実サーバポートとのバインドなど)だけ設定します。この設定を基にシステム構築時に負荷分散機に仮想サーバや実サーバを作成します。特定のネットワーク構成をサポートするためなどの設定はシステムの一括構築後,手動で設定してください。

Smart Composer機能が実行する負荷分散機のCLIコマンドおよびAPIについては,「付録K Smart Composer機能が実行する負荷分散機のCLIコマンドまたはAPI」を参照してください。

負荷分散機を共有するときの注意事項

異なるWebシステム間で1台の負荷分散機を共有する場合は,それぞれのWebシステムで使用する負荷分散機の仮想サーバを分ける必要があります。

簡易構築定義ファイルでは,次の定義で注意が必要です。

また,ACOSの場合は,次の1.または2.の条件を満たす構成のとき,自動的にポート変換する設定(オートトランスレーション機能の使用)が必要です。

  1. 仮想サーバまたは実サーバに設定したポート番号が1023より大きいとき(well-knownでないとき)
  2. 実サーバのポート番号とそれに対応する仮想サーバのポート番号が異なるとき
    (例)仮想サーバのポート番号は80だが,振り分け先のポート番号は8081にしたいとき

オートトランスレーション機能の設定は,あらかじめ負荷分散機に対して実施しておいてください。設定の詳細については,ACOSのドキュメントを参照してください。

負荷分散機を冗長化するときの注意事項

負荷分散機を冗長化する場合は,それぞれの負荷分散機への接続の設定をする必要があります。lb.propertiesには,2台分の負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を設定します。この場合,それぞれの負荷分散機の接続方式(lb.connect_type)には,同じ値を設定してください。

telnetを使用した直接接続を使用する負荷分散機(AX2000,BS320)を冗長化する場合のlb.propertiesの設定例を次に示します。ここでは,負荷分散機LB1とLB2を配置した場合で,LB1の管理IPアドレスを「192.168.1.100」,LB2の管理IPアドレスを「192.168.1.101」として説明します。

lb.list=192.168.1.100,192.168.1.101
 
#冗長構成の負荷分散機LB1の設定
lb.enable_passwd.192.168.1.100=adminpw
lb.connect_type.192.168.1.100=telnet
lb.telnet.user.192.168.1.100=user01
lb.telnet.passwd.192.168.1.100=user01pw
lb.telnet.user_prompt.192.168.1.100="AX login: "
lb.telnet.passwd_prompt.192.168.1.100="Password: "
lb.telnet.login_prompt.192.168.1.100=>
 
#冗長構成の負荷分散機LB2の設定
lb.enable_passwd.192.168.1.101=adminpw
lb.connect_type.192.168.1.101=telnet
lb.telnet.user.192.168.1.101=user01
lb.telnet.passwd.192.168.1.101=user01pw
lb.telnet.user_prompt.192.168.1.101="AX login: "
lb.telnet.passwd_prompt.192.168.1.101="Password: "
lb.telnet.login_prompt.192.168.1.101=>
 

注 太字の部分は同じ値を設定してください。


参考
冗長化した負荷分散機を複数のWebシステムで共有する場合は,各Webシステムの負荷分散機の定義で,<management-host>タグおよび<redundant-management-host>タグに同じIPアドレスを設定してください。