Cosminexus ビジネスプロセス管理/エンタープライズサービスバス V8 サービスプラットフォーム 開発ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

付録G.8 障害情報の取得(カスタム受付)

カスタム受付の運用時に障害が発生すると,障害対策に必要な次の情報が出力されます。

ここでは,ログおよび各種トレースの取得方法について説明します。

<この項の構成>
(1) メッセージログ(カスタム受付)
(2) リクエストトレース(カスタム受付)
(3) 性能解析トレース(カスタム受付)
(4) ユーザ電文トレース(カスタム受付)
(5) 実行履歴(カスタム受付)

(1) メッセージログ(カスタム受付)

メッセージログは,次に示すログに出力されます。

メッセージログの取得方法および出力先については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.1 メッセージログ」に関する内容を参照してください。また,詳細は,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム メッセージ」の「2. メッセージ一覧」を参照してください。

(2) リクエストトレース(カスタム受付)

リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。

(a) リクエストトレースの取得ポイント

リクエストトレースの取得ポイントを次の図に示します。

図G-11 リクエストトレースの取得ポイント

[図データ]

詳細位置,およびトレース取得ポイントを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表G-5 リクエストトレースの取得ポイント

図中の番号 詳細位置 トレース取得ポイント
1 IN カスタム受付フレームワークの入口
2 OUT カスタム受付フレームワークの出口
(b) リクエストトレースの出力形式と出力内容

出力形式
リクエストトレースの出力形式については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.2 リクエストトレース」を参照してください。

出力内容
リクエストトレースに出力される内容を次の表に示します。

表G-6 リクエストトレースに出力される内容

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が出力されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻で出力されます。
製品ID 製品を識別するためのIDが出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
サービスリクエストID リクエスト識別情報(子ID)が出力されます。
取得ポイント識別情報 取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • URCP:ユーザ定義受付
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。
  • CUSTM:カスタム受付
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
名称
アダプタ種別
結果 応答結果種別が出力されます。ただし,詳細位置がINの場合は,出力されません。
  • NORMAL:正常終了
  • ERROR:異常終了
付加情報 応答結果の付加情報が出力されます。
  • 受付名
  • 受付ID
  • クライアント相関ID
  • サービス名
  • サービスオペレーション名
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(凡例)−:何も出力されません。


(c) リクエストトレースの取得方法と出力先

リクエストトレースの取得方法と出力先については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.2 リクエストトレース」を参照してください。

(3) 性能解析トレース(カスタム受付)

性能解析トレース(PRFトレース)は,Cosminexusシステムの性能解析をするためのトレース情報で,それをCSV形式で編集出力したテキストファイルが性能解析トレースファイルです。性能解析トレースは,J2EEアプリケーションを含めた,システム全体の性能ボトルネックを解析するための情報が出力されます。システムの性能ネックや性能トラブルシュートに使用します。性能解析トレース機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「6. 性能解析トレースを使用したシステムの性能解析」を参照してください。

(a) 性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図G-12 性能解析トレースの取得ポイント

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表G-7 性能解析トレースの取得ポイント

イベントID 図中の番号 トレース取得ポイント レベル
0x9860 1 カスタム受付フレームワークの入口 A
0x9861 2 カスタム受付フレームワークの出口 A
0x9862 3 データ変換(要求電文)の呼び出し口 B
0x9863 4 データ変換(要求電文)の応答受信口 B
0x9864 5 HCSCメッセージ配送制御の呼び出し口 A
0x9865 6 HCSCメッセージ配送制御の応答受信口 A
0x9866 7 データ変換(応答電文)の呼び出し口 B
0x9867 8 データ変換(応答電文)の応答受信口 B

(凡例)
A:標準
B:詳細

(b) 性能解析トレースの出力形式と出力内容

出力形式
性能解析トレースファイルに出力される形式は,Cosminexusの性能解析トレースと同様です。性能解析トレースファイルの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「6.3 性能解析トレースファイル」を参照してください。

出力内容
性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表G-8 性能解析トレースファイルに出力される内容

項目 内容
イベントID 取得ポイントのイベントIDが出力されます。
リターンコード 取得ポイント種別が出力されます。
  • 0:正常終了
  • 1:異常終了
インターフェース名 クラス名が出力されます。
パッケージ名は表示されません。
オペレーション名 メソッド名が出力されます。
オプション情報 次のオプション情報が出力されます。
  • リクエスト識別情報(親ID)
  • リクエスト識別情報(子ID)
  • 受付名
  • 受付ID
  • クライアント相関ID
  • サービス名
  • サービスオペレーション名
  • 例外クラス名(異常終了時だけ)
(c) 性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースファイルの取得方法および出力先は,Cosminexus全体で共通です。性能解析トレースファイルの取得方法および出力先については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「6.3 性能解析トレースファイル」を参照してください。

(4) ユーザ電文トレース(カスタム受付)

ユーザ電文トレースは,電文の状態を確認するために使用します。

(a) ユーザ電文トレースの取得ポイント

ユーザ電文トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図G-13 ユーザ電文トレースの取得ポイント

[図データ]

詳細位置,およびトレース取得ポイントを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表G-9 ユーザ電文トレースの取得ポイント

図中の番号 詳細位置 トレース取得ポイント
1 IN カスタム受付フレームワークの入口
2 OUT カスタム受付フレームワークの出口
3 RQA データ変換(要求電文)の応答口
4 RSB データ変換(応答電文)の呼び出し口

注※ データ変換をする場合だけトレースを取得します。


(b) ユーザ電文トレースの出力形式と出力内容

出力形式
ユーザ電文トレースの出力形式については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.4 ユーザ電文トレース」を参照してください。

出力内容
ユーザ電文トレースに出力される内容を次の表に示します。

表G-10 ユーザ電文トレースに出力される内容(トレース開始)

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が出力されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻で出力されます。
製品ID 製品を識別するためのIDが出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID
電文トレース開始取得ポイント識別情報 電文トレース開始 ユーザ電文トレース開始を示す文字列「telegramtrace started」が出力されます。
取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • URCP:ユーザ定義受付
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。
  • CUSTM:カスタム受付
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • RQA:カスタム受付での要求時のデータ変換後
  • RSB:カスタム受付での応答時のデータ変換前
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
付加情報 次の付加情報が出力されます。
  • リクエスト識別情報(子ID)
  • 受付名
  • 受付ID
  • クライアント相関ID
  • サービス名
  • サービスオペレーション名
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(凡例)−:何も出力されません。


 

表G-11 ユーザ電文トレースに出力される内容(トレースデータ)

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が出力されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻で出力されます。
製品ID 製品を識別するためのIDが出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID
電文トレースデータ情報 出力位置 ユーザ電文の先頭からのオフセット値(16進数形式)が出力されます。
データ
(16進数形式)
ユーザ電文の内容(16進数形式)が出力されます。
データ
(ASCII形式)
ユーザ電文の内容(ASCII形式)が出力されます。
0x20〜0x7Eの範囲の場合にASCII文字が出力されます。
範囲外の場合は,ピリオド(.)が出力されます。
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(凡例)−:何も出力されません。


 

表G-12 ユーザ電文トレースに出力される内容(トレース終了)

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が出力されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻で出力されます。
製品ID 製品を識別するためのIDが出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID
電文トレース終了取得ポイント識別情報 電文トレース終了 ユーザ電文トレース終了を示す文字列「telegramtrace ended」が出力されます。
取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • URCP:ユーザ定義受付
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。
  • CUSTM:カスタム受付
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • RQA:カスタム受付での要求時のデータ変換後
  • RSB:カスタム受付での応答時のデータ変換前
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
付加情報 ユーザ電文の長さ(10進数形式)が出力されます。ユーザ電文がない場合は「null」が出力されます。
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(凡例)−:何も出力されません。


(c) ユーザ電文トレースの取得方法と出力先

ユーザ電文トレースの取得方法と出力先については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.4 ユーザ電文トレース」を参照してください。

(5) 実行履歴(カスタム受付)

ここでは,カスタム受付の運用時に出力される実行履歴の取得について説明します。

(a) 実行履歴の取得ポイント

実行履歴の取得ポイントを,次の図に示します。

図G-14 実行履歴の取得ポイント

[図データ]

実行履歴採取方向,および実行履歴取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表G-13 実行履歴の取得ポイント

図中の番号 実行履歴取得ポイント 実行履歴の採取方向
カスタム受付フレームワークの出口(正常応答) Service Response Direction
カスタム受付フレームワークの出口(異常応答) Service Error
(b) 実行履歴の出力形式と出力内容

出力形式
実行履歴の出力形式については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「6. 実行履歴の管理」を参照してください。

出力内容
実行履歴の表示項目を次の表に示します。

表G-14 実行履歴の表示項目

表示項目 説明
EntryCount エントリ番号を示します。
TimeStamp 実行履歴採取時刻を示します。
java.text.SimpleDateFormatで定義されているフォーマットに,YYYY/MM/DD hh:mm:ss.SSSの形式で表示されます。
  • YYYY:西暦
  • MM:月
  • DD:日
  • hh:時
  • mm:分
  • ss:秒
  • SSS:ミリ秒
HCSCServerName 受付HCSCサーバ名を示します。
ClusterName サービス部品を呼び出したHCSCサーバのクラスタ名を示します。
HistoryDirection 実行履歴採取方向を示します。次のどちらかが表示されます。
  • Service Response Direction:応答方向
  • Service Error:サービス部品呼び出しエラー
HCSCCommonID メッセージ共通IDを示します。
ServiceRequestID サービスリクエストIDを示します。
ClientID クライアント相関IDを示します。
JMSMessageID JMSメッセージIDを示します。「null」が表示されます。
JMSCorrelationID JMS相関識別子を示します。「null」が表示されます。
RequestType サービスリクエスタ種別を示します。「ClientProgram」が表示されます。
RequestProtocolKind リクエストのプロトコル種別を示します。「Custom」が表示されます。
RequestServiceName ビジネスプロセスのサービス名を示します。
ServiceName 呼び出し先のサービス名を示します。次の内容が表示されます。
  • ビジネスプロセスのサービス名
ServiceKind サービス部品の種別を示します。次の内容が表示されます。
  • BusinessProcess:ビジネスプロセス
AdapterName ビジネスプロセスのサービスIDを示します。
ServiceProtocolKind サービスアダプタの種類を示します。「null」が表示されます。
ServiceOperationName サービス部品のオペレーション名を示します。
ConnectProtocolKind 連携プロトコル種別を示します。「null」が表示されます。
RequestUserTelegramType ユーザ電文の種別を示します。次のどれかが表示されます。
  • XML:XML電文
  • BINARY:バイナリ電文
  • ANY:ANY電文
要求時のデータ変換を行った場合,データ変換後の電文種別が表示されます。
ResponseUserTelegramType ユーザへの応答電文の種別を示します。次のどれかが表示されます。
  • XML:XML電文
  • BINARY:バイナリ電文
  • ANY:ANY電文
BPActivity ビジネスプロセス用アクティビティ番号を示します。ビジネスプロセスのアクティビティインスタンスを識別するための番号です。「-1」が表示されます。
BPProcessID ビジネスプロセス用プロセスIDを示します。「null」が表示されます。
BPRequestType ビジネスプロセス用要求タイプを示します。「null」が表示されます。
ReplyToQueueName 応答用のキュー名を示します。「null」が表示されます。
RouteHistory 経路履歴情報を示します。HCSCサーバ名またはサービスアダプタのサービスIDが「->」でつなげた文字列で表示されます。
ErrorCode エラー情報を示します。HistoryDirectionがService Errorの場合,次の理由のどれかとエラーコードが表示されます。
  • HCSCサーバ内で検出したエラーのエラー理由
  • ビジネスプロセス基盤でのロールバック発生理由
  • 電文の二重配信理由
HistoryDirectionがService Response Directionの場合,「null」が表示されます。
Version 実行履歴情報コンテナのバージョン番号を示します。
Revision 実行履歴情報コンテナのリビジョン番号を示します。
UserTelegram ユーザ電文を示します。ユーザ電文がない,またはHistoryDirectionがService Errorの場合,「null」が表示されます。
(c) 実行履歴の取得方法と出力先

実行履歴の取得方法と出力先については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「6. 実行履歴の管理」を参照してください。