Cosminexus ビジネスプロセス管理/エンタープライズサービスバス V8 サービスプラットフォーム 開発ガイド
FTPインバウンドアダプタをセットアップするには,HCSCサーバが起動している必要があります。
HCSCサーバの状態の確認方法については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「5.2.15 HCSCサーバの情報を確認する」を参照してください。
FTPインバウンドアダプタのセットアップの流れを次に示します。
図21-2 FTPインバウンドアダプタのセットアップの流れ
FTPインバウンドアダプタをインポートする場合の実行形式を次に示します。
<Cosminexusインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjimportres <J2EEサーバ名> -type rar -f "<Cosminexusインストールディレクトリ>\CSC\inbound-adapter\ftp\rar\ftp_inbound_adapter.rar" |
cjimportresコマンドの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。
FTPインバウンドアダプタをデプロイする場合の実行形式を次に示します。
<Cosminexusインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjdeployrar <J2EEサーバ名> -resname FTP_Inbound_Resource_Adapter |
cjdeployrarコマンドの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。
FTPインバウンドアダプタを設定する手順,およびプロパティファイルの内容を次に示します。
<Cosminexusインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjgetrarprop <J2EEサーバ名> -resname FTP_Inbound_Resource_Adapter -c <属性ファイルのファイルパス> |
<Cosminexusインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjsetrarprop <J2EEサーバ名> -resname FTP_Inbound_Resource_Adapter -c <属性ファイルのファイルパス> |
cjsetrarpropコマンドの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。
<hitachi-connector-property> <resourceadapter> <config-property> <config-property-name> :定義の名称 <config-property-type> :定義の型 <config-property-value> :定義の値 </config-property> <config-property> <config-property-name> :定義の名称 <config-property-type> :定義の型 <config-property-value> :定義の値 </config-property> : (以降,定義の数分,繰り返される) : |
図21-3 属性ファイルの内容および定義の設定個所
表21-1 属性ファイルの定義項目一覧(転送制御に関する設定)
定義項目 | 定義名 | 値の範囲 | デフォルト値 | 補足 |
---|---|---|---|---|
最大同時接続数 | server_maxLogins | 1〜1024 | 10 | − |
文字セットUTF-8の使用 | server_charset_UTF8 | ONまたはOFF | ON | ONを指定した場合は,文字コードにUTF-8を使用します。 OFFを指定した場合は,文字コードにMS932を使用します。 なお,FTPコマンドで文字セットを指定した場合は,その設定が有効になります。 |
ローカルIPアドレス | nioListener_localAddress | 0.0.0.0〜255.255.255.255 | All available (すべてのIPアドレスで要求を受け付けます。) |
IPv4のIPアドレスだけ指定できます。 IPv6はサポート対象外です。 |
ポート番号 | nioListener_port | 1〜65535 | 21 | − |
データコネクション確立時のローカルIPアドレス | nioListener_dataConnection_active_localAddress | 0.0.0.0〜255.255.255.255 | Any available (どれかのIPアドレスが設定されます。) |
IPv4のIPアドレスだけ指定できます。 IPv6はサポート対象外です。 |
データコネクション確立時のポート番号 | nioListener_dataConnection_active_localPort | 1〜65535 | Any available (空いているポート番号が割り当てられます。) |
すでに使用されているポート番号は指定しないでください。指定した場合はデータコネクションの確立に失敗します。 |
Listenバックログ数 | nioListener_listenBacklog | 1〜2147483647 | 50 | − |
データコネクションのバッファサイズ | nioListener_dataConnection_socketBufferSize | 1〜65536 | 16384 | (単位:バイト) |
表21-2 属性ファイルの定義項目一覧(タイムアウトに関する設定)
定義項目 | 定義名 | 値の範囲 | デフォルト値 | 補足 |
---|---|---|---|---|
アイドルタイムアウト | nioListener_idleTimeout | 0〜7200 | 300 | 0を指定した場合はタイムアウト監視をしません。 (単位:秒) |
データコネクション接続のリトライ回数 | nioListener_dataConnection_active_connectRetryCount | 0〜50 | 5 | 0を指定した場合はリトライしません。 |
データコネクション接続のリトライ間隔 | nioListener_dataConnection_active_connectRetryInterval | 0〜1800 | 10 | 0を指定した場合はタイムアウト監視をしません。 (単位:秒) |
データ送信およびデータ受信のタイムアウト | nioListener_dataConnection_idleTimeout | 0〜1800 | 10 | 0を指定した場合はタイムアウト監視をしません。 (単位:秒) |
表21-3 属性ファイルの定義項目一覧(FTPSに関する設定)
定義項目 | 定義名 | 値の範囲 | デフォルト値 | 補足 |
---|---|---|---|---|
FTPS有効化 | server_ftps_enable | trueまたはfalse | false | trueを指定した場合は,FTPSに関する設定が有効になります。 falseを指定した場合は,FTPSに関する設定がすべて無視されます。 |
制御コネクションのImplicitモード | nioListener_ftps_implicitMode | trueまたはfalse | false | trueを指定した場合は,Implicitモードで動作します。 falseを指定した場合は,Explicitモードで動作します。 |
キーストアのファイルパス※ | nioListener_ftps_keystore_file | 任意の文字列 | 空文字列 | 絶対パスで記述してください。 |
キーストアのパスワード | nioListener_ftps_keystore_password | 6文字以上の任意の文字列 | 空文字列 | − |
キーのパスワード | nioListener_ftps_keystore_keyPassword | 6文字以上の任意の文字列 | 空文字列 | この項目を指定しなかった場合は,キーストアのパスワードをキーのパスワードと見なします。 |
キーのエイリアス | nioListener_ftps_keystore_keyAlias | 任意の文字列 | 空文字列 | この項目を指定しなかった場合は,キーストアに含まれる最初のキー(キー証明書のフィンガープリントのバイト列を昇順にしたときの最初のキー)を利用します。 |
データコネクションの暗号化 | nioListener_ftps_dataConnection_secure | trueまたはfalse | true | PROTコマンドを指定していない場合,この項目の指定が有効になります。PROTコマンドが成功した場合は,その指定が有効になります。 trueを指定した場合は,データコネクションを暗号化します。 falseを指定した場合は,暗号化しません。 |
(凡例)−:特にありません。
表21-4 属性ファイルの定義項目一覧(ログ出力に関する設定)
分類 | 定義項目 | 定義名 | 値の範囲 | デフォルト値 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
メッセージログ | 出力レベル | server_message_logLevel | debug,またはinfo | info | info: 通常の運用時に使用し,運用時に必要な情報を出力します。 debug: テストや障害が発生した場合の調査時に使用し,infoの情報に加えて,デバッグ用の情報を出力します。 |
ログファイル1面当たりのファイルサイズ | server_message_maxFileSize | 1MB〜2048MB | 10MB | 単位の文字列も指定してください。 (単位:MB) |
|
ログファイルのバックアップファイルの面数 | server_message_maxBackupIndex | 1〜16 | 4 | − | |
保守ログ | ログ出力レベル | server_maintenance_logLevel | debug,またはinfo | info | 「info」および「debug」の意味は,メッセージログの「ログ出力レベル」と同じです。 |
ログファイル1面当たりのファイルサイズ | server_maintenance_maxFileSize | 1MB〜2048MB | 5MB | 単位の文字列も指定してください。 (単位:MB) |
|
ログファイルのバックアップファイルの面数 | server_maintenance_maxBackupIndex | 1〜16 | 4 | − | |
プロトコルトレースログ | ログ出力レベル | server_protocol_logLevel | debug,またはinfo | info | 「info」および「debug」の意味は,メッセージログの「ログ出力レベル」と同じです。 |
ログファイル1面当たりのファイルサイズ | server_protocol_maxFileSize | 1MB〜2048MB | 20MB | 単位の文字列も指定してください。 (単位:MB) |
|
ログファイルのバックアップファイルの面数 | server_protocol_maxBackupIndex | 1〜16 | 4 | − | |
転送履歴ログ | ログ出力レベル | server_history_logLevel | debug,またはinfo | info | 「info」および「debug」の意味は,メッセージログの「ログ出力レベル」と同じです。 |
ログファイル1面当たりのファイルサイズ | server_history_maxFileSize | 1MB〜2048MB | 12MB | 単位の文字列も指定してください。 (単位:MB) |
|
ログファイルのバックアップファイルの面数 | server_history_maxBackupIndex | 1 | 1 | − | |
リソースアダプタ間共通ログ | ログ出力レベル | server_common_logLevel | debug,またはinfo | info | 「info」および「debug」の意味は,メッセージログの「ログ出力レベル」と同じです。 |
ログファイル1面当たりのファイルサイズ | server_common_maxFileSize | 1MB〜2048MB | 5MB | 単位の文字列も指定してください。 (単位:MB) |
|
ログファイルのバックアップファイルの面数 | server_common_maxBackupIndex | 1〜16 | 4 | − |
ユーザ情報は,FTPインバウンドアダプタによって,ファイルとして管理されます。認証情報のファイルは,管理者権限を持っている管理者が運用コマンドを実行することによって,登録,更新,削除,および表示できます。
認証情報の運用コマンドを次の表に示します。
表21-5 認証情報の運用コマンド
運用コマンド | 内容 |
---|---|
csmftpaddusr(FTPインバウンドアダプタのユーザの登録・更新コマンド) | ユーザを新規に登録します。また,すでに登録されているユーザのパスワードを更新します。 |
csmftpdelusr(FTPインバウンドアダプタのユーザの削除コマンド) | 登録されているユーザの認証情報を削除します。 |
csmftplsusr(FTPインバウンドアダプタのユーザの表示コマンド) | 登録されているユーザの認証情報を表示します。 |
運用コマンドの詳細は,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「4. コマンド(運用環境・実行環境)」の説明を参照してください。
運用コマンドを実行するときの注意事項を次に示します。
運用コマンドの実行形式を次に示します。
csmftpaddusr -usr <ユーザ名> -pass <ユーザのパスワード> |
csmftpdelusr -usr <ユーザ名> |
csmftplsusr |
認証情報にアクセス制限をするには,運用者が運用開始前に,認証情報のファイルに対して,運用コマンドを実行する管理者だけに更新・参照のアクセス権を設定する必要があります。
なお,管理者にアクセス権を設定すると,認証情報のファイルの所有者は管理者となります。
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