Cosminexus アプリケーションサーバ V8 Webサービス開発の手引
性能解析トレースとは,性能解析や障害を調査するためのトレース情報を指します。性能解析トレースを参照することで,システムの性能ボトルネックや,障害が発生した場合の,リクエスト処理の到達度合いを解析できます。
Cosminexusシステムが提供する性能解析トレースについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「4.6 性能解析トレース」を参照してください。
CosminexusのJAX-WS機能で使用できる性能解析トレースの取得レベルを次の表に示します。
表B-13 性能解析トレースの取得レベル一覧
| 項番 | 取得レベル | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 標準レベル (デフォルト) |
CosminexusのJAX-WS機能とその他の機能との境界(入口と出口)が識別できるトレース情報が出力されます。 |
| 2 | 詳細レベル | 標準レベルの出力内容に加えて,CosminexusのJAX-WS機能の内部処理のトレース情報が出力されます。 |
| 3 | 保守レベル | 障害発生時などに保守情報を取得するためのレベルで,通常は使用しません。 |
CosminexusのJAX-WS機能で出力する性能解析トレースのトレース出力情報を次の表に示します。
表B-14 性能解析トレースのトレース出力情報
| 項番 | ファイル項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | イベントID | トレース取得ポイントのイベントIDです。 |
| 2 | クライアントAP情報 | ルートAP情報の有効範囲内のWebサービスクライアント,Webサービス間で一意の情報です。ただし,WS-RM 1.2機能の場合,一意ではありません。オプション情報を参照してください。 |
| 3 | ルートAP情報 | 一連のリクエストに対する処理で,一意の情報です。ただし,WS-RM 1.2機能の場合,一意ではありません。オプション情報を参照してください。 |
| 4 | リターンコード | トレース取得ポイントの種別(正常終了または異常終了)です。 |
| 5 | インタフェース名 | トレース取得ポイントのクラス名です。 |
| 6 | オペレーション名 | トレース取得ポイントのメソッド名です。 |
| 7 | オプション情報 | オプション情報です。 |
ここでは,クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲,およびトレース取得ポイントについて説明します。
WS-RM 1.1機能でシーケンスライフサイクルメッセージを送受信するときに出力される性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。
図B-6 シーケンスライフサイクルメッセージ送受信時のトレース取得ポイント
各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。
表B-15 トレース取得ポイントと出力される情報(WS-RM 1.1機能のライフサイクルメッセージ)
| 項番 | 取得レベル | 取得ポイント | 出力情報 (イベントID) |
|---|---|---|---|
| 1 | 標準レベル | Webサービスクライアントによるシーケンス生成API呼び出し時 | 0xA4D0 |
| WebサービスクライアントによるシーケンスクローズAPI呼び出し時 | 0xA4D1 | ||
| Webサービスクライアントによるシーケンス終了API呼び出し時 | 0xA4D2 | ||
| 2 | RMSハンドラがSEIへメッセージを送信する直前 | 0xA4D3 | |
| 3 | SEIのシーケンス生成処理開始時 | 0xA4D4 | |
| SEIのシーケンスクローズ処理開始時 | 0xA4D5 | ||
| SEIのシーケンス終了処理開始時 | 0xA4D6 | ||
| 4 | SEIのシーケンス生成処理終了時 | 0xA4D7 | |
| SEIのシーケンスクローズ処理終了時 | 0xA4D8 | ||
| SEIのシーケンス終了処理終了時 | 0xA4D9 | ||
| 5 | RMSハンドラがSEIからメッセージを受信した直後 | 0xA4DA | |
| 6 | シーケンス生成API呼び出し終了時 | 0xA4DB | |
| シーケンスクローズAPI呼び出し終了時 | 0xA4DC | ||
| シーケンス終了API呼び出し終了時 | 0xA4DD | ||
| 7 | 詳細レベル | RMSハンドラのシーケンス生成処理開始時 | 0xA4DE |
| RMSハンドラのシーケンスクローズ処理開始時 | 0xA4DF | ||
| RMSハンドラのシーケンス終了処理開始時 | 0xA4E0 | ||
| 8 | シーケンス情報生成処理開始時 | 0xA4E1 | |
| シーケンス情報更新処理開始時 | 0xA4E2 | ||
| シーケンス情報削除処理開始時 | 0xA4E3 | ||
| シーケンス情報読み込み処理開始時 | 0xA4EA | ||
| 9 | シーケンス情報生成処理終了時 | 0xA4E4 | |
| シーケンス情報更新処理終了時 | 0xA4E5 | ||
| シーケンス情報削除処理終了時 | 0xA4E6 | ||
| シーケンス情報読み込み処理終了時 | 0xA4EB | ||
| 10 | RMSハンドラのシーケンス生成処理終了時 | 0xA4E7 | |
| RMSハンドラのシーケンスクローズ処理終了時 | 0xA4E8 | ||
| RMSハンドラのシーケンス終了処理終了時 | 0xA4E9 |
WS-RM 1.1機能のシーケンスメッセージの性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。
図B-7 シーケンスメッセージのトレース取得ポイント
各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。
表B-16 トレース取得ポイントと出力される情報(WS-RM 1.1機能のシーケンスメッセージ)
| 項番 | 取得レベル | 取得ポイント | 出力情報 (イベントID) |
|---|---|---|---|
| 1 | 標準レベル | リクエストでのRMSハンドラ呼び出し開始時 | 0xA4F0 |
| 2 | リクエストでのRMSハンドラ呼び出し終了時 | 0xA4F1 | |
| 3 | リクエストでのRMDハンドラ呼び出し開始時 | 0xA4F2 | |
| 4 | リクエストでのRMDハンドラ呼び出し終了時 | 0xA4F3 | |
| 5 | レスポンスでのRMDハンドラ呼び出し開始時 | 0xA4F4 | |
| 6 | レスポンスでのRMDハンドラ呼び出し終了時 | 0xA4F5 | |
| 7 | レスポンスでのRMSハンドラ呼び出し開始時 | 0xA4F6 | |
| 8 | レスポンスでのRMSハンドラ呼び出し終了時 | 0xA4F7 | |
| 9 | 詳細レベル | シーケンス情報更新処理開始時 | 0xA4E2 |
| シーケンス情報削除処理開始時 | 0xA4E3 | ||
| シーケンス情報読み込み処理開始時 | 0xA4EA | ||
| 10 | シーケンス情報更新処理終了時 | 0xA4E5 | |
| シーケンス情報削除処理終了時 | 0xA4E6 | ||
| シーケンス情報読み込み処理終了時 | 0xA4EB |
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