Cosminexus アプリケーションサーバ V8 Webサービス開発の手引

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29.4.2 性能解析トレースのトレース出力情報

CosminexusのJAX-WS機能で出力する性能解析トレースのトレース出力情報を次の表に示します。

表29-14 性能解析トレースのトレース出力情報

項番 ファイル項目 内容
1 イベントID トレース取得ポイントのイベントIDです。
2 クライアントAP情報 ルートAP情報の有効範囲内のWebサービスクライアント,Webサービス間で一意の情報です。ただし,WS-RM 1.2機能の場合,一意ではありません。オプション情報を参照してください。
3 ルートAP情報 一連のリクエストに対する処理で,一意の情報です。ただし,WS-RM 1.2機能の場合,一意ではありません。オプション情報を参照してください。
4 リターンコード トレース取得ポイントの種別(正常終了または異常終了)です。
5 インタフェース名 トレース取得ポイントのクラス名です。
6 オペレーション名 トレース取得ポイントのメソッド名です。
7 オプション情報 オプション情報です。

ここでは,クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲,およびトレース取得ポイントについて説明します。

<この項の構成>
(1) クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲
(2) 性能解析トレースのトレース取得ポイント

(1) クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲

次の図を基に,クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲について説明します。

図29-4 クライアントAP情報とルートAP情報の有効範囲

[図データ]

ルートAP情報(通信番号,ルートAPのPID,およびルートAPの動作するマシンのIPアドレスから構成されます)は,一連のリクエストに対する処理で一意となります。

リクエストを受けたWebサービスクライアント(A)からWebサービス(B)にリクエストが送信されると,Webサービス(B)がWebサービスクライアントになります。さらに,Webサービス(B)がWebサービスクライアントになって,ほかのWebサービス(C)および(D)にリクエストが送信されると,AからDまでが一意の値となります。

クライアントAP情報(通信番号,クライアントAPのPID,クライアントAPの動作するマシンのIPアドレスから構成される)は,ルートAP情報の有効範囲内のWebサービスクライアント,およびWebサービスの一連のリクエストに対する処理で一意となります。

クライアントAP(1),(2),(3),および(4)は,異なるクライアントAP情報になります。

(2) 性能解析トレースのトレース取得ポイント

CosminexusのJAX-WS機能で出力する性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。なお,WS-RM 1.2機能を使用する場合は,ここに記載する以外の性能解析トレースも出力されます。詳細については,「29.4.2(2)(c) WS-RM 1.2機能使用時のトレース取得ポイント」を参照してください。

(a) POJOのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイント

POJOのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイントを次の図に示します。

図29-5 POJOのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイント

[図データ]

各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。

表29-15 標準レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(JAX-WS機能・POJOのWebサービス)

図中の番号 取得ポイント 出力される情報
イベントID オプション情報
1 Webサービスクライアントライブラリの開始時 スタブベースの場合 0xA400
ディスパッチベースの場合 0xA420
2 WebサービスクライアントライブラリのHTTPメッセージ送信前 0xA404 エンドポイントURL
3 JAX-WSエンジンのサーブレット開始時 0xA408 コンテキストルート
4 Webサービス呼び出し前 Webサービス実装クラスの場合 0xA40C サービスメソッド名
プロバイダ実装クラスの場合 0xA424
5 Webサービス呼び出し後 Webサービス実装クラスの場合 0xA410 異常終了の場合は例外名
プロバイダ実装クラスの場合 0xA428
6 JAX-WSエンジンのHTTPメッセージ送信前 0xA414
7 WebサービスクライアントライブラリのHTTPメッセージ受信後 0xA418 異常終了の場合は例外名
8 Webサービスクライアントライブラリ終了時 スタブベースの場合 0xA41C 異常終了の場合は例外名
ディスパッチベースの場合 0xA42C

(凡例)
−:オプション情報はありません。

表29-16 詳細レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(JAX-WS機能・POJOのWebサービス)

図中の番号 取得ポイント 出力される情報
イベントID オプション情報
9 ハンドラ呼び出し前 0xA430 ハンドラの位置とハンドラクラス名
10 ハンドラ呼び出し後 0xA434 異常終了の場合は例外名
11 WebサービスクライアントライブラリのHTTPメッセージ送信後 0xA438 異常終了の場合は例外名
12 アンマーシャル前 スタブべース,およびWebサービス実装クラスの場合 0xA43C
ディスパッチベース,およびプロバイダ実装クラスの場合 0xA450
13 アンマーシャル後 スタブべース,およびWebサービス実装クラスの場合 0xA440
ディスパッチベース,およびプロバイダ実装クラスの場合 0xA454
14 JAX-WSエンジンのHTTPメッセージ送信後 0xA444 異常終了の場合は例外名
15 JAX-WSエンジンのサーブレット終了時 0xA448 異常終了の場合は例外名

(凡例)
−:オプション情報はありません。

(b) EJBのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイント

EJBのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイントを次の図に示します。なお,Webサービスクライアントのトレース取得ポイントは,POJOのWebサービス呼び出し時と同じです。

図29-6 EJBのWebサービス呼び出し時のトレース取得ポイント

[図データ]

各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。

表29-17 標準レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(JAX-WS機能・EJBのWebサービス)

図中の番号 取得ポイント 出力される情報
イベントID オプション情報
1 JAX-WSエンジンのサーブレット開始時 0xA408 コンテキストルート
2 EJBコンテナ呼び出し前 Webサービス実装クラス 0xA40E サービスメソッド名
3 EJBのメソッド呼び出し前 0x8482
4 EJBのメソッド呼び出し後 0x8483
5 EJBコンテナ呼び出し後 Webサービス実装クラス 0xA412 異常終了の場合は例外名
6 JAX-WSエンジンのHTTPメッセージ送信前 0xA414 異常終了の場合は例外名

(凡例)
−:オプション情報はありません。

表29-18 詳細レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(JAX-WS機能・EJBのWebサービス)

図中の番号 取得ポイント 出力される情報
イベントID オプション情報
7 ハンドラ呼び出し前 0xA430 ハンドラの位置とハンドラクラス名
8 ハンドラ呼び出し後 0xA434 異常終了の場合は例外名
9 アンマーシャル前 Webサービス実装クラス 0xA43C
10 アンマーシャル後 Webサービス実装クラス 0xA440
11 JAX-WSエンジンのHTTPメッセージ送信後 0xA444 異常終了の場合は例外名
12 JAX-WSエンジンのサーブレット終了時 0xA448 異常終了の場合は例外名

(凡例)
−:オプション情報はありません。

(c) WS-RM 1.2機能使用時のトレース取得ポイント

WS-RM 1.2機能でシーケンスライフサイクルメッセージを送受信するときに出力される性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図29-7 シーケンスライフサイクルメッセージ送受信時のトレース取得ポイント

[図データ]

各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。

表29-19 標準レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(WS-RM 1.2機能のライフサイクルメッセージ)

図中の番号 取得ポイント 出力情報
イベントID オプション情報
1 Webサービスクライアント側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4B0 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
2 Webサービスクライアント側シーケンスライフサイクルメッセージ送信前 0xA4B1 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
3 Webサービス側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4B2 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
4 Webサービス側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4B3 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence,[SequenceID]
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名
5 Webサービスクライアント側シーケンスライフサイクルメッセージ受信後 0xA4B4 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名
6 Webサービスクライアント側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4B5 次のどれかが出力されます。
  • CreateSequence,[SequenceID]
  • CloseSequence,[SequenceID]
  • TerminateSequence,[SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名

WS-RM 1.2機能のシーケンストラフィックメッセージの性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図29-8 シーケンストラフィックメッセージのトレース取得ポイント

[図データ]

各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。

表29-20 標準レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(WS-RM 1.2機能のシーケンストラフィックメッセージ)

図中の番号 取得ポイント 出力情報
イベントID オプション情報
7 リクエストでのWebサービスクライアント側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4B6 [SequenceID],[MessageNumber]
8 リクエストでのWebサービスクライアント側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4B7 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID],[MessageNumber]
  • 異常終了の場合は例外名
9 リクエストでのWebサービス側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4B8 [SequenceID],[MessageNumber]
10 リクエストでのWebサービス側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4B9 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID],[MessageNumber]
  • 異常終了の場合は例外名
11 レスポンスでのWebサービス側WS-RM 1.2機能開始時※1 0xA4BA [SequenceID],[MessageNumber]
12 レスポンスでのWebサービス側WS-RM 1.2機能終了時※2 0xA4BB 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID],[MessageNumber]
  • 異常終了の場合は例外名
13 レスポンスでのWebサービスクライアント側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4BC [SequenceID],[MessageNumber]
14 レスポンスでのWebサービスクライアント側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4BD 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名

注※1
重複したメッセージを受信した場合は出力されません。

注※2
重複したメッセージを受信した場合に,HTTPステータスコード202を返すときは出力されません。

WS-RM 1.2機能のAckメッセージの性能解析トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図29-9 Ackメッセージのトレース取得ポイント

[図データ]

各トレース取得ポイントとイベントIDの対応を次の表に示します。

表29-21 詳細レベルでのトレース取得ポイントと出力される情報(WS-RM 1.2機能のAckメッセージ)

図中の番号 取得ポイント 出力情報
イベントID オプション情報
15 Webサービスクライアント側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4BE [SequenceID]
16 Webサービス側WS-RM 1.2機能開始時 0xA4C0 [SequenceID]
17 Webサービス側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4C1 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名
18 Webサービスクライアント側WS-RM 1.2機能終了時 0xA4BF 次のどちらかが出力されます。
  • [SequenceID]
  • 異常終了の場合は例外名