Cosminexus アプリケーションサーバ V8 システム構築・運用ガイド
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CTMを使用したシステムをスケールアウトする手順について説明します。
システムをスケールアウトする前に,あらかじめ追加するアプリケーションサーバのOSやアプリケーションをセットアップしてください。システムをスケールアウトするには,次の内容を実施します。
- 構成変更定義ファイルの作成
- システムの情報モデルの変更
- サービスユニットの追加
システムのスケールアウトの手順について説明します。
なお,ここでは,CTM用のWebシステム(MyBackSystem)に,次に示すサービスユニットを追加する場合を例にして,説明しています。説明では,CTMを使用するパターン(ctm-tier)の簡易構築定義ファイルを使用して,「8.6 システムの一括構築」で構築したシステムを使用します。
- ホスト名:ctmsv3
- サービスユニット名:unit5
- IPアドレス:192.168.1.35
- 管理IPアドレス:192.168.100.35
- 参考
- サーバ管理コマンドの指定値について
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名は実サーバ名です。構成変更定義ファイル作成時に実サーバ名を設定していない場合,実サーバ名は論理サーバ名と同じです。なお,論理サーバ名の設定を省略している場合,論理サーバ名は「cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>」の形式で定義されます。論理サーバの種類と<種別>との対応を次の表に示します。
表9-18 論理サーバの種類と<種別>との対応
| 論理サーバの種類 |
<種別> |
| 論理Webサーバ |
HTTP |
| 論理J2EEサーバ |
J2EE |
| 論理パフォーマンストレーサ |
PRF |
| 論理SFOサーバ |
SFO |
| 論理CTMドメインマネジャ |
CTMDM |
| 論理CTM |
CTM |
| 論理スマートエージェント |
SA |
| 論理ユーザサーバ |
USER |
- なお,<通番>は,基本的に「01」が設定されます。ただし,CTMを使用するシステムのように論理サーバを複数配置する場合は,重複しない番号が割り振られます。
- 注意
- Webシステムの構成を変更するとWebシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。Webシステムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5. 使用するリソースの見積もり(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 構成変更定義ファイルの作成
- (2) システムの情報モデルの変更
- (3) サービスユニットの追加
サービスユニット・ホスト追加用の構成変更定義ファイルを任意の場所にコピーして,ファイルの内容を編集します。
- 構成変更定義ファイルを作成します。
サービスユニット・ホスト追加用の構成変更定義ファイル(cmxaddcombinedmodel.xmlファイル)は,次の場所に提供されています。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\config\templates\
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/templates/
このファイルをコピーし,名称を変更して,任意の場所に格納します。なお,ここではファイル名を「MyBackSystemAdd.xml」に変更しています。
- コピーした構成変更定義ファイルを編集します。
MyBackSystemAdd.xmlファイルを編集します。ここでは,追加するサービスユニットの内容と,ホストの定義をします。
設定後のMyBackSystemAdd.xmlファイルを次に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<unit-addition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/UnitAddition-2.5">
<web-system>
<name>MyBackSystem</name>
<!-- 追加するサービスユニットの定義 -->
<unit>
<name>unit5</name>
<allocated-host>
<host-ref>ctmsv3</host-ref>
<hosts-for>ctm-tier</hosts-for>
</allocated-host>
</unit>
</web-system>
<!-- 追加するホストの定義 -->
<host>
<host-name>ctmsv3</host-name>
<agent-host>192.168.100.35</agent-host>
</host>
</unit-addition>
|
- 注 太字の部分が編集部分です。
作成した構成変更定義ファイルの内容を,Management Serverのシステムの情報モデルに反映します。
- システムの情報モデルを変更します。
cmx_change_modelコマンドに,(1)で作成した構成変更定義ファイルを指定して,Management Serverのシステムの情報モデルを変更します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_change_model -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>\MyBackSystemAdd.xml
|
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_change_model -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>/MyBackSystemAdd.xml
|
変更したシステムの情報モデルを実システムに適用して,サービスユニットを追加します。
- 変更したシステムの情報モデルを実システムに展開します。
cmx_build_systemコマンドを使用して,(2)で変更したシステムの情報モデルを実システムに適用します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_build_system -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyBackSystem
|
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyBackSystem
|
- 追加したサービスユニットを一括起動します。
ここでは次の内容を実施しています。
- cmx_start_targetコマンドを使用して,追加したサービスユニット「unit5」を稼働状態で起動します。-modeオプションに「ALL」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\bin\cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyBackSystem -unit unit5
|
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyBackSystem -unit unit5
|
- 追加したサービスユニットのリソースアダプタをインポートして開始します。
ここでは,サーバ管理コマンドを使用して,次の内容を実施しています。
- リソースアダプタをインポートします。
- J2EEサーバにリソースアダプタをデプロイします。
- Connector属性ファイルをリソースアダプタに反映します。
- リソースアダプタの接続を確認します。
- リソースアダプタを開始します。
次に示すリソースアダプタをインポートして開始する手順を例にして説明します。
表9-19 例で使用するリソースアダプタのファイル名と表示名
| 種別 |
名前 |
| ファイル名 |
DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar |
| 表示名 |
DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
| Connector属性ファイルのファイル名 |
MyDBConnectorAttr.xml |
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjimportres cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -type rar -f <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\DBConnector\DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjdeployrar cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjsetrarprop cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>\MyDBConnectorAttr.xml※
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjtestres cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
|
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjimportres cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -type rar -f /opt/Cosminexus/CC/DBConnector/DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjdeployrar cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjsetrarprop cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml※
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjtestres cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
|
- 注※ スケールアウトの対象とするサービスユニットのリソースアダプタに反映したConnector属性ファイルを使用します。Connector属性ファイルを保管していない場合は,スケールアウトの対象とするサービスユニットにデプロイしたリソースアダプタからサーバ管理コマンド(cjgetrarprop)を使用して取得します。取得したConnector属性ファイルは必要に応じて編集します。
- J2EEアプリケーションをインポートして開始します。
ここでは,サーバ管理コマンドを使用して,次の内容を実施しています。
- J2EEアプリケーションをJ2EEサーバへインポートします。
- J2EEアプリケーションを開始します。
次に示すJ2EEアプリケーションをインポートして開始する手順を例にして説明します。J2EEアプリケーションは,cosminexus.xmlを含むアプリケーションであることを前提としています。
表9-20 例で使用するJ2EEアプリケーションのファイル名と表示名
| 種別 |
名前 |
| ファイル名 |
MyApp.ear |
| 表示名 |
MyApp |
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjimportapp cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -f MyApp.ear
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -name MyApp
|
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjimportapp cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -f MyApp.ear
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit5_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.35:900 -name MyApp
|
- 参考
- cosminexus.xmlを含まないアプリケーションの場合,J2EEアプリケーションのプロパティは,属性ファイル(アプリケーション統合属性ファイル)で設定できます。
- この場合,スケールアウトの対象とするサービスユニットのJ2EEアプリケーションに反映したアプリケーション統合属性ファイルを使用します。
- アプリケーション統合属性ファイルを保管していない場合は,スケールアウトの対象とするサービスユニットにインポートしたJ2EEアプリケーションからサーバ管理コマンド(cjgetappprop)を使用して取得します。取得したアプリケーション統合属性ファイルは必要に応じて編集します。
- 設定方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9.2 アプリケーション統合属性ファイルによるプロパティ設定」を参照してください。
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