Cosminexus アプリケーションサーバ V8 リファレンス 定義編(サーバ定義)

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5.4 usrconf.propertiesサーバ管理コマンド用システムプロパティファイル

<この節の構成>
(1) 形式
(2) ファイルの格納先
(3) 機能
(4) サーバ管理コマンドの予約済みキー
(5) サーバ管理コマンドのカスタマイズ用キー
(6) 記述例

(1) 形式

J2SEのプロパティファイル形式です。

次のようにキーを指定します。

 
<キー名称> = <値>
 

指定方法
  • 改行までが値になります。
  • #で始まる行はコメントとみなされます。
  • 値が存在しない行を定義した場合,その行は無視されます。
  • 値の後ろには,空白やコメントなどの文字列は追加できません。追加した場合,不正な値と解釈されます。
(例) <キー名称> = <値> #<コメント>
  • 記載する文字はJavaの仕様に従って,ISO 8859-1 文字エンコーディングを使用してください。

(2) ファイルの格納先

(3) 機能

サーバ管理コマンドを実行するJavaVMのシステムプロパティを指定します。

(4) サーバ管理コマンドの予約済みキー

サーバ管理コマンドでは,次に示す接頭子で始まるキーを内部的に利用します。このため,アプリケーションでこれらの接頭子で始まるキーを利用してはいけません。

(5) サーバ管理コマンドのカスタマイズ用キー

サーバ管理コマンドでは,次に示すシステムプロパティのキーに値を設定することで,J2EEサーバの動作をカスタマイズできます。

ここでは,キーを次の分類に分けて説明します。

(a) ejbserver.cuiから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
ejbserver.cui.checkmethod.compatible cjsetapppropまたはcjsetrespropコマンド実行時に引数で指定された属性ファイル中のメソッドのチェック方法を指定します。チェックの引数になるメソッドは,属性ファイルの次のタグで指定されたメソッドです。
  • <method-permission>
  • <container-transaction>
  • <exclude-list>
  • <ejb-method-observation-timeout>
  • <ejb-transaction-timeout>
次のどちらかを指定します。
  • true
  • false

  • 新規インストールの場合:false
  • 07-50より前からのアップグレードの場合:true
07-50
ejbserver.cui.exitcode.compatible サーバ管理コマンド実行時に排他エラーで実行できなくなった場合に,終了コード「1」を返却するかどうかを指定します。

trueを指定した場合:
排他エラーの場合に終了コード「1」を返却します。

falseを指定した場合:
排他エラーの場合に終了コード「2」を返却します。
タイムアウトエラーの場合に終了コード「3」を返却します。
次のどちらかを指定します。
  • true
  • false

  • 新規インストールの場合:false
  • 06-00より前からのアップデートの場合:true
06-00
ejbserver.cui.logfile.compatible 07-00以降のログ出力形態にするか06-70以前のログ出力形態にするかを指定します。指定できる値と動作を次に示します。

falseを指定した場合:
07-00以降のログ出力形態にします。

trueを指定した場合:
06-70以前のログ出力形態にします。
不正な値(すべて小文字のtrueまたはfalse以外)を指定した場合は,メッセージを出力し,デフォルト値を設定します。
Management Serverを使用するEclipseプラグインから操作した場合,この指定は無効となり,falseが仮定されます。
次のどちらかを指定します。
  • true
  • false
false 07-00
ejbserver.cui.optionalname.enabled JNDIのユーザ指定名前空間管理機能を使用する場合に,サーバ管理コマンドからEJBHomeオブジェクトに別名(Optional Name)を指定するときに指定します。

trueを指定した場合:
サーバ管理コマンドから別名を指定できます。

falseを指定した場合:
サーバ管理コマンドから別名を指定できません。
次のどちらかを指定します。
  • true
  • false
true 05-05

注※ このキーの設定値によるチェック内容は次のとおりです。


表5-2 キーの設定値によるチェック内容一覧

属性ファイル中のメソッド指定個所 プロパティ指定値
ture false
<method-permission>
<container-transaction> ×
<exclude-list>
<ejb-method-observation-timeout> ×
<ejb-transaction-timeout> ×

(凡例)

○:指定されたメソッドがEnterprise Bean中にない場合エラーとする。

×:指定されたメソッドがEnterprise Bean中にあるかどうかのチェックを実施しない。


(b) ejbserver.deployから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
ejbserver.deploy.annotations.load_check.enabled アノテーション情報取得のためのクラスロード時に例外が発生した場合に無視するかどうかを指定します。

trueを指定した場合:
エラーとなり処理を中断します。

falseを指定した場合:
例外ログを取得し処理を続行します。
指定できる文字列を次に示します。
  • true
  • false
false 08-00
(c) ejbserver.loggerから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
ejbserver.logger.enabled.* サーバ管理コマンドが出力するログレベルを指定します。一つだけ指定した場合は,該当するログレベルのログだけが出力されます。複数指定した場合は,レベル名の文字列の間をコンマ(,)で区切ります。Error,Warning,Information,Debugのうち,一つまたは複数を指定します。通常はデフォルトのまま利用してください。 次に示す文字列をコンマ(,)で区切って指定します。
  • Error
  • Warning
  • Information
  • Debug
Error,Warning 06-00
(d) ejbserver.namingから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
ejbserver.naming.host サーバ管理コマンド実行時に,ネーミングサービスとして利用するCORBAネーミングサービスが起動しているホスト名称またはIPアドレスを指定します。
ネーミングの切り替え機能を使用する場合,ホスト名称として"localhost"は使用しないでください。CORBAネーミングサービスが起動しているホスト名称またはIPアドレスを指定してください。
CORBAネーミングサービスを自動起動モード(ejbserver.naming.startupMode=automaticまたはinprocess)で使用する場合,デフォルト値("localhost"),またはJ2EEサーバを起動させるホスト名称もしくはIPアドレスを指定してください。
次のどれかを指定します。
  • IPv4アドレス
  • ホスト名 (半角英数字または記号(_.-)で指定された255文字以内の文字列)
  • @myhost
localhost 06-00
ejbserver.naming.port サーバ管理コマンド実行時に,J2EEサーバがネーミングサービスとして利用するCORBAネーミングサービスのポート番号を指定します。 1〜65535の整数で指定します。 900 06-00
ejbserver.naming.protocol サーバ管理コマンド実行時に,ネーミングサービスとして利用するCORBAネーミングサービスへのアクセスプロトコルを指定します。現状,corbanameだけをサポートしています。ただし,旧バージョンで使用されていたプロトコル(iioplocまたはiopname)でも動作できます。 入力は制限されません。 corbaname 06-00
(e) ejbserver.rmiから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
ejbserver.rmi.request.timeout サーバ管理コマンドが通信障害によって応答が返らなくなった場合の通信タイムアウト時間(単位:秒)を0〜86400の整数で指定します。
0を指定した場合はタイムアウトしません。86400を超える値を設定した場合,警告メッセージが出力されて,デフォルト値が適用されます。
なお,次のコマンドでは,アプリケーションの停止処理が-tオプションで指定した時間内に終了しなかった場合に,強制終了処理が終了するまでのタイムアウト時間となります。
  • cjstopapp
  • cjreplaceapp
  • cjreloadapp
0〜86400の整数で指定します。 180(秒) 06-00
(f) vbrokerから始まるキー
キー名称 内容 指定可能値 デフォルト VR
vbroker.agent.port サーバ管理コマンド実行時に,利用するスマートエージェントのポート番号を指定します。詳細については,マニュアル「Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。 入力は制限されません。 14000 06-00
vbroker.orb.htc.tracePath Cosminexus TPBrokerのトレースファイル出力先のパスを1〜210バイトの範囲で指定します。指定したパスのサブディレクトリとしてcomtrcとmdltrcをあらかじめ作成しておく必要があります。デフォルトの出力先の場合,サブディレクトリcomtrcとmdltrcはサーバ初回起動時に自動作成されます。ディレクトリのパスの区切り記号には,"/"を使用してください。
例えば,workディレクトリとしてC:\temp\workを設定する場合,次のように指定します。

(指定例)
vbroker.orb.htc.tracePath=c:/temp/work
入力は制限されません。 <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\logs\TPB\logj
または
/opt/Cosminexus/CC/admin/logs/TPB/logj
06-00
vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port 任意の値を指定して,J2EEサーバからの受信を受け付けるポートを固定できます。ポート番号はほかのプログラムなどと重複しないようにしてください。また,J2EEサーバ用ユーザプロパティファイルにも同じキー名称が存在しますので,そのポート番号と重複しないようにしてください。
このプロパティを設定しない場合は,Cosminexus TPBrokerによってランダムな値が設定されます。
入力は制限されません。 0 06-50

(6) 記述例

 
ejbserver.naming.host=localhost
ejbserver.naming.port=900