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uCosminexus Application Runtime for Spring Boot ユーザーズガイド


1.4.3 コンテナ仮想化環境のユースケース

コンテナ仮想化環境で運用する場合のユースケースを示します。

コンテナ仮想化環境で本製品を使用する場合の設計・構築・運用については,このマニュアルの第3編を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 実行可能JAR/WAR形式の場合

コンテナ仮想化環境のクラウド環境(AWSやAzureなど)で,本製品を組み込んだ実行可能JAR/WARを起動する場合,負荷分散や業務継続性を考慮すると,次の図のようなシステム構成が想定されます。

図1‒7 コンテナ仮想化環境(Amazon EKS+AWS Fargate)の想定システム構成(実行可能JAR/WAR形式)

[図データ]

コンテナ仮想化環境で本製品を使用した効果を次に示します。各説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. 本製品が異常を検知した場合,ユーザスクリプトを自動実行させることができます。

    オーケストレーションツールに異常を知らせるProbe(Readiness Probe)をユーザスクリプトに実装することで,異常発生からリクエスト閉塞までの時間を極小化することや,閉塞後のスケール回復ができます。

  2. 本製品が異常を検知した場合,サポートサービスへの問い合わせに必要な保守資料(ログファイル,定義ファイル,環境情報など)が自動的に収集されます。

    収集された保守資料は,スナップショットログという1つのアーカイブファイルとして出力されます。スナップショットログの出力先は,インスタンスがスケールインされても揮発しないPersistent Volumeに格納してください。

  3. アプリケーションに対するHTTPリクエストには,本製品によってリクエストごとに一意のIDが採番され,トレースログに出力されます。

    採番されたIDは,Spring FrameworkのHTTPクライアントやHiRDBのJDBCドライバに渡されるため,uCosminexus Application ServerやHiRDBの性能解析トレース機能と連携できます。

(2) WARデプロイ形式の場合

コンテナ仮想化環境のクラウド環境(AWSやAzureなど)で,本製品を組み込んだTomcatを使用する場合,負荷分散や業務継続性を考慮すると,次の図のようなシステム構成が想定されます。

図1‒8 コンテナ仮想化環境(Amazon EKS+AWS Fargate)の想定システム構成(WARデプロイ形式)

[図データ]

コンテナ仮想化環境で本製品を使用した効果を次に示します。各説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. 本製品が異常を検知した場合,ユーザスクリプトを自動実行させることができます。

    オーケストレーションツールに異常を知らせるProbe(Readiness Probe)をユーザスクリプトに実装することで,異常発生からリクエスト閉塞までの時間を極小化することや,閉塞後のスケール回復ができます。

  2. 本製品が異常を検知した場合,サポートサービスへの問い合わせに必要な保守資料(ログファイル,定義ファイル,環境情報など)が自動的に収集されます。

    収集された保守資料は,スナップショットログという1つのアーカイブファイルとして出力されます。スナップショットログの出力先は,インスタンスがスケールインされても揮発しないPersistent Volumeに格納してください。

  3. Tomcatに対するHTTPリクエストには,本製品によってリクエストごとに一意のIDが採番され,トレースログに出力されます。

    採番されたIDは,Spring FrameworkのHTTPクライアントやHiRDBのJDBCドライバに渡されるため,uCosminexus Application ServerやHiRDBの性能解析トレース機能と連携できます。