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uCosminexus Application Runtime for Spring Boot ユーザーズガイド


1.4.2 オートスケーリング構成のクラウド上仮想マシン環境のユースケース

オートスケーリング構成のクラウド上仮想マシン環境で運用する場合のユースケースを示します。

オートスケーリング構成のクラウド上仮想マシン環境で本製品を使用する場合の設計・構築・運用については,このマニュアルの第2編を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 実行可能JAR/WAR形式の場合

オートスケーリング構成のクラウド環境(AWSやAzureなど)で,本製品を組み込んだ実行可能JAR/WARを起動する場合,負荷分散や業務継続性を考慮すると,次の図のようなシステム構成が想定されます。

図1‒5 クラウド環境(AWS)の想定システム構成(実行可能JAR/WAR形式)

[図データ]

オートスケーリング構成のクラウド上仮想マシン環境で本製品を使用した効果を次に示します。各説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. 本製品が異常を検知した場合,ユーザスクリプトを自動実行させることができます。

    ロードバランサの閉塞操作やオートスケーリングのスケールイン操作をユーザスクリプトに実装することで,異常発生からリクエスト閉塞までの時間を極小化することや,閉塞後のスケール回復ができます。

  2. 本製品が異常を検知した場合,サポートサービスへの問い合わせに必要な保守資料(ログファイル,定義ファイル,環境情報など)が自動的に収集されます。

    収集された保守資料は,スナップショットログという1つのアーカイブファイルとして出力されます。スナップショットログの出力先は,インスタンスがスケールインされても揮発しない外部ストレージに格納してください。

  3. アプリケーションに対するHTTPリクエストには,本製品によってリクエストごとに一意のIDが採番され,トレースログに出力されます。

    採番されたIDは,Spring FrameworkのHTTPクライアントやHiRDBのJDBCドライバに渡されるため,uCosminexus Application ServerやHiRDBの性能解析トレース機能と連携できます。

(2) WARデプロイ形式の場合

オートスケーリング構成のクラウド環境(AWSやAzureなど)で,本製品を組み込んだTomcatを使用する場合,負荷分散や業務継続性を考慮すると,次の図のようなシステム構成が想定されます。

図1‒6 クラウド環境(AWS)の想定システム構成(WARデプロイ形式)

[図データ]

オートスケーリング構成のクラウド上仮想マシン環境で本製品を使用した効果を次に示します。各説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. 本製品が異常を検知した場合,ユーザスクリプトを自動実行させることができます。

    ロードバランサの閉塞操作やオートスケーリングのスケールイン操作をユーザスクリプトに実装することで,異常発生からリクエスト閉塞までの時間を極小化することや,閉塞後のスケール回復ができます。

  2. 本製品が異常を検知した場合,サポートサービスへの問い合わせに必要な保守資料(ログファイル,定義ファイル,環境情報など)が自動的に収集されます。

    収集された保守資料は,スナップショットログという1つのアーカイブファイルとして出力されます。スナップショットログの出力先は,インスタンスがスケールインされても揮発しない外部ストレージに格納してください。

  3. Tomcatに対するHTTPリクエストには,本製品によってリクエストごとに一意のIDが採番され,トレースログに出力されます。

    採番されたIDは,Spring FrameworkのHTTPクライアントやHiRDBのJDBCドライバに渡されるため,uCosminexus Application ServerやHiRDBの性能解析トレース機能と連携できます。