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JP1 Cloud Service システム管理 生成AI連携 利用ガイド


1.5.5 運用管理データ取得機能(02-30以降)

〈この項の構成〉

(1) 概要

JP1 Cloud Serviceのシステム管理マネージャーに蓄積された運用管理データから情報を取得する機能です。この機能により,生成AI連携が連携するLLMが学習済みのデータだけではなく,システム管理マネージャーに蓄積されたJP1イベントの情報を踏まえた回答を可能にしています。

本機能の仕様は以下の通りです。

表1‒11 運用管理データ取得機能仕様

#

項目

仕様

1

参照範囲

統合オペレーション・ビューアーにログインしているJP1ユーザーが参照できる範囲かつ,統合オペレーション・ビューアーの[稼働状況]領域で選択している構成要素で発生したJP1イベントが参照できます。

2

検索条件

イベントは「時間(B.TIME)」と「ホスト名(E.JP1_SOURCEHOST)」に基づいて取得します。時間とホスト名は生成AIが質問や会話履歴の情報から生成します。

3

時間範囲

時間範囲が指定されていない場合,過去1日分検索します。質問などに含まれる時刻はJSTと解釈します。

4

件数

検索条件に合致したJP1イベント200件を上限に取得します。

5

メッセージ

基準となるメッセージ文と類似したイベントメッセージを持つイベントの情報を取得します。質問文や会話履歴に,基準となるメッセージ文に関する情報が含まれていない場合,取得するイベント件数は0件となります。基準となるメッセージは生成AIが質問や会話履歴の情報から生成します。

仕様を満たす運用管理データ取得エージェントへの質問例を示します。

■仕様を満たし,回答が正しく返却されやすいケース

  1. 時間範囲やホストが明確に示されている

    (質問例)
    2025/03/31 10:00〜2025/04/01 10:00にhoatAで「XXX」というイベントが発生しているか確認してください。
  2. 運用マニュアルにエスカレーション条件が記載されており,検索する条件が明確である。

    (質問例)
    以下のイベントが発生しています。運用マニュアルを取得して、エスカレーションすべきか判断してください。
    <イベント情報>
    メッセージ:xxx
    発生時刻:2025年03月31日 21時10分
    発生元ホスト名:yyy
     
    (運用マニュアル例)
    メッセージ:xxx
    エスカレーション条件:
     以下の条件のどちらかまたは両方を満たす場合にエスカレーションしてください。
     ・条件1. イベントが平日の20時以降に発生しているか確認する。
     ・条件2. イベントの発生元ホストがyyyまたはzzzで発生している。
    アクション:
     ・Aさんに電話してください。

■仕様を満たさないため,うまく回答がされないケース

  1. 時間範囲が明確に定義されていない

    (質問例)
    過去にxxxイベントは発生していますか。
    (検索結果)
    過去1日の範囲のみ検索される。
  2. 参照するイベントが大量で,上限(200件)を超過する

    (質問例)
    HostAで過去1ヶ月にXXXイベントは1000回以上発生していますか。
    (検索結果)
    必ず発生していない判定になる。
  3. 基準となるメッセージに関する情報が存在しない

    (質問例)
    HostAにおける、2025年3月31日1:00から2025年3月31日1:05のイベント発生状況をまとめてください。
    (検索結果)
    基準となるメッセージが存在しないため、取得イベントは0件となる。

(2) ユーザー利用方法

本機能を利用するために必要な設定はありません。