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JP1 Cloud Service システム管理 生成AI連携 利用ガイド


1.5.3 プロンプト作成機能

生成AIの回答の正確さを高めるため,プロンプト(指示や命令)を定義する機能です。本機能は,問い合わせ送信機能にて入力した質問内容に,生成AIの役割や使用可能なツールの情報をプロンプトに追加することで,より適切な回答を得られるようにしています。

本機能で設定するプロンプトは「付録B プロンプト」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ノードのプロンプト(02-30以降)

ワークフローのノードごとに指定できる内容が異なります。

パラメータ

以下のパラメータをファイルに定義することで,チューニングや多言語に対応出来るようにします。

設定内容

INSTRUCTION

各ノードに対する動作指示を記載します。ワークフローの構成やノードの活用方法に応じて適切な内容を記載する必要があります。Secretaryのみ設定可能です。

  • AIの役割

    AIが何を利用でき,どのような事ができるか説明します。

    例:あなたはITシステムのインシデントに対するチケット発行をサポートするアシスタントです。

  • リンク作成の定義

    リンク作成を行う条件(例:チケット作成依頼があった場合)や出力形式など,任意のリンクを回答に含める場合のルールを記載します。

TOOLS

AIが利用できるツールの名前を記載します。

Secretaryの場合,ワークフローがSecretary単一の場合は空文字を指定します。それ以外の場合は"__jp1cs_secretary_router"を必ず指定します。

Supervisorの場合"__jp1cs_supervisor_router"を必ず指定します。

PREFIX

プロンプトの最初に記載する文字列を定義します。具体的に以下のような指示を記載します。

  • AIの能力の概要

    AIが何を得意とし,どのような情報や知識を持っているのか説明します。

    例:あなたはJP1を用いた管理を行っているシステム管理のエキスパートです。

  • AIの役割

    情報提供,質問応答,アドバイス提供など,AIがユーザーに対して果たす役割を記載します。

    例:あなたはユーザーからの質問を解析し,最も適切な情報を提供することを目的としています。

  • ツールの実行結果

    ツールの実行結果に含まれる情報の説明,ツールの実行結果を回答に含める場合のルールを記載します。

TOOLS

AIが利用できるツールの名前を記載します

FORMAT_INSTRUCTIONS

AIの挙動(回答全体の形式や,実行可能なツールの情報を含む)のルールを記載します。

DESCRIPTION

エージェントノードが実行可能な動作の概要を記載します。Supervisorに対するエージェントノードの説明に利用されます。

EXAMPLE

どのような場合にエージェントノードを利用すべきか,利用ケースの例を記載します。Supervisorが次の遷移先を決める際に利用されます。

(2) ツールのプロンプト(02-40以降)

ツールの定義ファイル(tools.ja.yml)ではツール名とツールの説明,引数のJSONスキーマ情報を定義することができます。

パラメータ

以下のパラメータをファイルに定義することで,チューニングや多言語に対応出来るようにします。

表1‒8 ツールプロンプトのパラメータ一覧

#

パラメータ

項目

設定箇所

1

NAME

ツール名

ツールプロンプト定義ファイル

2

DESCRIPTION

ツールの説明

ツールプロンプト定義ファイル

3

ARGS

ツールの引数

ツールプロンプト定義ファイル

設定内容

NAME

ツールの名称を定義します。ここで定義したツール名をノードのプロンプトパラメータTOOLSに指定することで,LLMが利用できるツールとして認識します。

DESCRIPTION

ツールの説明を定義します。LLMがツールを利用すべきか判断するために利用されます。

  • ツールの概要

    ツールにより取得できる内容や,どのような場合に利用すべきか,記載します。

  • ツールの引数

    ツールの引数について補足する情報や,引数の例を記載します。

ARGS

ツールの引数のJSONスキーマを定義します。本パラメータはユーザープログラム呼び出しツールのみ定義できます。ツールの引数の名称,タイトル,説明,型情報などを定義します。詳細は「6.1.3ツールプロンプト定義ファイル(tools.ja.yml)(02-40以降)」を参照してください。

(3) ノードのプロンプト(02-20以前)

パラメータ

以下のパラメータをファイルに定義することで,チューニングや多言語に対応出来るようにします。

表1‒9 パラメータ一覧

#

パラメータ

項目

設定箇所

1

PREFIX

プロンプトの最初に記載する文字列

リソースファイル

2

TOOLS

AIがアクセスできるツールのリスト

設定ファイル

3

FORMAT_INSTRUCTIONS

AIの応答の型を指示する文字列

リソースファイル

設定内容

PREFIX

プロンプトの最初に記載する文字列を定義します。具体的に以下のような指示を記載します。

  • AIの能力の概要

    AIが何を得意とし,どのような情報や知識を持っているのか説明します。

    例:あなたはJP1を用いた管理を行っているシステム管理のエキスパートです。

  • AIの役割

    情報提供,質問応答,アドバイス提供など,AIがユーザーに対して果たす役割を記載します。

    例:あなたはユーザーからの質問を解析し,最も適切な情報を提供することを目的としています。

  • リンク作成の定義

    リンク作成を行う条件(例:チケット作成依頼があった場合)や出力形式など,任意のリンクを回答に含める場合のルールを記載します。

  • ツールの実行結果

    ツールの実行結果に含まれる情報の説明,ツールの実行結果を回答に含める場合のルールを記載します。

TOOLS

AIが利用できるツールの名前を記載します。

FORMAT_INSTRUCTIONS

AIの挙動(回答全体の形式や,実行可能なツールの情報を含む)のルールを記載します。