1.5.2　ワークフロー作成機能（02-30以降）

問い合わせの回答を作成するフローを定義する機能です。本機能は，定義したワークフローを質問時に指定し，生成AIが必要な情報のみを参照できるよう制御することで，適切な回答を得られるようにします。

ワークフローは，フローを管理するオペレーターノードとユーザーコンテンツの取得機能や，運用管理データ取得機能などのツールを実行するエージェントノードから構成されます。

〈この項の構成〉

(1)　ワークフローを構成するノード

ワークフローはオペレーターノードとエージェントノードの2種類のノードで構成します。

オペレーターノードはユーザーからの質問や会話履歴，各エージェントノードの回答をもとに，次の遷移先ノードを決定するノードです。生成AI連携機能でサポートするオペレーターノードは次の2つのノードがあります。

表1‒2　オペレーターノード一覧
#	ノード名	説明
1	`Secretary`	問合せのエントリーポイントとなるノードです。ユーザーの質問が簡単なあいさつなど，エージェントノードを利用した調査が不要な場合や，ワークフロー定義にSupervisorが存在しない場合は，ユーザーへ回答を返します。ユーザーの質問がエージェントを利用した調査が必要でSupervisorが定義されている場合は，Supervisorに調査を依頼します。
2	`Supervisor`	ユーザーの質問を観察して，適切なエージェントノードに処理を振り分けるノードです。エージェントノードの調査結果を観察し，エージェントノードの回答をユーザーに返します。

エージェントノードは，オペレーターノードからのリクエストを受け取り，ユーザーコンテンツ取得機能または運用管理データ取得を利用して回答を作成するノードです。生成AI連携機能でサポートするエージェントノードは以下の2つのノードがあります。

表1‒3　エージェントノード一覧
#	ノード名	説明
1	ナレッジ検索エージェント	ユーザーコンテンツの取得機能を実行し，ユーザーコンテンツに登録された情報を参照して回答するエージェントです。運用手順書等，ユーザーコンテンツに登録している情報を利用した回答が必要な場合は，利用するワークフローにナレッジ検索エージェントを含める必要があります。ワークフローへの設定方法は「2.2.3 ワークフローの設定（02-30以降）」を参照してください。前提となるユーザーコンテンツの取得機能の利用には連携する検索サービスの設定が必要です。検索サービスの接続設定は「2.2.2 検索サービスの接続設定」を参照してください。
2	運用管理データ取得エージェント	運用管理データ取得機能を実行し，システム管理マネージャーに蓄積された運用管理データを参照して回答するエージェントです。 JP1イベントの発生状況など，運用管理データを利用した回答が必要な場合は，利用するワークフローに運用管理データ取得エージェントを含める必要があります。ワークフローへの設定方法は「2.2.3 ワークフローの設定（02-30以降）」を参照してください。

サポートするワークフローの構成は以下の4パターンです。

表1‒4　サポートするワークフロー構成
#	構成	説明
1	Secretaryノード単一構成	汎用的な質問への対応や，チケットの作成などを行う構成です。
2	Secretary+Supervisor+ナレッジ検索エージェント	ナレッジ検索エージェントをワークフローに含むと，汎用的な質問への回答に加え，ユーザーコンテンツに登録している情報を利用した回答ができる構成です。
3	Secretary+Supervisor+運用管理データ取得エージェント	運用管理データ取得エージェントをワークフローに含むと，汎用的な質問への回答に加え，システム管理のJP1イベントの情報を踏まえた回答ができる構成です。
4	Secretary+Supervisor+ナレッジ検索エージェント+運用管理データ取得エージェント	ナレッジ検索エージェント及び運用管理データ取得エージェントをワークフローに含むと，ユーザーコンテンツに登録している情報と，システム管理のJP1イベントの情報の両方を考慮し，回答ができる構成です。また，本構成では必要に応じてSupervisorがレコメンドを作成します。

ワークフローの設定方法は「2.2.3 ワークフローの設定（02-30以降）」を参照してください。