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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.12.41 移行先のUR副サイト障害およびセカンダリボリューム障害(LDEV閉塞)から回復する手順例

1.12.29 障害発生前の状態」に示した、それぞれの状態で、移行先の副サイトのストレージシステムにボリューム障害が発生した場合の回復手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 「移行作業中」のデータ移行完了後状態で発生した、移行先のUR副サイトのセカンダリボリューム障害(LDEV障害)

障害発生前後のペアの状態の変化を、次に示します。

ペアの種類

障害発生前のペア状態

障害発生後のペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

移行元のURペア

PAIR

PAIR

PAIR

PAIR

移行先のURペア※2

COPY /PAIR

COPY /PAIR

PSUE※1

PSUE※1

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

注※1
障害が発生したボリュームを使用しているペアが、形成コピー中またはサーバからI/Oを受けたときの状態です。このURペアのエラーレベルを「ミラー」に設定している場合は、ミラーに属するすべてのURペアが、このペア状態になります。
注※2
移行先のURペアが形成されていた場合のペア状態です。

この障害に対する回復では、既存の移行元のUR環境をシステム復旧に利用します。

障害発生前の状態に回復する手順例を次に示します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. 障害ボリュームを使用している移行先URペアを削除します。

    コマンド例:
    pairsplit -g oraUR01 -d -dev20 -S -IH3
  2. 移行先のUR副サイトのセカンダリボリュームの障害を取り除き回復します(フォーマットによる回復が必要な場合はフォーマットします)。

  3. 移行先のURペアがペア中断している場合は、移行先のURペアを再同期します。

    コマンド例:
    pairresync -g oraUR01 -IH3
  4. 移行先のUR正サイトから、障害から回復したボリュームに対する移行先URペアを再形成します。

    コマンド例:
    paircreate -g oraUR01 -d dev20 -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH3

(2) 「移行完了後」の移行元URペア撤去前状態で発生した、移行先のUR副サイトのセカンダリボリューム障害(LDEV障害)

障害発生前後のペアの状態の変化を、次に示します。

ペアの種類

障害発生前のペア状態

障害発生後のペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

移行元のURペア

PAIR

PAIR

PAIR

PAIR

移行先のURペア

PAIR

PAIR

PSUE

PSUE

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

注※

障害が発生したボリュームを使用しているペアが、サーバからI/Oを受けたときのペア状態です。このURペアのエラーレベルを「ミラー」に設定している場合は、ミラーに属するすべてのURペアが、このペア状態になります。

この障害に対する回復では、リモートコピーのシステム環境は移行が完了しているので、移行先のURの障害回復を実施してから、移行元のUR環境の撤去を実施してください。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. 障害ボリュームを使用している移行先URペアを削除します。

    コマンド例:
    pairsplit -g oraUR01 -d dev20 -S -IH3
  2. 移行先のUR副サイトのセカンダリボリュームの障害を取り除き回復します(フォーマットによる回復が必要な場合はフォーマットします)。

  3. 移行先のURペアがペア中断している場合は、移行先のURペアを再同期します。

    コマンド例:
    pairresync -g oraUR01 -IH3
  4. 障害ボリュームを使用していた移行先のURペアを再形成します。

    コマンド例:
    paircreate -g oraUR01 -d dev20 -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH3

以降は「1.12.17 移行元の環境を撤去する」に従って、移行元のURの環境を撤去します。