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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.12.37 移行元の副サイトの障害から回復する手順例

1.12.29 障害発生前の状態」に示した、それぞれの状態で、移行元の副サイトのストレージシステムに障害が発生した場合の回復手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 「移行作業中」のデータ移行中状態で発生した、移行元のUR副サイト障害

障害発生前後のペアの状態の変化を、次に示します。

ペアの種類

障害発生前のペア状態

障害発生後のペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

COPY(Local)

COPY(Block)

COPY(Local)

COPY(Block)

移行元のURペア

PAIR

PAIR

PAIR※1/PSUE※1, 2

(PSUE※2

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

注※1
システムオプションモード(448、449)の設定状態によってペア状態が異なります。 VSP 5000シリーズの場合は、システム詳細設定(15、16)の設定状態によってペア状態が異なります。
注※2
移行元の副サイトの電源をオンにした後での状態です。

この障害に対する回復では、障害発生後も移行元のURにて、サーバからのI/Oが継続されるため、移行元のUR副サイトを回復させてから、移行元のURペアを回復します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. 移行元のUR副サイトのストレージシステムの障害を取り除き回復します。

  2. GADのペア状態がCOPYの場合は、プライマリボリューム指定でペア分割します。

    GADのペア状態がPAIRの場合は、この手順をスキップします。

    コマンド例:
    pairsplit -g oraHA -IH1
  3. 移行元のUR正サイトから、移行元のURペアを再同期します。

    コマンド例:
    pairresync -g oraUR00 -IH1
  4. URのペア状態がPAIRに変わったことを確認します。

  5. GADペアがサスペンドしている場合は、GADペアを再同期します。

(2) 「移行作業中」のデータ移行完了後状態で発生した、移行元のUR副サイト障害

障害発生前後のペアの状態の変化を、次に示します。

ペアの種類

障害発生前のペア状態

障害発生後のペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

移行元のURペア

PAIR

PAIR

PAIR※1/PSUE※1, 2

(PSUE※2

移行先のURペア※3

COPY/PAIR

COPY/PAIR

COPY/PAIR

COPY/PAIR

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

注※1
システムオプションモード(448、449)の設定状態によってペア状態が異なります。 VSP 5000シリーズの場合は、システム詳細設定(15、16)の設定状態によってペア状態が異なります。
注※2
移行元のUR正サイトの電源をオンにした後での状態です。
注※3
移行先のURペアが形成されていた場合のペア状態です。

この障害に対する回復では、既存の移行元のURの環境をシステム復旧に利用します。障害発生後も移行元のURにて、サーバからのI/Oが継続されるため、障害からの復旧までは回復のためのペア操作は不要です。このため、URの環境移行手順を進めることも可能です。移行手順を移行完了まで進めた場合の手順は「(3) 「移行完了後」の移行元URペア撤去前状態で発生した、移行元のUR副サイト障害」を参照してください。

障害発生前の状態に回復する手順例を次に示します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. 移行元のUR副サイトのストレージシステムの障害を取り除き回復します。

  2. 移行元のURペアを再同期します。
  3. URのペア状態がPAIRに変わったことを確認します。

(3) 「移行完了後」の移行元URペア撤去前状態で発生した、移行元のUR副サイト障害

障害発生前後のペアの状態の変化を、次に示します。

ペアの種類

障害発生前のペア状態

障害発生後のペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

移行元のURペア

PAIR

PAIR

PAIR※1/PSUE※1, 2

(PSUE※2

移行先のURペア

PAIR

PAIR

PAIR

PAIR

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

注※1
システムオプションモード(448、449)の設定状態によってペア状態が異なります。 VSP 5000シリーズの場合は、システム詳細設定(15、16)の設定状態によってペア状態が異なります。
注※2
移行元の正サイトの電源をオンにした後での状態です。

この障害に対する回復では、リモートコピーのシステム環境は移行が完了しているので、移行先のURの障害回復を実施してから、UR環境の撤去を実施します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. 移行元のUR副サイトのストレージシステムの障害を取り除き回復します。

以降は「1.12.17 移行元の環境を撤去する」に従って、移行元のURの環境を撤去します。