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 システム管理者 クイックリファレンス


付録A.5 SVPとストレージシステムおよび管理クライアントのネットワーク設定をする

SVP上で、ストレージシステムのLANポートと、ストレージシステムに接続するSVPのLANポートのIPアドレスを設定します。

また、ストレージシステムとSVPを接続するためのファイアウォール、および管理クライアントとSVPを接続するためのファイアウォールを設定します。

ヒント

管理クライアントからSVPにリモートデスクトップ接続して、ネットワーク設定を行うこともできます。リモートデスクトップ接続を行う場合は、「付録L 管理クライアントからSVPへの接続方法」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ストレージシステムとSVPのIPアドレスを設定する

背景

SVP からmaintenance utility にアクセスし、ストレージシステムのIP アドレスを設定します。その後、SVP上で、ストレージシステムに接続するSVPのLANポートのIPアドレスを設定します。

メモ

ストレージシステムのネットワーク設定は、SVPとストレージシステムを管理LANに接続して行います。このため、SVPおよびストレージシステムのネットワークセグメントが一致している必要があります。お客様のネットワーク環境にあわせてストレージシステムとSVPのIPアドレスを設定してください。

ストレージシステムのデフォルトIPアドレスにあわせて、SVPのIPアドレスを仮設定します。

ストレージシステムのデフォルトのIPアドレスは次のとおりです。

なお、初期設定サービスを契約されている場合、お客様が指定したIPアドレスが設定されています。

  • コントローラボード#1側ユーザLANポート:192.168.0.16

  • コントローラボード#2側ユーザLANポート:192.168.0.17

  • サブネットマスク:255.255.255.0

SVPのIPアドレスは、192.168.0.xxx(xxx:1~254の範囲で16、17以外の数値)で仮設定する必要があります。

メモ

SVPとストレージシステムの間のネットワーク経路上には、プロキシなどの中継サーバを接続しないでください。

管理クライアントからSVPにリモートデスクトップ接続して、ネットワーク設定を行う場合、管理クライアントのネットワークセグメントも一致している必要があります。また管理クライアント、SVP、ストレージシステムの間のネットワーク経路上には、プロキシなどの中継サーバを接続しないでください。

注意

管理LANにプロキシサーバを接続している場合には、「プロキシの設定」画面で除外設定を行ってください。

操作手順

  1. SVPの電源をONします。

  2. SVPにログインします。

  3. SVPのIPアドレスを仮設定します。

    設定方法は、使用しているOSのマニュアルを参照してください。

    メモ

    管理クライアントからSVPにリモートデスクトップ接続してIPアドレスを変更すると、IPアドレスの変更と同時にリモートデスクトップ接続が切断されます。仮設定したIPアドレスを使用して、再度SVPにリモートデスクトップ接続してください。

  4. SVPにファイアウォールが設定されている場合は、下記のポートをSVPに登録してください。

    プロトコル

    ポート番号

    通信の方向

    http

    80

    SVPが管理クライアントから受信

    https

    443

    RMI

    1099

    RMI(SSL)

    5443

    SVP Communication Protocol(SSL)

    10500

    RMI

    51099

    RMI

    51100-51355

    SLP

    427

    SMI-S

    5989-6244

    注※

    記載の範囲からストレージシステム登録時に未使用のポート番号が自動的に割り振られ、ファイアウォールも設定されます。

    割り振られたポート番号は、ストレージシステム起動時に使用されます。

  5. ブラウザを起動します。

  6. ブラウザのアドレスバーにコントローラボード#1のアドレス(192.168.0.16)を入力します。

    maintenance utilityのログイン画面が表示されます。

  7. [ログイン]画面にて、[ユーザ名]にmaintenance、[パスワード]にraid-maintenanceと入力して[ログイン]をクリックします。

    メモ

    raid-maintenanceは、初期値のパスワードです。

  8. maintenance utilityに初めてログインする場合は、ユーザアカウントのパスワードを設定します。

    1. maintenance utilityのメニューから[システム管理]-[パスワード変更]を選択します。

    2. パスワードを設定して[完了]をクリックします。

  9. ストレージシステムの管理ポート(CTL1とCTL2)のIPアドレスを設定します。

    1. maintenance utilityの[管理]から[ネットワーク設定]をクリックします。

    2. [ネットワーク設定]画面の[ネットワーク設定]をクリックします。

    3. CTL1とCTL2のIPアドレスを設定して[適用]をクリックします。

    注意
    • 管理サーバ(SVP)からストレージシステムのCTL1とCTL2にホスト名を使って接続できます(「3.2.44 管理サーバ(SVP)にストレージシステムを登録する」を参照)。

      ホスト名で接続する場合は、ここで設定したCTL1とCTL2のIPアドレスをDNSサーバに登録してください。DNSサーバ登録時の注意事項を示します。

      • CTL1とCTL2のIPアドレスに別々のホスト名を割り当ててください。同じホスト名に割り当てると、正常に通信できないおそれがあります。

      • 異なるストレージシステムのIPアドレスを同じホスト名に割り当てないでください。正常に通信できないおそれがあります。

      • 以下の規則に従ったホスト名を使用してください。

        • ホスト名の最大文字数は255文字です。

        • 半角英文字と以下の記号を使用できます。なお、半角スペースは使用できません。

          ! $ % - . @ _ ` ~

      SVPのWindowsに対する設定も必要です。[コントロールパネル]からDNSサフィックスを追加する画面を表示して、CTL1、CTL2に設定するホストのドメイン名を追加してください。(「3.2.32 DNSサフィックスの設定」参照)。

  10. [ログアウト]をクリックしてmaintenance utilityを終了します。

  11. SVPのIPアドレスを設定します。

    設定方法は、使用しているOS のマニュアルを参照してください。

    なお、管理クライアントからSVPにリモートデスクトップ接続してIPアドレスを変更すると、IPアドレスの変更と同時にリモートデスクトップ接続が切断されます。

  12. 上記の操作により変更したネットワーク設定に合わせて管理クライアントのIPアドレスを設定し直します。なお、管理クライアントのIPアドレスは、SVPやストレージシステムのIPアドレスと同一セグメントである必要はありません。

    設定方法は、使用しているOSのマニュアルを参照してください。

(2) 管理クライアントとSVPを接続するためのファイアウォールの設定

管理クライアントとSVPがファイアウォールを越えて通信するために、下記のポートを、管理クライアントとSVPの間に存在するネットワーク環境に登録してください。

なお、管理クライアントを使用せずに、SVPから直接管理GUIを操作する場合、下表のRMI、SLP、SMI-S以外のプロトコルのポートの登録は不要です。

プロトコルの種類と、使用するポートは次の表のとおりです。

プロトコル

ポート番号

通信の方向

HTTP

80

管理クライアントからSVPへ送信

HTTPS

443

RMI

1099

RMI(SSL)

5443

RMI

51099

RMI

51100-51355

SLP

427

SMI-S

5989-6244

注※

記載の範囲からストレージシステム登録時に未使用のポート番号が自動的に割り振られ、ファイアウォールも設定されます。

割り振られたポート番号は、ストレージシステム起動時に使用されます。

ヒント

SVPで使用するポート番号は変更可能です。「付録M SVPで使用するポート番号の変更・初期化」を参照してください。

SVPで使用するポート番号を変更する際は、変更後のポート番号でファイアウォールが設定されます。

注意

ICMPのファイアウォール設定はしないでください。アラート通知が行われない可能性があります。設定の解除方法は、ファイアウォールを管理している管理者に依頼してください。

(3) SVPとストレージシステムを接続するためのファイアウォールの設定

メモ

VSP E590およびVSP E790の場合、SVPとストレージシステムは、SVP内部のHUBだけを介して接続されるため、本項の内容は対象外です。

SVPとストレージシステムがファイアウォールを越えて通信するために、下記のポートを、SVPとストレージシステムの間に存在するネットワーク環境に登録してください。

プロトコルの種類と、使用するポートは次の表のとおりです。

プロトコル

ポート番号

通信の方向

TCP

10500

SVPからストレージシステムへ送信

ストレージシステムからSVPへ応答、送信

HTTP

80

HTTPS

443

ヒント

SVPで使用するポート番号は変更可能です。「付録M SVPで使用するポート番号の変更・初期化」を参照してください。

SVPで使用するポート番号を変更する際は、変更後のポート番号でファイアウォールが設定されます。

注意

ICMPのファイアウォール設定はしないでください。アラート通知が行われない可能性があります。設定の解除方法は、ファイアウォールを管理している管理者に依頼してください。