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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.11.5 Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源を計画的にオン/オフする(GADの副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合)

Quorumディスクにボリュームを設定しない構成を使用している場合、Quorumディスク用外部ストレージがないため、電源オン/オフ作業がありません。

一つでも外部ストレージを使用してQuorumディスクにボリュームを設定済みの場合、次の手順に従ってください。

(1) Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオフにする(GADの副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合)」の手順を実施後、「(2) Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオンにする(副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合)」の手順を実施してください。

〈この項の構成〉

(1) Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオフにする(GADの副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合)

GADの副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合の、Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオフにする手順を次に示します。

メモ

ファームウェアバージョン83-03-3X-XX/XX 以前のVSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルと接続して作成、再同期、またはスワップリシンクしたGADペアの場合、手順1~3を実施してください。

それ以外のGADペアの場合、手順1~3は不要です。

  1. 交替パスソフトウェアを使用して、サーバから正サイトのストレージシステムへのI/Oを停止します。

    サーバからのI/Oを、GADの副サイトのストレージシステムへ集約します。

  2. GADの副サイトのストレージシステムで、セカンダリボリュームを指定してGADペアを中断します(スワップサスペンド)。

    コマンド例:pairsplit -g oraHA -RS -IH1

  3. 各ペアの種類とペア状態が次のように変わったことを確認します。

    GADペア中断前

    GADペア中断後

    ペアの種類

    ペア状態

    ペアの種類

    ペア状態

    P-VOL

    S-VOL

    P-VOL

    S-VOL

    GADペア

    PAIR (Mirror(RL))

    PAIR (Mirror(RL))

    GADペア

    PSUS (Block)

    SSWS (Local)

    URペア

    PAIR

    PAIR

    デルタリシンク用URペア

    PSUE※1

    SSUS※2

    デルタリシンク用URペア

    PSUS※2

    SSUS※2

    URペア

    PAIR

    PAIR

    (凡例)

    P-VOL:プライマリボリューム

    S-VOL:セカンダリボリューム

    注※1

    Storage Navigatorでは、HOLDINGと表示されます。

    注※2

    Storage Navigatorでは、HOLDと表示されます。

  4. 正サイトおよびGADの副サイトのストレージシステムから、Quorumディスクへの接続を切断します。

    コマンド例:raidcom disconnect external_grp -ldev_id 0x8888 -IH1

    メモ

    Quorumディスクへの接続を切断するときに、Quorumディスク閉塞のSIM(def0zz*)が発生することがあります。SIMは、ストレージシステムの電源をオンにし、Quorumディスクを再接続したあとでコンプリートします。

    *zzはQuorumディスクIDを示します。

  5. 正サイトおよび副サイトのストレージシステムから、Quorum ディスクへの接続が切断されていることを確認します。

    コマンド例:raidcom get path -path_grp 1 -IH0

  6. 外部ストレージシステムの電源をオフにします。

(2) Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオンにする(副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合)

GADの副サイトのストレージステムでサーバI/Oを継続する場合の、Quorumディスク用外部ストレージシステムの電源をオンにする手順を次に示します。

メモ

ファームウェアバージョン83-03-3X-XX/XX 以前のVSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルと接続して作成、再同期、またはスワップリシンクしたGADペアの場合、手順9~11を実施してください。

それ以外のGADペアの場合、手順9~11は不要です。

  1. 外部ストレージシステムの電源をオンにします。

  2. 各ストレージシステムに閉塞部位がないことを確認します。

    閉塞部位があった場合は、回復します。

  3. 各ストレージシステムで、パスの閉塞に関するSIMが発生している場合は、それらのSIMをコンプリートします。

  4. 正サイトおよびGADの副サイトのストレージシステムから、Quorumディスクへ接続します。

    コマンド例:raidcom check_ext_storage external_grp -ldev_id 0x8888 -IH1

  5. 外部ストレージシステムが正常に接続されていることを確認します。

    コマンド例:

    raidcom get path -path_grp 1 -IH1
    PHG GROUP STS CM IF MP# PORT   WWN                 PR LUN PHS  Serial# PRODUCT_ID LB PM
      1 1-2   NML E  D    0 CL5-C  50060e8007823521    1  0   NML  433333  VSP Gx00   N  M
  6. 正サイトおよびGADの副サイトのストレージシステムから、Quorumディスクへ接続していることを確認します。

    コマンド例:raidcom get external_grp -external_grp_id 1-2 -IH1

  7. 正サイトおよびGADの副サイトのストレージシステムの外部ボリュームが、Quorumディスクとして認識されていることを確認します。

    コマンド例:raidcom get ldev -ldev_id 0x8888 -IH1

  8. 正サイトまたはGADの副サイトのストレージシステムで、Quorumディスク閉塞のSIMが発生している場合は、それらのSIMをコンプリートします。

  9. GADの副サイトのストレージシステムで、セカンダリボリュームを指定して、GADペアを再同期します(スワップリシンク)。

    コマンド例:pairresync -g oraHA -swaps -IH1

    正サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリューム、GADの副サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリュームに変わります。

  10. 各ペアのペア状態が次のように変わったことを確認します。

    ペアの種類

    GADペア再同期前のペア状態

    GADペア再同期後のペア状態

    P-VOL

    S-VOL

    P-VOL

    S-VOL

    GADペア

    PSUS (Block)

    SSWS (Local)

    PAIR (Mirror(RL))

    PAIR (Mirror(RL))

    デルタリシンク用URペア

    PSUE※1

    SSUS※2

    PSUE※1

    SSUS※2

    URペア

    PAIR

    PAIR

    PAIR

    PAIR

    (凡例)

    P-VOL:プライマリボリューム

    S-VOL:セカンダリボリューム

    注※1

    Storage Navigatorでは、HOLDINGと表示されます。

    注※2

    Storage Navigatorでは、HOLDと表示されます。

  11. サーバからGADペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームへ、2分程度I/Oを発行し続けます。

    サーバがI/Oを発行すると、システム構成に関する情報が3台のストレージシステムへ通知されます。デルタリシンク用URペアの状態が、PSUEからPSUSに変わります。ミラーの状態はPJNSのままです。ペア状態とミラー状態を確認したら、障害を通知するSIMが発生していないことも確認します。

メモ

計画停止前の構成からプライマリボリュームとセカンダリボリュームが逆転している状態です。計画停止前と同じ構成に戻す場合は、GADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームを入れ替えてください。