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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


2.11.6 Quorumディスクの障害から回復する(URと併用しているとき)

Quorumディスクの障害から回復する手順を説明します。Quorumディスクには外部ストレージシステムのボリュームまたはサーバのディスクを使用します。ここでは、外部ストレージシステムのボリュームをQuorumディスクとして使用している場合について説明します。次のどちらの状態であるかによって、回復手順が異なります。

サーバからGADペアのボリュームにアクセスできるかどうかは、GADペアのI/Oモードで確認できます。

コマンド例

pairdisplay -g oraHA -fxce -IH0
Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,
Fence,   %,P-LDEV# M CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
oraHA   dev1(L)     (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.S-VOL PSUS 
NEVER ,  100  4444 -   -   0  -  -            -       - L/L
oraHA   dev1(R)     (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.P-VOL PAIR 
NEVER ,  100  2222 -   -   0  -  -            -       - B/B

R/WL/Lのボリュームへはサーバからアクセスできますが、R/WB/Bのボリュームへはアクセスできません。

〈この項の構成〉

(1) Quorumディスクの障害から回復する手順例(サーバからGADペアのボリュームの一方にアクセスできる場合)

Quorumディスクに障害が発生し、サーバからGADペアのボリュームの一方にアクセスできる場合の回復手順の流れを次に示します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. Quorumディスクの障害を回復します。

  2. 障害によって中断したGADペアがある場合は、GADペアを再同期します。

(2) Quorumディスクの障害から回復する手順例(サーバからGADペアのボリュームの両方にアクセスできない場合)

Quorumディスクに障害が発生し、サーバからGADペアのボリュームの両方にアクセスできない場合は、いったんすべてのペアを削除してから、URの副サイトにあるボリュームを使用して障害から回復します。

障害回復の流れ

  1. URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -S -IH0

  2. デルタリシンク用URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraDELTA -S -IH1

  3. GADペアを削除します。

    プライマリボリュームとセカンダリボリュームのI/O モードが両方ともブロックのときは、GADペアを強制削除します。プライマリボリュームとセカンダリボリュームに対して、次のとおりにGADペアの強制削除コマンドを実行します。

    1. セカンダリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。仮想LDEV IDも同時に削除します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -RF -IH1

    2. セカンダリボリュームの仮想LDEV IDが、GAD予約になっていることを確認する。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x2222 -fx -IH2
      (略)
      LDEV : 2222
      VIR_LDEV : ffff
      (略)
      

      VIR_LDEV : ffffは、GAD予約を示しています。

    3. プライマリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。ただし、仮想LDEV IDは残します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -SFV -IH0

    4. プライマリボリュームの仮想LDEV IDが残っていることを確認します。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x1111 -fx -IH1
      (略)
      LDEV : 1111
      (略)
      

      VIR_LDEVの情報は、LDEVの情報と同じ場合表示されません。

    I/Oモードがブロック以外の場合で、GADペアを強制削除したいときは、お問い合わせください。

    メモ

    Storage NavigatorGADペアを強制削除する場合は、[ペア削除]画面で、[削除モード]に[強制]を選択します。

  4. URの副サイトと正サイトの間で、URペアを作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH2

    この時点で、URの副サイトにあるプライマリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  5. Quorumディスクの障害を取り除きます。

  6. セカンダリボリュームを指定してURペアを分割(スワップサスペンド)します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -RS -IH0

    この時点で、正サイトにあるセカンダリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  7. セカンダリボリュームを指定してURペアを再同期(スワップリシンク)します。

    コマンド例:pairresync -g oraREMOTE -swaps -IH0

    正サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリューム、URの副サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリュームに変わります。

    [図データ]
  8. URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -S -IH0

  9. GADペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraHA -fg never 2 -vl -jq 0 -IH0

  10. デルタリシンク用URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraDELTA -f async -vl -jp 0 -js 0 -nocsus -IH1

  11. URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH0