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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


2.11.4 正サイトおよび副サイトの障害から回復する手順例(URと併用しているとき)

正サイトと副サイトの両方に障害が発生した場合は、URの副サイトにあるボリュームを使用して障害から回復します。すべてのペアの削除と再作成が必要です。

障害回復の流れ

  1. セカンダリボリュームを指定してURペアを分割(スワップサスペンド)します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -RS -IH2

    この時点で、URの副サイトにあるセカンダリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  2. 正サイトおよび副サイトの障害を取り除きます。

  3. URペアを削除します。

  4. デルタリシンク用URペアを削除します。

  5. GADペアを削除します。

    プライマリボリュームとセカンダリボリュームのI/O モードが両方ともブロックのときは、GADペアを強制削除します。プライマリボリュームとセカンダリボリュームに対して、次のとおりにGADペアの強制削除コマンドを実行します。

    1. セカンダリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。仮想LDEV IDも同時に削除します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -RF -IH1

    2. セカンダリボリュームの仮想LDEV IDが、GAD予約になっていることを確認する。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x2222 -fx -IH2
      (略)
      LDEV : 2222
      VIR_LDEV : ffff
      (略)
      

      VIR_LDEV : ffffは、GAD予約を示しています。

    3. プライマリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。ただし、仮想LDEV IDは残します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -SFV -IH0

    4. プライマリボリュームの仮想LDEV IDが残っていることを確認する。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x1111 -fx -IH1
      (略)
      LDEV : 1111
      (略)
      

      VIR_LDEVの情報は、LDEVの情報と同じ場合表示されません。

    I/Oモードがブロック以外の場合で、GADペアを強制削除したいときは、お問い合わせください。

    メモ

    Storage NavigatorGADペアを強制削除する場合は、[ペア削除]画面で、[削除モード]に[強制]を選択します。

  6. URの副サイトと正サイトの間で、URペアを作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH2

  7. セカンダリボリュームを指定してURペアを分割(スワップサスペンド)します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -RS -IH0

    この時点で、正サイトにあるセカンダリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  8. セカンダリボリュームを指定してURペアを再同期(スワップリシンク)します。

    コマンド例:pairresync -g oraREMOTE -swaps -IH0

    正サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリューム、URの副サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリュームに変わります。

    [図データ]
  9. URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -S -IH0

  10. GADペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraHA -fg never 2 -vl -jq 0 -IH0

    誤ってプライマリボリュームの仮想LDEV IDを削除すると、再度GADペアを作成できません。raidcom map resource コマンドを使用して、仮想LDEV IDをプライマリボリュームに再設定してください。

    コマンド例:raidcom map resource -ldev_id 0x1111 -virtual_ldev_id 0x1111 -IH1

    デフォルトの仮想LDEV IDは、実LDEV IDと同じです。

    仮想LDEV IDの再設定後に、確認コマンドを使用して、仮想LDEV IDが実LDEV IDと一致していることを確認してください。

  11. デルタリシンク用URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraDELTA -f async -vl -jp 0 -js 0 -nocsus -IH1

  12. URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH0