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2.1.12 TrueCopyと組み合わせた構成とは

Universal Replicatorと同様に、TrueCopyも遠隔地にデータをバックアップできます。Universal Replicatorは正サイトと副サイトの間でデータを非同期にコピーしますが、TrueCopyは同期してコピーします。このため、Universal Replicatorでは副サイトのデータが正サイトのデータより遅れて更新されるのに対して、TrueCopyは正サイトのデータと副サイトのデータが一致することを保証します。ただし、TrueCopyはサイト間の距離の影響を受けやすいため、TrueCopyの副サイトはUniversal Replicatorの副サイトよりも近い場所に設置する必要があります。

Universal ReplicatorTrueCopyを組み合わせることで、それぞれの特長を生かした構成で、障害や災害の発生に対応できます。

メモ

ストレージシステムがVSP G900VSP F900VSP G800VSP F800VSP G1000VSP G1500VSP F1500、またはVSP 5000シリーズの場合に、Universal ReplicatorTrueCopyを組み合わせることができます。

Universal ReplicatorTrueCopyを組み合わせた構成には、3つの3DC構成(3データセンター構成)があります。

〈この項の構成〉

(1) 3DCカスケード構成(3データセンターカスケード構成)とは

データセンターを、正サイト、中間サイト、副サイトの3か所に配置する構成です。正サイト、中間サイト、副サイトのそれぞれに1台ずつ、VSP G900VSP F900VSP G800VSP F800VSP G1000VSP G1500VSP F1500、またはVSP 5000シリーズを配置します。

正サイトにある業務ボリュームをプライマリボリューム、正サイトから近距離にある中間サイトのボリュームをセカンダリボリュームとしてTrueCopyペアを作成します。さらに、TrueCopyペアのセカンダリボリュームをUniversal Replicatorペアのプライマリボリュームとして共用し、遠距離にある副サイトのボリュームをセカンダリボリュームとするUniversal Replicatorペアを作成します。I/Oレスポンス時間を短くするため、中間サイトは正サイトの近くに配置します。ホストからのI/Oに対する応答時間は、TrueCopyからの応答時間と中間サイトでのジャーナルデータ作成時間の合計です。

この構成を次の図に示します。

[図データ]

(2) 3DCマルチターゲット構成(3データセンターマルチターゲット構成)とは

3DCマルチターゲット構成は、データセンターを正サイトと2か所の副サイトに配置する構成です。正サイト、中間サイト、副サイトのそれぞれに、少なくとも1台のVSP G900VSP F900VSP G800VSP F800HUS VMVSP G1000VSP G1500VSP F1500、またはVSP 5000シリーズを配置します。

正サイトにある業務ボリュームは、TrueCopyUniversal Replicatorの両方のプライマリボリュームとして、TrueCopyUniversal Replicatorで共有されます。TrueCopyのセカンダリボリュームとUniversal Replicatorのセカンダリボリュームは、それぞれ異なる副サイトに配置されます。TrueCopyで同期してコピーしたデータか、Universal Replicatorで非同期でコピーしたデータのどちらかを使って災害リカバリできます。TrueCopyの副サイトは正サイトの近くに配置し、Universal Replicatorの副サイトは遠隔地に配置します。

この構成を次の図に示します。

[図データ]

(3) デルタリシンクを用いる3DCマルチターゲット構成とは

この構成も、データセンターを正サイトと2か所の副サイトの3か所に配置する構成です。正サイト、中間サイト、副サイトのそれぞれに、少なくとも1台のVSP G900VSP F900VSP G800VSP F800VSP G1000VSP G1500VSP F1500、またはVSP 5000シリーズを配置します。

正サイトが使用できなくなったときに、2か所の副サイト間でデータをコピーすることを、デルタリシンクといいます。デルタリシンクを用いる3DCマルチターゲット構成では、正サイトの障害で失った差分データだけをTrueCopyの副サイトからUniversal Replicatorの副サイトにコピーするため、遠隔地にある副サイトのデータを迅速に回復できます。

デルタリシンク用のUniversal Replicatorペアを作成しておくことで、TrueCopyの副サイトにあるUniversal Replicatorのジャーナルデータを使って、Universal Replicatorペアのセカンダリボリュームを同期できます。デルタリシンク用のUniversal Replicatorペアは、TrueCopyペアのセカンダリボリュームとUniversal Replicatorペアのセカンダリボリュームを使用して作成します。

この構成を次の図に示します。

[図データ]