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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


1.9.5 TrueCopyのフェンスレベルとは

プライマリボリュームのフェンスレベルフェンスレベルの設定は、ペアの作成または追加操作時に指定するもので、TrueCopyがエラーで分割した場合にホストのアクセスを拒否するか、プライマリボリュームへのアクセスを続けるかを決定します。次のフェンスレベルのうち1つを選択します。

[セカンダリボリュームデータ]

セカンダリボリュームデータ(フェンスレベル)

[セカンダリボリュームデータ]を設定すると、更新コピーが失敗したときに、プライマリボリュームにアクセスできなくなります。このようにプライマリボリュームのフェンスレベルを設定することで、TrueCopyリモートコピーに失敗した場合は、更新のためにプライマリボリュームにアクセスできなくなります。このフェンスレベルは、最も重要なボリュームの災害リカバリに設定することを検討してください。この設定によって、災害リカバリ作業中にセカンダリボリュームのデータが保証されているかを判断するための時間を短縮できます。

[セカンダリボリューム状態]

セカンダリボリューム状態(フェンスレベル)

[セカンダリボリューム状態]を設定すると、正サイトのストレージシステムがセカンダリボリュームのペアの状態をPSUEに変更できない場合にだけ、プライマリボリュームがフェンスされます。正サイトのストレージシステムがセカンダリボリュームのペアの状態を正常にPSUEに変更すると、以降のプライマリボリュームへのWrite I/Oは受け付けられ、正サイトのストレージシステムはプライマリボリュームへの更新を記録します。したがって、ペア再同期操作でペアを迅速に再同期できます(同期していないトラックだけ)。また、この設定によって、災害リカバリ作業中にセカンダリボリュームのデータが保証されているかを判断するための時間を短縮できます。

[なし]

なし(フェンスレベル)

[なし]を設定すると、ペアが分割されてもプライマリボリュームはフェンスされません。この設定は、TrueCopyコピー操作がすべて失敗しても、更新のためにアプリケーションでプライマリボリュームを使用できるようにします。このため、セカンダリボリュームはプライマリボリュームと同期していないことがありますが、このペアが分割している間、正サイトのストレージシステムはプライマリボリュームへの更新を記録します。この設定を使用する場合は、ホストフェイルオーバ機能が不可欠です。災害リカバリ時にセカンダリボリュームのデータが保証されているかは、ホストフェイルオーバを経由して転送されたセンス情報を使用して判断するか、すでにセカンダリボリュームのデータが保証されているかを確認した他のファイルとセカンダリボリュームの内容を比較して判断します。