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 パフォーマンス最適化 クイックリファレンス 


1.14.5 上限値制御、下限値制御、優先度制御の組み合わせ

同じボリュームに対して、上限値制御、下限値制御、優先度制御を組み合わせて使用できます。

注意

下限値制御と優先度制御の組み合わせについて

下限値とは、ストレージシステムの管理者が、ストレージシステムのユーザに対して保証する、スループットの具体的な数値です。任意の数値を設定できます。下限値制御は、ボリュームに対するI/Oコマンドとデータの入出力(I/O処理)を制御します。

一方、優先度とは、ストレージシステムがI/Oコマンドを受領してから、レスポンスに必要な処理を行い、レスポンスを返すまでの時間(目標レスポンスタイム)を高、中、低の3段階で指定するためのオプションです。目標レスポンスタイムは具体的な数値ですが、任意の数値を設定できません。優先度制御は、I/O処理の順序を制御します。各ボリュームに優先度を設定した場合、先に優先度の低いボリュームに対するI/Oコマンドを受領していても、後から優先度の高いボリュームに対するI/Oコマンドを受領すると、処理の順序を入れ替えて、目標レスポンスタイムに収まるように処理します。

前述のように、下限値制御と優先度制御では、制御する機能が異なるため組み合わせて使用できます。

ただし、次の認識が必要です。

QoS

は、ボリュームに対して設定した下限値や、優先度の影響を確認するため、スループットをモニタし、その結果に基づいて下限値や、優先度の見直しを行います。この場合、下限値制御と優先度制御を同時に設定されていると、下限値制御の影響と、優先度制御の影響の切り分けが難しくなります。例えば、優先度が高のボリュームがI/Oコマンドを受領した後に、優先度が中のボリュームがI/Oコマンドを受領すると、通常、優先度制御によりレスポンスに必要な処理の順序は変わりませんが、下限値制御によりレスポンスの順序が変わる場合もあります。